『バチカン・エクソシスト』のご紹介 [キリスト教と読書]

今日は、『バチカン・エクソシスト』のご紹介です。バチカンというのは、イタリアのローマにあるカトリック教会の総本山ともいえるバチカン市国の教皇庁のことです。そして、エクソシストのことは、このブログの2018年10月2日の掲載した「映画ザ・ライト -エクソシストの真実-のご紹介」に詳しく書きましたのでご覧ください。
アドレスは、https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2018-10-12 です。
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カトリック教会(教皇庁・教皇)は、悪魔や悪霊の存在を認めており、悪魔払いを公式に認めてエクソシストの養成も行っています。「なんと大昔の非科学的なことをやっているのか」と一蹴するのは簡単なことですが、世界各国どこの国の宗教も大なり小なり悪魔祓い的なことはやっていますね。日本でも古くからある神道や仏教は、カトリック教会の悪魔祓いほどではないものの祈祷によるお祓いはあります。

医療行為などで解決(治癒)できないことをどのように解決するのか、その解決(治癒)の方法の一つが悪魔祓いということになるのですが、悪魔や悪霊という現実に目に見えないものを信ずるということは、神を信じるという信仰と同じなのですね。信仰も「目に見えない神を信じること」だからです。ですから、信仰というものに関心のない人にとっては、なかなか理解できることではないのかもしれませんね。

この本は、カトリック教会の関係者(教会内部の人間)が書いたものではなく、ある程度はカトリック教会に精通(理解)していると思われるジャーナリストが書いたものです。ですから、客観的に書かれていると思います。でも、カトリック教会の信徒によっては、偏見というほどではないものの、やはり偏った書き方をしていると思う方もいるでしょうね。それでも私には客観的に書かれている方だと思います………それにしても、この本には書かれていませんが、あるエクソシズムに詳しい方から聴いた話しですが、「悪魔に取り憑かれた人は、相手しか知り得ないその相手の過去を知っているという、説明のしようのない、医学では解明できないことがある。」とのことでした( ̄◇ ̄;)

◯書名:『バチカン・エクソシスト』
出版:文藝春秋
発刊:2007年5月30日
著者:トレイシー・ウイルキンソン(LAタイムズ・ローマ支局長)
訳者:矢口 誠
定価:1,667円+税
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教会日記2020.12.13(カトリック成城・聖タデオ教会「待降節第三主日のミサ」日曜日) [教会日記]

今日は、カトリック成城・聖タデオ教会の10時からの待降節第三主日のミサに与りました。昨夜の主日のミサから待降節第三主日が始まりました。待降節は、12月24日(木)の降誕祭夜半のミサまでの期間となります。イエス・キリストの降誕(誕生)を待ち望み、降誕を準備する期間のことですね。
ミサの前に、アドベント・キャンドルの3本目のローソクに火が灯されました。「アドベント・キャンドル」のことは、このブログの2020年11月28日に掲載した「クリスマス特集2020 ・アドベントキャンドルのお話し」に詳しく書いてありますからお読みください。アドレスは次のとおりです。
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2020-11-28-2
今は、教会近くのカフェ(ケーキ屋さん)で、譜読みをしています!
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ミサは、いつものように3蜜を避けるため、ソーシャルディスタンスで入堂制限があります。普段は200人以上入れる聖堂ですが、今は47人しか入れません。ですから、聖堂に入れない人のために、信徒館でスクリーンで映してオンラインミサに与る(42人)対策をしているのです。また、マスクの着用はもちろんのこと、聖堂(信徒館)入口の受付でカードに氏名と電話番号の記入と手の消毒があります。また、聖歌は声を出しますから、ミサ中の聖歌はすべてカットされていましたが、先々週の日曜日から、10時からの主日のミサに限り、制限付き(歌うのは3曲・聖歌隊の4人限定)で復活しました!先々週に引き続き、今日もミサで聖歌隊の担当でした。今日は、入祭の歌は「讃美歌第242番 主を待ち望むアドヴェント」、奉納の歌は「カトリック聖歌集第105番 来ませ救い主」、拝領の歌は「教会聖歌第8番 いつも喜んでいなさい」でした。聖歌を歌うことができて最高ですね〜!(^∇^)ミサが終わって、11時40分からは、24日の降誕祭夜半のミサの練習があります。やはり聖歌隊はいいですね〜!(^◇^)

ミサでは、ご聖体を拝領させていただいたことを主(神様)に感謝申し上げ、
「栄光の全能永遠の父よ、
御名(みな)が讃えられますように、
崇められますように、
アーメン
天におられる私達の父よ、
どうかこの祈りを聴き入れてください。
慈しみ深く憐れみ深い主よ、
主に救いを求める人々に主の平安をお与えください。
病に苦しむ人々に主の癒しをお与えください。
貧困にあえぐ人々に主の豊かな恵みをお与えください。
主よ、どうか主に救いを求める人々がすべて救われますように。
私達の主イエス・キリストによって。アーメン」
と気持ちを込めてお祈りしてきました。
また、行方不明となっている小学2年生の小倉美咲ちゃんが、元気な姿で両親の元に帰れるようにお祈りし、同僚の病が癒されますように、同僚のお嬢さんが健康な身体になり、元気に学校に通えるようお祈りしました。
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「聖ルチアおとめ殉教者」のお話し [聖人・福者・尊者]

今日12月13日は、「聖ルチアおとめ殉教者」の記念日です。カトリック教会、プロテスタント教会ルーテル派、聖公会及び正教会で聖人となっています。
ドメニコ・ベッカフーミ作の「聖ルチア」です(1521年、シエナ国立美術館蔵)。目が盆の上にあるという猟奇的な絵になっています。殉教の時に乳房をえぐり取られた聖アガタの絵が、乳房を盆の上にのせて画かれているのと似ていますね。
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聖ルチア(伝承による生没年:283年-304年)は、イタリアはシシリア島のシラクサで生まれたことから「シラクのルチア」ともいわれています。裕福な家に生まれ、信仰深い両親のもとで育てられました。父の死後、母の健康がすぐれなかったため、母とともにカタニアの聖アガタ(シシリア島の殉教者)の墓に巡礼したところ、母の病が癒されました。この奇跡を機に、ルチアは生涯を神にささげる決意をしてそのことを母に話し、自分の財産を貧しい人びとに与えたそうです。以前ルチアとの縁談があり、彼女に好意を寄せていた青年はそのことを知って怒り、彼女がキリスト教徒であることを知事に訴えました。当時は、ローマ皇帝ディオクレチアヌスのキリスト教迫害下にあり、すぐに彼女は捕えられ、信仰を貫き通したために殉教しました。
ルチアという名が光と関係があるために、彼女は目、視覚障害者、そしてシラクサの守護聖人とされています。また、拷問のときに、眼をくりぬかれたと伝えられていることから、その絵の多くは自分の眼を盆の上に載せている姿で描かれています。なんとも猟奇的ではありますが、聖ルチアを描く時のアトリビュトになっているのですね。「アトリビュト」についての説明は、このブログの2016年9月14日の記事 https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2016-09-14 をお読みください。

聖ルチアに関係して、イタリアのナポリ民謡「サンタ・ルチア(Santa Lucia)」についてお話しいたします。「サンタ・ルチア」は、古くからの伝統的なナポリ民謡で、名称のとおり「聖(=サンタ)ルチア」の名前から由来しています。でも、キリスト教とは直接的には関係ないそうです。私は、クリスチャンになるまで、この曲がナポリ民謡であることは知っていましたが、聖ルチアという聖人からの由来ということは昨年知りました。しかも、曲名は「サンタル・チア」だと思っていました(⌒-⌒; )
1849年にテオドロ・コットラウが編曲して出版され有名になりました。バルカロール(舟歌)の特徴である3拍子のゆったりとした優雅な曲調は、美しい港町の景色を連想させます。サンタ・ルチア港は、美しいナポリ湾、遠くにはヴェスヴィオ山も見えるなど、世界一美しい港町と言われており、現在でもイタリアの観光名所の一つになっています。この曲は、皆さんも一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。

サンタ・ルチア港です。遠くにヴェスヴィオ山が見えます。
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「ルチア(Lucia)」は、ラテン語で「光」を意味するLuxまたはLucidから派生した名前であることから、冬の夜が長い北欧の国々では「光の祭り」と聖ルチアへの信仰が結びつき、12月13日には「聖ルチア祭」が行われています。

◯1番
Sul mare luccica l’astro d’argento.
Placida è l’onda, prospero è il vento.
銀色の星が輝く海
波は穏やかに 風はそよぐ
Venite all’agile barchetta mia,
Santa Lucia! Santa Lucia!
わたしの小舟においで
サンタ・ルチア!サンタ・ルチア!

◯2番
Con questo zeffiro, così soave,
O, com’è bello star’ sulla nave!
ゼファーとともに
なんと美しい、船の上のもの
※ゼファー:ギリシア神話に登場する風神の神。よそ風、やさしい風という意味を持つ。
Su passeggeri, venite via!
Santa Lucia! Santa Lucia!
乗り人よ、行こう
サンタ・ルチア!サンタ・ルチア!

◯3番
In fra le tende, bandir la cena
In una sera così serena,
テントの中で夕食の準備を
こんな穏やかな夜に
Chi non dimanda, chi non desia.
Santa Lucia! Santa Lucia!
誰も望んでなどいない
サンタ・ルチア!サンタ・ルチア!

◯4番
Mare sì placida, vento sì caro,
Scordar fa i triboli al marinaro,
穏やかな海、心地よい風
苦しみも忘れてしまう
E va gridando con allegria,
Santa Lucia! Santa Lucia!
大きな声で陽気に
サンタ・ルチア!サンタ・ルチア!

◯5番
O dolce Napoli, o suol beato,
Ove sorridere volle il creato!
美しいナポリ 豊かな土地
創造主も笑顔になる
Tu sei l’impero dell’armonia!
Santa Lucia! Santa Lucia!
あなたは調和の帝国
サンタ・ルチア!サンタ・ルチア!

◯6番
Or che tardate? Bella è la sera.
Spira un’auretta fresca e leggiera.
何を待つのか、美しい夕暮れに
新鮮な風が吹く
Venite all’agile barchetta mia,
Santa Lucia! Santa Lucia!
私の小舟においで
サンタ・ルチア!サンタ・ルチア!
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