キリスト教の美術(聖母マリア様と青色のマント) [キリスト教と美術]

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西洋絵画、特に宗教画(キリスト教絵画)には、「アトリビュート(=持物:じぶつ)」というものがあります。これは、絵を描く時の“約束事”として、特定の人物(聖人など)に密接に結びつけられたもの、例えば花、動物、小物、道具や背景などが画かれるのです。上記の絵は、「悲しみの聖母」と同じカルロ・ドルチ作です。青いマントが鮮やかですね。

例えば、聖母マリア様ですと、必ず画かれているのが純潔の象徴である「百合の花」ですね。「受胎告知」の絵で、大天使ガブリエルが百合の花を持っています。そして、天の真実を意味する「青色(濃紺色)のマント」です。上記の絵や「祈りの聖母」と「悲しみの聖母」の絵もそうですね。他にも、「12の星の冠」や足の下に「三日月」と「蛇」が画かれています。聖母マリア様の絵を見るときはよく観察しましょうね。

他にも、聖母マリアの夫である聖ヨセフは、大工であったことから大工道具がアトリビュートになっていますし、このブログに先日掲載した聖アガタは、乳房を切り取られたことから、乳房がアトリビュートになっていましたね。旧約聖書の「トビト記」に出てくるトビアスを描いた絵は、必ず魚が画かれています。(「トビト記」を読めばわかります。)マグダラのマリアの絵は、必ず香油の壺とドクロが画かれています。

ところで、聖母マリア様の鮮やかな「青色(濃紺色)のマント」ですが、これは、カトリック教会が、聖母マリア様を讃える名称として「マリア・ステラ(Maria Stella)=海の星」を古くから使っており、その海の星から来る青い海のイメージから、青色(濃紺色)のマントがアトリビュートとなっているのですね。それが、そのまま顔料の“ウルトラマリン”に結びついているようですね。しかし、鮮やかな濃紺色です!

ラピスラズリが採れる顔料の”ウルトラマリン”ですが、数年前に17世紀のオランダの画家フェルメール作の「真珠の耳飾りの少女」で有名になりました。“フェルメール・ブルー“と呼ばれていましたね。17世紀当時は、非常に高価な顔料だったそうです。深みのある鮮やかな”ウルトラマリンブルー”はヨーロッパの画家に特に愛されて、聖母マリア様やイエス・キリストの衣服の彩色に使われてるのですね。とても綺麗です。

私が、濃紺色を意識したのは、学生時代のタバコの「缶ピース」ですね。”ピース紺”といいますが、色といいデザインといい、シンプルで鮮やかですね。その後、数年前に“フェルメール・ブルー“と出会うまで意識しませんでした。そして、最近、濃紺色のお洋服にゴールドのよく似合う、”美しい”という曖昧な定義では表現できないほど美しい素敵な女性を意識したのです!そういえば「悲しみの聖母」のマリア様に似ている!その人って誰?!それは秘密です(笑)。

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