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カトリック教会現役神父3人組 “ ザ・プリースツ ” のCDのご紹介 [キリスト教と音楽]

ザ・プリースツ2.jpg
約2億円という破格の契約金で、Sony・BGMから華々しくデビューした北アイルランド生まれのカトリック教会現役神父3人組 “ ザ・プリースツ ” のCDです。これは素晴らしい歌声です!皆さんも是非お聴きください!
◯ソニー・ミュ-ジック・ショップのホームページから掲載します。(発売当時の記事)
「100万ポンドで契約した現役神父3人組!!
約2億円という破格の契約金で、Sony BMGから華々しくデビューする話題の大型新人グループ!! 北アイルランド生まれのローマ・カトリックの現役神父3人組という噂の大型新人“ザ・プリースツ”、日本デビュー!!
Sony BMGが100万ポンド(約2億円!!)という破格の契約金で獲得した話題の大型新人グループ、ザ・プリースツの注目のデビュー・アルバム!! 北アイルランドのローマ・カトリックの現役神父であるユージンとマーティンのオヘイガン兄弟、そしてデイヴィッド・デラージーという3人でグループを結成。3人は、北アイルランドのダウン・アンド・オコナー教区で、ともに同じ学校に通っていたころからの友人であり、ベルファストのクイーンズ大学、そしてローマのアイルランド大学で司祭職の訓練に従事しているときに本格的に歌い始め、ローマでさらに本格的なヴォーカル・トレーニングを積み、その素晴らしい圧倒的な歌唱力で、過去にはしばしば法王の元に招待され、歌を披露。北アイルランドで司祭職に戻ったあとも、彼らは観客の要望と喜びのために歌い続け、その歌唱力がSony BMGU.K.の重役に認められ、100万ポンド(約2億円!!)という最近の新人にしては破格の契約金で鳴り物入りのデビューを飾る大型トリオ。
今回のレコード契約にあたっては、カトリック教会からの承認も得て、2008年4月23日(水)に英国ロンドンのウェストミンスター大聖堂で正式調印された契約書には、例えば、教区民の葬儀などがある場合は一切の宣伝活動、レコーディングの義務が免除されるという条件が盛り込まれるなど、神父とレコーディング・アーティストという二束のわらじを履く異色のグループらしい、大変ユニークな内容で、早くもヨーロッパでは大きな注目を集めています。」
◯メンバーの紹介(年齢は2016年現在)
・ユージン・オヘイガン神父:56歳
バリークレアおよびバリーゴワン教区の聖心教会、神聖家族教会に所属。
・マーティン・オヘイガン神父:53歳
クシェンダン教区の聖パトリック教会(クライガ)、聖マリー教会、海星教会(カルラニー)所属。ダウン、コナー教区出身。ユージン神父の弟。
・デイヴィッド・デラージー神父:52歳
ハナスタウン教区の聖ジョセフ教会、聖ピーター教会、ザ・ロック教会所属。ダウン、コナー教区出身。
◯収録曲は次のとおりです。クリスマス・バージョンですね。
1 アヴェ・マリア(F.シューベルト)
2 威厳と気高さを身につけ~ハイドン:オラトリオ「天地創造」
3 天使の糧
4 アイリッシュ・ブレッシング
5 ベネディクトゥス
6 祈り
7 ピエ・イエス
8 ベツレヘムへ向かって
9 アバイド・ウィズ・ミー
10 神に実りの種を
11 主である、ひとり子~ヴィヴァルディ:グローリア
12 オー・ホーリー・ナイト
13 見よ、これぞ大祭司
14 ビー・スティル・マイ・ソウル
15 主よ、人の望みの喜びよ
以上です。
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2023クリスマス・シリーズ:その8「クリスマス音楽・きよしこの夜」のお話し [キリスト教と音楽]

今年もこのブログに「クリスマス・シリーズ(特集)」を掲載する季節になりました。数年前からこの時期の恒例となっています。今日は、その8「クリスマス音楽・きよしこの夜」のお話しです。
数あるクリスマス・キャロルの中で、おそらく世界中で最も知られているのは、『きよしこの夜(サイレント・ナイト)』ではないでしょうか。クリスマス・キャロルにして聖歌であり賛美歌です。約300ヵ国語に訳され、キリスト教の宗派の別なく、キリスト教会であれば歌われています。キリスト教徒でなくても、この世の中に生きている限りこの曲に触れたことのない人はまずいないでしょうね。1818年12月25日にオーストリアのオーベルンドルフの聖ニコラウス教会で初演されました。

実は、この歌の誕生には次の物語(実話)があったのです。
1818年のクリスマスが近づいたある日、オーストリア、ザルツブルグ近郊の村オーベルンドルフでのことです。この村には、カトリックの聖ニコラウス教会がありました。クリスマスの準備がすっかり整った教会に、オルガン奏者が練習にやって来ました。しかし、ちっとも音がでません。ネズミがこの古いオルガンの “ ふいご ” をかじってしまって穴をあけてしまい、音を出すための空気を送れなくなっていたのです。これでは無理です。オルガンが壊れてしまっては、とにかくクリスマス・キャロルは歌えません。そこで主任司祭(神父様)に訳を話すと、ジョゼフ・モーア(モール)という神父様は、しばらく考えて、クリスマスの短い詩を書きました。
それから、友だちでオルガニストのフランツ・クサーヴェー・グルーバーに、ギターの演奏で歌えるクリスマス・キャロルの作曲を頼みました。そして、クリスマス・イブの夜半のミサの最後に、ギターの演奏で作曲された美しい歌が歌われました。これが、現在世界中で歌われている「きよしこの夜」なのです。作詞はカトリック教会のジョゼフ・モーア(モール)神父様、作曲はオルガニストのフランツ・クサーヴェー・グルーバー氏です。ちなみに、日本では明治時代にキリスト教の宣教が認められるようになって広まったそうです。一時は、小学校の教科書にも載りました。
【ふいご】
金属やガラスなどの精錬、加工用に使う簡単な送風装置のこと。空気ポンプの一種で、小さな手風琴型ふいごは手工業用、実験室用のほか、ビニルプールの空気入れなどに使われています。古語では「ふきかわ」(吹皮)とよぶように、元々は皮袋を意味し、タヌキやシカの皮がおもに使われていました。紀元前1500年ごろのエジプト王の墓標にもすでに皮袋型のふいごが刻まれているそうです。

◯2018年11月27日の日本経済新聞に「きよしこの夜 生誕200年」という記事が掲載されていましたのでご紹介いたします。(「日本経済新聞2018年11月27朝刊」から)
きよしこの夜2.jpg
◯『きよしこの夜』の原譜です。
きよしこの夜.jpg
◯写真は、新しい聖ニコラウス教会にある2人の記念像です。下がモーア神父様、発掘された頭骨からイメージされたと言われています。上のグルーバーは肖像画をベースに作られたそうです。ユニークな記念像ですね。
記念像.jpg
ところで、同じメロディーの『きよしこの夜』でも、カトリック教会の「聖歌」とプロテスタント教会の「讃美歌」では歌詞に違いがあります。それでは、①ドイツ語原詩、②英語歌詞、③カトリック教会聖歌の歌詞、④プロテスタント教会讃美歌の歌詞を掲載します。私の知っている歌詞(1番だけ掲載)は次のとおりです。
◯ドイツ語原詩
Stille Nacht, heilige Nacht,
Alles schläft; einsam wacht
Nur das traute hochheilige Paar.
(Nur das traute heilige Paar.)
Holder Knabe im lockigen Haar,
Schlaf' in himmlischer Ruh'!
(Schlafe in himmlischer Ruh'!)
Schlaf' in himmlischer Ruh'!
◯英語
(John Freeman Youngによる訳詞)
Silent night, holy night
All is calm, all is bright
Round yon virgin mother and child.
Holy infant, so tender and mild,
Sleep in heavenly peace,
Sleep in heavenly peace.
◯カトリック教会:カトリック聖歌集第111番『しずけき』
静けき真夜中
貧し厩(うまや)
神のひとり子は
御母(みはは)の胸に
眠り給う
安らかに。
◯プロテスタント教会:讃美歌『きよしこの夜』
きよしこの夜
星は光り
救いの御子(みこ)は
馬槽(まぶね)の中に
眠りたもう
いと安く。

余談ですが、私の三重県四日市市の実家は浄土真宗(真宗高田派)で、まったくキリスト教とは縁のない家でした。しかし、12月だけは「クリスマス」という行為?だけはやりました。それは、大きな鉢に植えたクリスマス・ツリー専用のもみの木にオーナメントを飾り付け、24日のクリスマス・イヴにはクリスマス・ケーキを家族で食べ、御多分に漏れずクリスマス・プレゼントもありました。それに父(88歳で他界)は、この『きよしこの夜』だけは歌詞の書いている紙を見ずに歌うことができました。
ちなみに、母(74歳で他界)は、市民合唱団に入ってメゾソプラノを担当して普段から讃美歌を歌っていましたから、『きよしこの夜』も市民合唱団のクリスマス・コンサートで歌っていました。ところが、父と母の歌う歌詞が違ったのを覚えています。私の記憶では、母が「この讃美歌の歌詞はいろいろあるんよ。」と言っていたと思います………ということは、母は讃美歌で父は聖歌を覚えていたのか?今となっては謎ですね( ̄▽ ̄;)

◯2023クリスマス・シリーズ(特集)の過去の記事は、次のアドレスをクリックして読んでください。
1.2023クリスマス・シリーズ:その1「クリスマス・マーケット」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-11-16
2.2023クリスマス・シリーズ・その2「アドベント・キャンドル」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-12-02-1
3.2023クリスマス・シリーズ・その3「クリスマス・ツリー」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-12-03
4.2023クリスマス・シリーズ・その4「クリスマス・リース」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-12-04
5.2023クリスマス・シリーズ・その5「クリスマス・ケーキ」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-12-05
6.2023クリスマス・シリーズ・その6「クリスマス・デコレーションの緑色と赤色」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-12-09
7.2023クリスマス・シリーズ:その7「クリスマス料理の七面鳥」
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-12-10-1
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『天使のミサ Missa de Angelis』CDのご紹介 [キリスト教と音楽]

今日は『天使のミサ Missa de Angelis』CDのご紹介です。「天使ミサ」についての詳細は、このブログに11月12日に掲載した「『天使ミサ ミサ・デ・アンジェリス(Missa de Angelis)』のお話し」をお読みください。https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-11-12
CDの「天使ミサ」は1番から5番までで、後はグレゴリオ聖歌です。BOOKOFFで買った中古CDですから、現在発売しているかはわかりません。
◯CDのジャケットの絵は、七つの喜びの祭壇画「音楽を奏でる天使たち」の一部分です。フランスのルーブル美術館の所蔵です。
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名称:『天使のミサ Missa de Angelis』
聖歌:ストラスブール大学グレゴリオ聖歌合唱団/ベイ・ド・ロアール地方聖歌隊
製作:STUDIO SM(フランス)
発売:サンパウロ
定価:不明(中古を500円で購入)
◯ストラスブール大学グレゴリオ聖歌合唱団
1.天使のミサ
2.キリエ(いつくしみの賛歌)
3.クレド(信仰宣言)
4.サンクトゥス(感謝の賛歌)
5.アニュス・デイ(平和の賛歌)
6.クリストゥス・ヴィンチトゥ
7.ヴェニ・クレアトル
8.ラウダ・シオン
9.ベネディクトゥス
10.ラウダ・イエルザレム
11.パンジェ・リングワ
12.アッテンデ・ドミネ
13.サルヴェ・レジナ
14.プエル・ナトゥス

◯ベイ・ド・ロアール地方聖歌隊
15.ウビ・カリタス
16.オ・フィリ・エトゥ・フィリア
17.オ・サルタリス・オスティア
18.アヴェ・ヴェルム
19.レジナ・チェリ
20.サルヴェ・レジナ
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『天使ミサ ミサ・デ・アンジェリス(Missa de Angelis)』のお話し [キリスト教と音楽]

『天使ミサ ミサ・デ・アンジェリス(Missa de Angelis)』は、カトリック教会の典礼歴でいう聖ミカエル、聖ガブリエル及び聖ラファエルの「大天使の祭日」や「守護の天使の記念日」のような天使の祝祭日ミサ用のミサ曲でした。このため「天使ミサ(De Angelisデ・アンジェリス)」の名称となっています。また、このミサ曲は、世界中のカトリック教会で最もよく歌われて知られてきたものです。例えば、現在でもヴァチカンでの新年教皇ミサ(ラテン語ミサが挙行される)では世界中の多くの信徒が参列しますが、このミサ曲が歌われています。私は、この天使ミサの曲が大好きで、ほとんど毎日寝る前にベッドで聴いて眠りに入ります。この時、私の書斎兼寝室は聖堂と化します。ただ、疲れている日は曲が流れたまま寝落ちしてしまいます( ̄▽ ̄;)
◯YouTubeの「Missa De Angelis in Gregorian Chants | Catholic Ambience」で5曲を聴くことができます。アドレスは次のとおりです。
https://www.youtube.com/watch?v=taLm-PNgjes

グレゴリオ聖歌のミサ曲は18番まであり、この『天使ミサ Missa de Angelis』は第8番目に当たります。日本のカトリック教会における「カトリック聖歌集」では、第503番の聖歌として掲載されています。
◯通常は次の4曲で構成されます。
1.いつくしみの賛歌 キリエ(Kyrie)15~16世紀に作曲されました。
2.栄光の賛歌 グロリア(Gloria)16世紀に作曲されました。
3.感謝の賛歌 サンクトゥス(Sanctus)12世紀に作曲されました。
4.平和の賛歌 アニュス・デイ(Agnus Dei)15世紀に作曲されました。
以上に「信仰宣言 クレド(Credo)第3番」カトリック聖歌集の第508番を組み合わせて5曲として歌われる機会もあります。
私が知るところでは、日本のカトリック教会において、いわゆる『天使ミサ』という場合は、「カトリック聖歌集の第503番と第508番を使い、ミサ通常文、主の祈り、信仰宣言などをグレゴリオ聖歌で進め、それ以外の聖書朗読、答唱詩編などは日本語で司式することになるミサ」という説明になるそうです。

◯『天使ミサ ミサ・デ・アンジェリス(Missa de Angelis)』ラテン語・日本語
1.『いつくしみの賛歌 キリエ(Kyrie)』☆カタカナ読み併記
Kyrie, eleison.
Kyrie, eleison.
Christe, eleison.
Christe, eleison.
Kyrie, eleison.
Kyrie, eleison.

キリエ、エレイソン。
キリエ、エレイソン。
クリステ、エレイソン。
クリステ、エレイソン
キリエ、エレイソン。
キリエ、エレイソン。

主よ、いつくしみを。
主よ、いつくしみをわたしたちに。
キリスト、いつくしみを。
キリスト、いつくしみをわたしたちに。
主よ、いつくしみを。
主よ、いつくしみをわたしたちに。

2.『栄光の賛歌 グロリア(Gloria)』
栄光の賛歌『グロリア』は、「栄光」又は「神に栄光あれ」の意味です。ミサ通常文で司祭によって唱えられる最初のことばです。栄光の賛歌の他、天使の賛歌ともいわれる。
Gloria in excelsis Deo,
et in terra pax hominibus bonae voluntatis.
Laudamus te, benedicamus te,
adoramus te, glorificamus te,
gratias agimus tibi
propter mgnam gloriam tuam.
Domine Deus, Rex caelestis, Deus pater ominipotens.
Domine Fili unigenite, Iesu Christe.
Domine Deus, Agnus Dei, Filius Patris.
Qui tollis peccata mundi, miserere nobis.
Qui tollis peccata mundi, suscipe deprecationem nostram.
Qui sedes ad dextram Patris, miserere nobis.
Quoniam tu solus Sanctus, tu solus Dominus, tu solus Altissimus,
Iesu Christe,
cum Sancto Spiritu, in gloria Dei Patris.
Amen.

天には神に栄光、
地にはみ心にかなう人に平和。
神なる主、天の王、全能の父なる神よ。
わたしたちは主をほめ、主をたたえ、
主を拝み、主をあがめ、
主の大いなる栄光のゆえに感謝をささげます。
主なる御ひとり子
イエス・キリストよ。
神なる主、神の子羊、父のみ子よ。
世の罪を除く主よ、いつくしみをわたしたちに。
世の罪を除く主よ、わたしたちの願いを聞き入れてください。
父の右に座しておられる主よ、いつくしみをわたしたちに。
ただひとり聖なるかた、すべてを越える唯一の主、
イエス・キリストよ、
聖霊とともに父なる神の栄光のうちに。
アーメン。

3.『信仰宣言 クレド(Credo)』(ニケア・コンスタンチノープル信条)
Credo in unum Deum,
Patrem omnipotentem,
factorrem caeli et terrae,
visibilium omnium et invisibilium,
Et in unum Dominum Iesum Christum,
Filium Dei unigenitum.
Et ex Patre natum ante omnia saecula,
Deum de Deo, lumen de lumine,
Deum verum de Deo vero.
Genitum, npn factum,
consubtantialem Patri,
per quem omnia facta sunt.
Qui propter nos homines,
et propter nostram salutem,
descendit de caelis.
Et incarnatus est de Spiritu Sancto
ex Maria Virgine, et homo factus est.
Crucifixus etiam pro nobis
sub Pontio Pilato passus,
et sepultus est.
Et resurrexit tertia die,
secundum Scripturas,
et ascendit in caelum,
sedet ad dexteram Patris.
Et iterum venturus est cum gloria,
iudicare vivos et mortuos,
cuius regni non erit finis.
Et in Spiritum sanctum,
Dominum et vivificantem:
Qui ex Patre Filioque procedit.
qui cum Patre et Filio simul adoratur,
et conglorificatur,
qui locutus est per Prophetas.
Et unam, sanctam, catholicam
et apostolicam Ecclesiam.
Confiteor unum baptisma
in remissionem peccatorem.
Et expecto resurrrectionem mortuorum,
et vitam venturi saeculi.
Amen.

わたしは信じます。唯一の神、
全能の父、
天と地、見えるもの、見えないもの、
すべてのものの造り主を。
わたしは信じます。唯一の主イエス・キリストを。
主は神のひとり子、
すべてに先だって父より生まれ、
神よりの神、光よりの光、
まことの神よりのまことの神。
造られることなく生まれ、
父と一体。
すべては主によって造られました。
主は、わたしたち人類のため、
わたしたちの救いのために
天からくだり、
聖霊によって、おとめマリアより
からだを受け、人となられました。
ポンティオ・ピラトのもとで、
わたしたちのために十字架につけられ、
苦しみを受け、葬られ、
聖書にあるとおり
三日目に復活し、
天に昇り、
父の右の座に着いておられます。
主は、生者と死者を裁くために
栄光のうちに再び来られます。
その国は終わることがありません。
わたしは信じます。
主であり、いのちの与え主である聖霊を。
聖霊は、父と子から出て、
父と子とともに礼拝され、
栄光を受け、
また預言者をとおして語られました。
わたしは、聖なる、普遍の、
使徒的、唯一の教会を信じます。
罪のゆるしをもたらす
唯一の洗礼を認め、
死者の復活と
来世のいのちを待ち望みます。
アーメン。     

4.『感謝の賛歌 サンクトゥス(Sanctus)』
感謝の賛歌は、『サンクトゥス』という名称ですが、短い賛歌ですのでミサでは『サンクトゥス』と『ベネディクトゥス(Benedictus)』を合わせて一つの曲にまとめられています。マタイによる福音書・第21章・第9節から採られており、「神への感謝を捧げ、その栄光を称える」というこ賛歌です。ちなみにHosanna (ホザンナ)はヘブライ語の音訳で、原義は「救いたまえと(我らは)祈る」となります。ホサンナ又はホサナとも音訳されます。
・新約聖書:マタイによる福音書・第21章・第9節
「そして群衆は、イエスの前を行く者も後に従う者も叫んだ。『ダビデの子にホサナ。主の名によって来られる方に、祝福があるように。いと高きところにホサナ。』」
(1)前半の『サンクトゥス』は、ラテン語で「聖なる」の意味です。
「Sanctus, sanctus, sanctus, dominus deus sabaoth. Pleni sunt caeli et terra gloriatua. Hosanna in excelsis.で、聖なる、聖なる、聖なる神、すべてを治める神なる主。主の栄光は天地に満つ。天には神にホザンナ。」までです。
(2)後半の『ベネディクトゥス』は、ラテン語で「祝福があるように」の意味です。
「Benedictus qui venit in nomine domini. Hosanna in excelsisで、主の名によって来られるかたに賛美、天には神にホザンナ。」です。

Sanctus, Sanctus, Sanctus Dominus Deus Sabaoth.
Pleni sunt caeli et terra gloria tua.
Hosanna in excelsis.
Benedictus qui venit in nomine Domini.
Hosanna in excelsis.

聖なる、聖なる、聖なる神、すべてを治める神なる主。
主の栄光は天地に満つ。
天には神にホザンナ。
主の名によって来られるかたに賛美、
天には神にホザンナ。

5.『平和の賛歌 アニュス・デイ(Agnus Dei)』☆カタカナ読み併記
平和の賛歌は、『神羊誦(しんようしょう)』とも呼ばれます。アニュス・デイは「神の子羊」という意味で、ミサでは聖体変化したパンを切り分ける際に歌われます。神の小羊であるイエス・キリストに世の平安を祈る賛歌です。
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, miserere nobis.
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, miserere nobis.
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, dona nobis pacem.

アニュス・デイ、クイ トーリス ペッカータ ムーンディ、ミゼレレ ノービス。
アニュス・デイ、クイ トーリス ペッカータ ムーンディ、ミゼレレ ノービス。
アニュス・デイ、クイ トーリス ペッカータ ムーンディ、ドーナ ノービス パチェム。

世の罪を取り除く神の子羊、いつくしみをわたしたちに。
世の罪を取り除く神の子羊、いつくしみをわたしたちに。
世の罪を取り除く神の子羊、平和をわたしたちに。
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『交響的印象 教会のステンドグラス』第3楽章「聖クララの朝の祈り」のご紹介 [キリスト教と音楽]

今日は、「聖クララおとめ」の記念日ですので、聖クララを題材にした楽曲をご紹介いたします。
その楽曲とは、イタリアの作曲家オットリーノ・レスピーギ(1879年~1936年)が作曲した『交響的印象 教会のステンドグラス』の第3楽章で、この楽章の題名が「聖クララの朝の祈り(又は聖クララ)」です。
この楽曲と作曲者の詳細については、このブログの5月17日に掲載した「『交響的印象 教会のステンドグラス』のご紹介」をお読みください。そこでは、第2楽章の「大天使ミカエル」について詳しく書いています。お薦めするCDのご紹介もあります。次のアドレスをクリックしてください。
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-05-17-1

この第3楽章「聖クララの朝の祈り」は、5/4拍子のLento(レント)です。曲の初めのところからフルートの奏でる美しい旋律が流れ、霧がかかった朝靄のような神秘的な感じの繊細な曲となっています。題材は14世紀末に無名のトスカーナ地方出身とみられる者が書いた『聖フランシスコの小さき花』から採っています。この書の内容は、アシジのフランシスコ(フランチェスコ)の生涯について、本人の業績や彼に付き従う人たちの逸話、奇跡、敬虔な物語を伝えています。小鳥に説教する聖フランシスコや魚に説教する聖アントニウスといった、美術や音楽で題材となった皆さんよくご存じのエピソードも出てきます。
【Lento(レント)】
Lentoは、イタリア語で「遅く」という意味で、クラシック音楽などで使われる速度記号の中の1つです。

作曲者のレスピーギは、この『聖フランシスコの小さき花』の次の一節を当てました。
「………聖女の花婿イエス・キリストは、この花嫁をそのまま嘆かせておかれず、奇跡的に聖フランシスコの教会に運ばれ、聖夜の全礼拝に霊的にあずからせられた。それから聖体を受けさせ、床に連れもどされた………」
これは、聖フランシスコの弟子であり、清貧の聖女として知られるクララが、重い病気にかかってイエス・キリスト降誕祭にも与ることができずに病床で悲しんでいたところ、イエス様が奇跡を起こして教会での勤めに参加できたというお話しですね。
なお、聖フランシスコの詳しいことは、このブログの2022年10月4日に掲載した「アッシジの聖フランシスコ修道者のお話し」に詳しく書きましたので、是非とも次のアドレスをクリックしてお読みください。
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2022-10-04
◯『聖フランシスコの小さき花』の書籍のご紹介
訳者:永野藤夫
出版:講談社
発行:1986年12月10日
定価:1,800円(初版当時の価格です)私は中古本を購入しました。
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モーツァルト作曲『アヴェ・ヴェルム・コルプス・ニ長調・K.618番』・『レクイエム ニ短調 K.626番』のご紹介! [キリスト教と音楽]

この記事は、このブログに過去に掲載した記事を一部修正・加筆して掲載しています。後でご紹介するCDの収録順が前後しますが、まずは『アヴェ・ヴェルム・コルプス・ニ長調・K.618番』からご紹介します。
この曲は、1791年(6月17日)にモーツァルトが妻コンスタンツェの療養を世話した合唱指揮者アントン・シュトルのために作曲したもので、曲としてはわずか46小節の小品ですが、モーツァルト独特の絶妙な転調による静かで落ち着いたゆったりとした曲調から、モーツァルト晩年の傑作とされています。編成は、混声四部合唱、ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバス、オルガン(通奏低音)です。演奏時間は約3分。
◯歌詞
<ラテン語>
「Ave verum corpus natum de Maria Virgine.
Vere passum immolatum in cruce pro homine:
cujus latus perforatum fluxit aqua et sanguine.
Esto nobis praegustatum mortis in examine.
O Iesu dulcis
O Iesu pie,
O Iesu Fili Mariae.
Amen.」
<日本語訳>
「めでたし、乙女マリアより生まれ給いしまことのお体よ。
人々のため犠牲となりて十字架上でまことの苦しみを受け、
貫かれたその脇腹から血と水を流し給いし方よ。
我らの臨終の試練をあらかじめ知らせ給え。
優しきイエスよ。
慈悲深きイエスよ。
マリアの子イエスよ。
アーメン。」

このモーツァルトの『アヴェ・ヴェルム・コルプス』は、是非とも次のCDを聴いてください!それは、リッカルド・ムーティ指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるモーツァルト『レクイエム』です。このCDの一番最後のところに収録されています。
レクイエム.jpg
モーツァルト『レクイエム』
リッカルド・ムーティ指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
合唱は、スウェーデン放送合唱団・ストックホルム室内合唱団
ソプラノ:パトリシア・パーチェ
メゾソプラノ:ヴァルトラウト・マイヤー
テノール:フランク・ロバート
バス:ジェイムス・モリス
レーベルはEMIです。

なんと!この名演で500円です!このCDが世界最高のモーツァルトのレクイエムの演奏です!ムーティー指揮のベルリン・フィルにエリック・エリクソンが率いるストックホルム室内合唱団とスウェーデン放送合唱団とのコラボは最高水準の出来ばえです!カラヤンの指揮したCDもありますが、このCDに比べればカラヤンの指揮したCDは小学生の演奏に聴こえます。レクイエムは「死者のためのミサ曲」ですが、そのようなことにかかわらず、人を癒す力がある曲です。ぜひ、心静かにして落ち着いて聴いてください。涙があふれてきます。
収録曲
1.レクイエム ニ短調 K.626
1 入祭文:永遠の休息
2 キリエ
3 続誦:怒りの日
4 続誦:不思議なラッパが
5 続誦:おそるべき大王よ
6 続誦:思いたまえ
7 続誦:呪われた者どもを
8 続誦:涙の日
9 奉献文:主イエズス
10 奉献文:いけにえ
11 聖なる
12 ほむべきかな
13 神の小羊
14 聖体拝領誦
2.アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618
以上です。

次に、『レクイエム』の意味をご紹介します。
「レクイエム(ラテン語: Requiem)」とは、ラテン語で「安息を」という意味の語で、次の意味において使われています。
1 死者の安息を神に願うキリスト教カトリック教会のミサ。“死者のためのミサ”という意味です。
2 上記のミサで用いる聖歌のこと。またそれに想を得て作られた楽曲。「死者のためのミサ曲」などと訳されます。
3 宗教的な意味を離れて、単に「葬送曲」又は「死を悼む」という意味でレクイエムという語が使われています。
上記1番のミサは、仏教でいうお葬式のことですね。そして2番は、そのお葬式の音楽ということです。ところで、たくさんの作曲家がレクイエムを作曲していますが、特に有名なのは“三大レクイエム”といわれるモーツァルト、ヴェルディ、フォーレの3人が作曲したレクイエムです。そこで、お勧めCDをご紹介します。ヴェルディのCDだけは紹介していません。もしもお聴きになるのでしたら、レクイエムの中の「怒りの日」を聴いてください!YouTubeで聴けます。ものすご~く恐ろしい怖い曲で、聴いているとそのまま地獄に落とされそうになります( ̄◇ ̄;)

では、次にレイクエムの曲の内容を説明いたします。ミサの司式にしたがって曲が進んで行きます。
◯入祭唱 (Introitus)
その日のミサの内容を歌うものです。固有文。死者のためのミサでは歌い出しが"Requiem æternam"(永遠の安息を)であるため、ミサ曲全体が「レクイエム」と呼ばれます。
※固有文:ミサを構成する種々の祈りの祈祷文のうち,そのミサが行われる日(曜日や季節)や目的(祝祭の種類)などに応じてそのミサだけに固有な内容をもつ祈りの祈祷文。したがって毎日変化しない「通常文」に対して変化する祈祷分のこと。

Requiem æternam dona eis, Domine,
et lux perpetua luceat eis.
Te decet hymnus, Deus, in Sion,
et tibi reddetur votum in Jerusalem.
Exaudi orationem meam,
ad te omnis caro veniet.
Requiem æternam dona eis, Domine,
et lux perpetua luceat eis.

主よ、永遠の安息を彼らに与え、
絶えざる光でお照らしください。
神よ、シオンではあなたに賛歌が捧げられ、
エルサレムでは誓いが果たされます。
私の祈りをお聞き届けください
すべての肉体はあなたの元に返ることでしょう。(詩編65:2-3)
主よ、永遠の安息を彼らに与え、
絶えざる光でお照らしください。

◯キリエ (Kyrie)
日本では「いつくしみの賛歌」と言います。いつくしみ深い神への賛歌、あるいは罪びとがいつくしみを乞う歌のことです。唯一、ギリシア語による通常文です。

Kyrie eleison.
Christe eleison.
Kyrie eleison.

主よ、いつくしみを。
キリスト、いつくしみを。
主よ、いつくしみを。

◯続唱 (Sequentia)
固有文。最後の審判を歌ったもの。「トリエント公会議」で公認された4つの続唱のうちの1つ。「第2バチカン公会議」における典礼の刷新で、「死後の恐怖を不必要に強調することはキリスト教本来の思想から外れている」ことと、「葬儀は、キリスト信者の死の復活的性格をより明らかに表現する(『典礼憲章』第81条)」という理由でこの続唱は除かれ、三部に分けられて教会の祈り(聖務日課)の賛歌となっています。なお「怒りの日」は Dies Iræ ... Amen. までで1つの典礼文ですが、作曲の便宜上、以下のように細分されることがあります。フォーレのレクイエムには「怒りの日」がなく、初演当時はレクイエムの伝統にふさわしくないということで、教会の司祭から厳しく批判されたそうです。

Absolve Domine, animas omnium fidelium defunctorum
ab omni vinculo delictorum. 
Et gratia tua illis succurrente,
mereantur evadere judicium ultionis.
Et lucis aeternae beatitudine perfrui.

主よ、全ての死せる信者の霊魂を
ことごとく罪のほだしより解いてください。
彼らが主の聖寵の助けによって
刑罰の宣告をまぬがれ、
永遠の光明の幸福を楽しむにいたらんことを

・怒りの日 (Dies iræ)
Dies iræ, dies illa
solvet sæclum in favilla:
teste David cum Sibylla
Quantus tremor est futurus,
quando judex est venturus,
cuncta stricte discussurus.

怒りの日、その日は
ダビデとシビラの預言のとおり
世界が灰燼に帰す日です。
審判者があらわれて
すべてが厳しく裁かれるとき
その恐ろしさはどれほどでしょうか。

次の5つは省略します。
・奇しきラッパの響き (Tuba mirum)
・恐るべき御稜威の王 (Rex tremendæ)
・思い出したまえ (Recordare)
・呪われたもの (Confutatis)
・涙の日 (Lacrimosa)

◯奉献唱 (Offertorium)
司祭がパンとぶどう酒を捧げる時に歌われます。固有文。
・主イエス・キリスト (Domine Jesu)
Domine Jesu Christe, Rex gloriæ,
libera animas omnium fidelium defunctorum
de pœnis inferni,
et de profundo lacu;
libera eas de ore leonis,
ne absorbeat eas Tartarus,
ne cadant in obscurum.
Sed signifer Sanctus Michæl
repræsentet eas in lucem sanctam,
quam olim Abrahæ promisisti
et semini ejus.

主イエス・キリストよ、栄光の王よ、
全ての死せる信者の魂を
地獄の罰と深淵からお救いください
彼らの魂を獅子の口からお救いください
彼らが冥府に飲み込まれぬように
彼らが暗黒に落ちぬように。
旗手たる聖ミカエルが
彼らの魂を聖なる光へと導きますように。
かつてあなたがアブラハムとその子孫に
約束したように。

・賛美の生け贄と祈り (Hostias)
Hostias et preces Tibi,
Domine, laudis offerimus.
Tu suscipe pro animabus illis,
quarum hodie memoriam facimus.
Fac eas, Domine, de morte transire ad vitam,  
quam olim Abrahæ promisisti
et semini ejus.

賛美の生け贄と祈りを
主よ、あなたに私たちは捧げます。
彼らの魂のためにお受け取りください。
今日、私たちが追悼するその魂のために。
主よ、彼らの魂を死から生へとお移しください。
かつてあなたがアブラハムとその子孫に
約束したように。

◯サンクトゥス (Sanctus)※通常のミサと同じですが、後半の「ベネディクトゥス (Benedictus)」と一緒になっています。
日本では「感謝の賛歌」といいます。神を賛美し感謝する聖歌です。通常文。
・聖なる (Sanctus)
Sanctus, Sanctus, Sanctus
Dominus, Deus Sabaoth
Pleni sunt cæli et terra gloria tua
Hosanna, in excelsis.

聖なる、聖なる、聖なる神、
すべてを治める神なる主
主の栄光は天地に満つ
天には神にホザンナ(ホザンナは「救い給え」の意)

・祝福されますように (Benedictus)
Benedictus qui venit in nomine Domini
Hosanna, in excelsis

主の名によって来られるかたに賛美
天には神にホザンナ

◯神羊誦 (Agnus Dei)(※しんようしょう)
日本では「平和の賛歌」といいます。聖別(聖体変化)したパンを切り分ける際に歌い、神の小羊であるキリストに世の平安を祈る聖歌です。通常文。

Agnus Dei, qui tollis peccata mundi:
dona eis requiem.
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi:
dona eis requiem.
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi:
dona eis requiem sempiternam.

世の罪を除く神の子羊
いつくしみをわたしたちに
世の罪を除く神の子羊
いつくしみをわたしたちに
世の罪を除く神の子羊
平和をわたしたちに

◯聖体拝領唱 (Communio)
聖体となったパンとぶどう酒を拝領する際に歌われます。死者が永遠の光に照らされることを神に祈る聖歌です。固有文。死者ミサの聖体拝領唱は冒頭を取り Lux æterna とも呼ばれます。

Lux æterna luceat eis, Domine:
Cum Sanctis tuis in æternum,
quia pius es.
Requiem æternam dona eis Domine:
et lux perpetua luceat eis.
Cum Sanctis tuis in æternum,
quia pius es.

主よ、彼らを永遠の光でお照らしください。
聖者たちとともに永遠に
あなたは慈悲深くあられるのですから。
主よ、永遠の安息を彼らに与え、
絶えざる光でお照らしください。
聖者たちとともに永遠に
あなたは慈悲深くあられるのですから。

◯赦祷文 (Responsorium)
ミサの終了後の赦祷式(Absolutio ad Tumbam)で歌われます。ミサには含まれませんが、葬儀に関連するため、曲がつけられることがあります。フォーレ、ヴェルディ等。通常のミサで使われる嘆願(Libera nos)と区別するため Libera meと呼ぶことが多いです。

Libera me, Domine, de morte æterna,
in die illa tremenda.
Quando cœli movendi sunt et terra,
Dum veneris judicare sæculum per ignem.
Tremens factus sum ego et timeo,
dum discussio venerit atque ventura ira.
Quando cœli movendi sunt et terra.
Dies illa, dies iræ
calamitatis et miseriæ,
dies magna et amara valde.
Requiem æternam dona eis, Domine
et lux perpetua luceat eis.

主よ、永遠の死から私をお救いください
恐るべきその日に。
天と地が揺れ動き、
主が炎を持ってこの世を裁く日、
来るべき裁きと怒りの時に
私は恐れおののく。
天と地が揺れ動く。
その日は怒りの日、
災いと不幸の日
大いなる嘆きの日。
主よ、永遠の安息を彼らに与え、
絶えざる光でお照らしください。

◯楽園へ (In Paradisum)
出棺、埋葬時に歌われる。ミサには含まれませんが、葬儀に関連するため、曲がつけられることがあります。フォーレなど。(この歌での「あなた」は死者を指す。)

In Paradisum deducant te Angeli;
in tuo adventu suscipiant te martyres
et perducant te in civitatem sanctam Jerusalem.
Chorus Angelorum te suscipiat,
et cum Lazaro quondam paupere,
æternam habeas requiem.

天使があなたを楽園へと導きますように。
楽園についたあなたを、殉教者たちが出迎え、
聖なる都エルサレムへと導きますように。
天使たちの合唱があなたを出迎え、
かつては貧しかったラザロとともに、(ルカ16:19-22)
永遠の安息を得られますように。
以上です。
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CD『アヴェ・マリア 33』のご紹介 [キリスト教と音楽]

今月5月は「聖母月」です。
今日は、このブログの2020年9月9日に掲載した「CD『アヴェ・マリア 33』」という記事を再掲載いたします。掲載当時、「”アヴェ・マリア”の決定的なCDを入手してしまいました!ということで、なんと!アヴェ・マリアの収録曲が33曲も!こんなにもアヴェ・マリアの曲があるのか!?」驚いたようすを記事にしています。
また、このブログの2020年8月30日に「”アヴェ・マリア”のCDのご紹介」という記事を掲載しております。その記事のアドレスは次のとおりですのでお読みください。
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2020-08-30
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また、8月30日の記事に掲載したCDジャケットも「祈りの聖母」でしたが、9月9日の記事に掲載したのCDジャケットも同じ「祈りの聖母」です。このブログの2019年7月19日に掲載した「祈りの聖母のお話し」でご紹介しました。アドレスは次のとおりです。https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2019-07-19
聴きごたえあるCD3枚組ですので皆様にお勧めです!
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◯「アヴェ・マリア~33」
レーベル:エイベックス・エンタテインメント
発売:2009年3月25日
定価:2,619円(税込み)2020年9月1日現在
演奏: オックスフォード・カメラータ、オーストラリア・シンフォニア、アデレード交響楽団、ホットスプリングズ音楽祭管弦楽団、セント・ブライド教会合唱団、ケンブリッジ大学セントジョンズ聖歌隊、カメラータ・ブダペスト、ルガーノ・スイス放送局合唱団、ハンガリー国立歌劇場合唱団、ベルギー放送フィルハーモニー管弦楽団、ルンド大聖堂少年聖歌隊、オーレブロー室内合唱団、ミシェル・ピクマル・ヴォーカル・アンサンブル、グレッグ・スミス・シンガーズ、モスクワ交響楽団 他

ディスク1
1. アヴェ・マリア (グレゴリオ聖歌)
2. アヴェ・マリア (ジョスカン・デ・プレ)
3. アヴェ・マリア (ビクトリア)
4. アヴェ・マリア (カッチーニ)
5. アヴェ・マリア (中世のキャロル)
6. アヴェ・マリア (オケゲム)
7. アヴェ・マリア (ヴィラールト)
8. アヴェ・マリア (フィオッコ)
9. アヴェ・サンクティッシマ・マリア
10. アヴェ・マリア (パーソンズ)
11. アヴェ・マリア (コンペール)
12. アヴェ・マリア (ゴンベール)
13. アヴェ・ドゥルチッシマ・マリア
14. アヴェ・マリア (アルカデルト)
15. アヴェ・マリア (バッハ)

ディス2
1. アヴェ・マリア (シューベルト)
2. アヴェ・マリア (マスカーニ)
3. アヴェ・マリア (ゴットシャルク)
4. アヴェ・マリア (ブラームス)
5. アヴェ・マリア (ブルックナー)
6. アヴェ・マリア (エルガー)
7. アヴェ・マリア (ドニゼッティ)
8. アヴェ・マリア (リスト)
9. アヴェ・マリア(歌曲)
10. アヴェ・マリア(聖歌四篇より)
11. 柳の歌とアヴェ・マリア(歌劇≪オテロ≫より)

ディスク3
1. アヴェ・マリア (ビーブル)
2. アヴェ・マリア (ブスト)
3. アヴェ・マリア (ハミルトン)
4. アヴェ・マリア (プーランク)
5. アヴェ・マリア (ロパルツ)
6. アヴェ・マリア (ストラヴィンスキー)
7. ピアノ協奏曲第3番≪アヴェ・マリア≫ 第1楽章 Allegretto
8. ピアノ協奏曲第3番≪アヴェ・マリア≫ 第2楽章 Largo
9. ピアノ協奏曲第3番≪アヴェ・マリア≫ 第3楽章 Andantino
以上
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『交響的印象「教会のステンドグラス」』のご紹介 [キリスト教と音楽]

今朝、このブログに「新約聖書:ヨハネの黙示録・第12章・第7~第9節」を掲載いたしましたが、この聖書の聖句(聖書の言葉)を楽曲にした作曲家がいます。それはオットリーノ・レスピーギで、その楽曲とは『交響的印象「教会のステンドグラス」』です。
先日13日(土)の夜、久しぶりに愛蔵版のCDを聴きました。オーケストラはオランダ放送フィルハーモニー管弦楽団、指揮はウラディミール・アシュケナージです。この曲のご紹介は、このブログに2020年3月1日に掲載して以来、なんと5回目の掲載となりました。

1.作曲者のこと
曲の解説の前に、作曲者のオットリーノ・レスピーギをご紹介いたしましょう。
オットリーノ・レスピーギ(イタリア・ボローニャ生まれ:1879年~1936年)は、作曲家、音楽学者で指揮者です。1908年までは演奏家、特にヴァイオリン奏者やヴィオラ奏者として活動し、1913年からはローマに出て教育者としても活動しましたが、その後は作曲家として活動しました。近代イタリア音楽における器楽曲の指導的な開拓者の一人として特に有名で、「ローマ三部作」と呼ばれる一連の交響詩『ローマの噴水』、交響詩『ローマの松』及び交響詩『ローマの祭り』が広く知られています。

2.曲のこと
『交響的印象「教会のステンドグラス」』は、レスピーギが1925年に完成させた4楽章からなる管弦楽(オーケストラ)曲で、各楽章には次のタイトルが付いています。
第1楽章:「エジプトへの逃避」
第2楽章:「大天使ミカエル」
第3楽章:「聖クララ」
第4楽章:「偉大なる聖グレゴリウス」
この曲は、キリスト教・聖書を題材にしています。もっとも教会のステンドグラスですからね。聖書から題材がとられている第1楽章と第2楽章を解説します。この2つの楽章は、日本ではオーケストラの演奏よりも、吹奏楽で「全日本吹奏楽コンクール」の自由曲としてたびたび演奏されたことから有名になりました。
ちなみに、レスピーギは、実際に教会にあるこの4つのステンドグラスを見て、そこからインスピレーショを得て作曲したと思いますが、ちなみに、このステンドグラスのある教会は、どこの教会でしょうか?(*^▽^*)

(1) 第1楽章
イエス・キリストがベツレヘムで生まれたすぐのことで、父親のヨセフ、母親のマリアとともに、天使のお告げによって、ヘロデ王の迫害(メシアの殺害計画)からエジプトに逃避するところをもの悲しげな旋律で描いています。
聖書では次のようになっています。
◯新約聖書:マタイによる福音書・第2章・第1~21節
「イエスがヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになったとき、東方の博士たちがエルサレムにやって来て、言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。私たちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」
これを聞いて、ヘロデ王は不安を抱いた。エルサレムの人々も皆、同様であった。王は祭司長たちや民の律法学者たちを皆集めて、メシアはどこに生まれることになっているのかと問いただした。彼らは王に言った。「ユダヤのベツレヘムです。預言者がこう書いています。『ユダの地、ベツレヘムよ、あなたはユダの指導者たちの中で、決して最も小さなものではない。あなたから一人の指導者が現れ、私の民イスラエルの牧者となるからである。』」
そこで、ヘロデは博士たちをひそかに呼び寄せ、星の現れた時期を確かめた。そして、こう言ってベツレヘムへ送り出した。「行って、その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。私も行って拝むから。」
彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子がいる場所の上に止まった。博士たちはその星を見て喜びに溢れた。
家に入ってみると、幼子が母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。 それから、「ヘロデのところへ帰るな」と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分の国へ帰って行った。
博士たちが帰って行くと、主の天使が夢でヨセフに現れて言った。「起きて、幼子とその母親を連れて、エジプトに逃げ、私が告げるまで、そこにいなさい。ヘロデが、この子を探し出して殺そうとしている。」ヨセフは起きて、夜のうちに幼子とその母を連れてエジプトへ退き、ヘロデが死ぬまでそこにいた。それは、「私は、エジプトから私の子を呼び出した」と、主が預言者を通して言われたことが実現するためであった。
さて、ヘロデは博士たちにだまされたと知って、激しく怒った。そして、人を送り、博士たちから確かめておいた時期に基づいて、ベツレヘムとその周辺一帯にいる二歳以下の男の子を、一人残らず殺した。その時、預言者エレミヤを通して言われたことが実現するためであった。「ラマで声が聞こえた。激しく泣き、嘆く声が。ラケルはその子らのゆえに泣き、慰められることを拒んだ、子らがもういないのだから。」
ヘロデが死ぬと、主の天使が、エジプトにいるヨセフに夢で現れて、言った。「起きて、幼子とその母を連れて、イスラエルの地へ行きなさい。幼子の命を狙っていた人たちは、死んでしまった。」そこで、ヨセフは起きて、幼子とその母を連れてイスラエルの地へ入った。」
以上『聖書協会共同訳聖書』から

(2) 第2楽章
天上界で、天使軍団の総帥である大天使聖ミカエルが率いる天使軍団と、竜(サタン)とその手下との戦いを描いています。曲の冒頭部分から弦楽器のめまぐるしい演奏が続きますが、これは天使の翼の羽ばたきの音を表しており、低音の旋律は竜(サタン)との戦いのテーマを表しています。終わりの部分で、祈りのようなトランペットのソロがありますが、これは『ヨハネの黙示録』に出てくる第7のラッパが鳴っている描写で、いよいよ最後の審判が始まろうとしているところに龍(サタン)が現れ、それを天使の軍団が天から追い払うという場面です。曲の最後の部分でドラの音が響くのですが、それは、戦いに敗れた竜(サタン)とその手下どもが、大天使聖ミカエルが率いる天使軍団によって地上に投げ落とされた場面をドラの音で表現しています。
聖書では次のようになっています。
◯新約聖書:ヨハネの黙示録・第12章・第7~第9節
「さて、天で戦いが起こった。ミカエルとその天使たちが竜に戦いを挑んだのである。竜とその使いたちもこれに応戦したが、勝てなかった。そして、もはや天には彼らの居場所がなくなった。この巨大な竜、いにしえの蛇、悪魔ともサタンとも呼ばれる者、全人類を惑わす者は、地上に投げ落とされた。その使いたちも、もろともに投げ落とされた。」
以上『聖書協会共同訳聖書』から

3.私が特にお勧めするこのCDの紹介いたします!(CDにある紹介文から)
「『ローマ三部作』で鮮烈な初共演レコーディングを果たしたアシュケナージ&オランダ放送フィル。同時期に録音されたレスピーギの秘曲集の登場です。吹奏楽版で有名な『教会のステンドグラス』『シバの女王、ベルキス』に『ベルファゴール』序曲を加え、名手ぞろいの超級オーケストラでレスピーギのオーケストレーションを豪快に鳴らします。巨匠アシュケナージはレスピーギの極彩色の管弦楽法を的確に捉え、各楽器の特徴を生き生きと蘇らせ、絢爛豪華音の大伽藍を現前させます。(EXTON)
前作同様、今回もハイブリッドSACDでのリリースで、通常のCDプレーヤーでも再生可能ですが、ブラスが大活躍する作品だけに5チャンネル再生には要注目。膨大なパーカッション群を伴う『シバの女王、ベルキス』の「戦いの踊り」、最後のドラの余韻も印象的な『教会のステンドグラス』の「大天使ミカエル」などが聴きどころでしょう。」
教会のステンドグラス.jpg
◯タイトル名:『RESPIGHI』
収録曲:
1.『ベルファゴール』序曲
2.『組曲『シバの女王、ベルキス』
 1 ソロモンの夢
 2 戦いの踊り
 3 夜明けのベルキスの踊り
 4 狂宴の踊り
3.『交響的印象・教会のステンドグラス』
 1 エジプトへの逃避
 2 大天使ミカエル
 3 聖クララの朝の祈り
 4 聖グレゴリウス・マグヌス
録音:2004年3月30-31、2005年4月26日
ヒルヴェルサム、MCOスタジオにて収録。
レーベル:オクタヴィア・レコード
定価:3,086円(税込み)※2017年10月4日現在の定価です。

◯メディア掲載レビュー『CDジャーナル(山田治生) 2006年02月号』から
「アシュケナージ&オランダ放送フィルが「ローマ三部作」と同時期に録音したレスピーギの管弦楽曲集。今回は、「ベルファゴール」序曲、「シバの女王、ベルキス」、「教会のステンドグラス」という珍しい作品が並ぶ。この3曲、オーケストラではめったに採り上げられないが、吹奏楽の世界では編曲ものがしばしば演奏されているという。曲は、レスピーギの古代へのまなざしと派手な近代的管弦楽法という点で「ローマ三部作」と共通している。ただこのアルバムの三作は、その標題の通り、エキゾティックな雰囲気が漂う。演奏は、作品の魅力を十分に引き出している。特にトランペットなど管楽器のソロには耳を惹きつけられる。そして演奏だけでなく録音に至るまでのすべてが、ライヴの一発録りでは絶対にできない、さすがセッションで録られたと思わせられる、丁寧でハイレベルな仕上がりである。アシュケナージと録音スタッフとのコラボレーションの勝利といえよう。 」
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「マスカーニのアヴェ・マリア 」のお話し [キリスト教と音楽]

今日は、5月の「聖母月」にちなんで、このブログに2020年6月16日に掲載したマスカーニのアヴェ・マリア のお話し」を一部加筆して掲載いたします。このマスカーニのアヴェ・マリアは、私が愛してやまない歌曲です。『アヴェ・マリア』という名称の曲は、たくさんの作曲家が作曲していますが、これは、ピエトロ・マスカーニ(イタリア:1863年~1945年)によって作曲された歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』の間奏曲に、後に『アヴェ・マリア』の歌詞がつけられたもので、歌詞がつけられてからは『マスカーニのアヴェ・マリア』と呼ばれるようになり、悲しみに囚われている”救済を求める歌“となっています。私は、高校時代に、この間奏曲を吹奏楽版にアレンジしたものを吹奏楽部の定期演奏会で演奏しました。思い出の曲ですね。

歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』は、イタリアの小説家、ジョヴァンニ・ヴェルガによる小説(1880年出版)、同人による戯曲(1884年初演)及びピエトロ・マスカーニが同戯曲に基づいて作曲した1幕物の歌劇(1890年初演)です。題名は「田舎の騎士道」といった意味です。ヴェルガの出身地シチリアの山間部を舞台として、貧しい人々の暮らし、三角関係のもつれから起きる決闘と殺人を描いたこの小説は、イタリアにおけるヴェリズモ(リアリズム文芸運動)の典型的作品とされています。マスカーニ作曲の歌劇は、1890年に完成し、楽譜出版社ソンゾーニョ社主催の1幕物オペラ・コンクールで圧倒的な支持を受けて優勝、マスカーニはたちまちオペラ界の寵児となりました。

◯歌劇のあらすじ
<時と場所> 
1890年頃、イタリアのシチリア島
<登場人物>
サントゥッツァ(若い村娘)
トゥリッドゥ(兵隊帰りの青年)
ルチア(トゥリッドゥの母)
アルフィオ(馬車屋)
ローラ(アルフィオの妻)
ほか
<第1幕>『カヴァレリア・ルスティカーナ』は1幕のみの作品です。
時は1890年頃、舞台はイタリアのシチリア島にある村。復活祭の朝、村娘のサントゥッツァは、恋人のトゥリッドゥの母である居酒屋の女将ルチアに会いに行きます。そして、恋人のトゥリッドゥはどこに行ったのかと問いました。実はサントゥッツァは昨夜、彼が昔の恋人ローラの家の近くにいたことを聞いていたのです。ローラはトゥリッドゥが戦争に行っているときに馬車屋アルフィオの妻となってしまい、トゥリッドゥはその気晴らしにサントゥッツァと付き合っていました。それはそれでうまくいっていたのですが、嫉妬深いローラは人妻にもかかわらず、再び彼に接近して彼の気を奪ったのでした。
 
トゥリッドゥを奪われたサントゥッツァは悲しみますが、彼の母ルチアとしても何もできません。やがて礼拝の時間となり、ルチアを始め人々は教会に入っていきます。サントゥッツァは結婚の前に男性と関係を持ったため教会には入れず、外にひとり残されました。
そこへトゥリッドゥがやってきます。サントゥッツァは彼に昨夜の居場所を問い詰めましたが彼は聞く耳を持ちません。それどころかそこへやって来たローラとともに教会に入っていこうとします。サントゥッツァは彼にすがりつきましたが、突き倒されました。
サントゥッツァが地に伏せて悲しんでいると、そこにローラの夫アルフィオが通りかかります。激昂していたサントゥッツァは、アルフィオに事の次第を打ち明けました。アルフィオはそれを聞いて激怒しトゥリッドゥへの復讐を誓いますが、我に返ったサントゥッツァはトゥリッドゥの命を心配して後悔しました。
 
教会から出てきたトゥリッドゥは、母ローラの居酒屋で友人達と酒を飲んでいました。そこへアルフィオが現れたので、トゥリッドゥは彼にも酒を勧めましたが、アルフィオはそれを拒みます。異様な雰囲気からトゥリッドゥは全てを察し、アルフィオに決闘を申し込みます。トゥリッドゥは酔ったふりをして母ルチアに別れを告げて、もし死んでしまったらサントゥッツァの面倒をみてほしいと頼み、決闘の場へ向かいました。
決闘の結果、人々の悲鳴と共に「トゥリッドゥが殺された」と村娘が叫ぶ声が聞こえ、母ルチアとサントゥッツァは気を失い、地に倒れたのでした。

『アヴェ・マリア』の歌詞を3分割にして説明します。
・.イタリア語
「Ave Maria,madre Santa,
Sorreggi il piè del miser che t'implora,
In sul cammin del rio dolor
E fede e speme gl'infondi in cor.」
・無謀ですがカタカナ読みです
「アヴェ マリア マドレ サンタ
ソーレッジ イル ピエ デル ミゼーロ ケ ティンプローラ
イン スル カンミン デル リオ ドロール
エ フェーデ エ スペーマ リンフォンディ イン コール」
・日本語訳
「アヴェ・マリア、聖なる母よ、
あなたに懇願する哀れな人間の足を支えて下さい、
苦しむ罪悪の道の上に
そして信仰と希望を彼の心に呼び覚まして下さい。」
・単語訳
Ave Maria/アヴェ・マリア
madre/母、母親
Santo/聖なる
sorreggere/支える、支援する
il/(英:the)
piè/足
del→di+il/~の+(英:the)
miser/貧困、惨めさ
che/~するところの
t'implora→ti+implorare/あなたに + 切に願う、懇願する
in/~の中に、~の中で
sul→su+il/~の上に
(in su/上に、上を)
cammino/歩行、道のり、歩み
rio/罪人、罪悪
dolore/苦痛、痛み、苦悩
e/そして
fede/信用、信仰
speme/希望、期待
gl'infondi→gli+infondi(infondere)/彼に+呼び覚ます、吹き込む
core/心

・イタリア語
「O pietosa, tu che soffristi tanto,
Vedi, ah! Vedi il mio penar.
Nelle crudeli ambasce d'un infinito pianto,
Deh! Non m'abbandonar.」
・無謀ですがカタカナ読みです
「オー ピエトッサ トゥ ケ ソッフリスティ タント
ヴェディ アー ヴェディ イル ミオ ペナール
ネレ クルデーリ アンバッシェ ドゥン インフィニート ピアント
デー ノン マッバンドナール」
・日本語訳
「おぉ、慈悲深い人よ、あなたは大いに苦しまれた
見て下さい、あぁ!私の苦しみを見て下さい。
とめどない涙のむごい苦悩の中に
お願いだから!私を見捨てないで下さい。」
・単語訳
o/おぉ
pietoso/慈悲深い(人)、哀れみ深い(人)
tu/君は、あなたは
soffrire/~に苦しむ
tanto/非常に、大いに、とても
vedere/見る
ah/あぁ
mio/私の
penare/苦しむ
nelle→in+le/~に+(英:the)
crudele/残忍な、むごい、つらい、苦しい
ambasca/苦悩
d'un→di+un/~の+(英:a)
infinito/無限の、限りない
pianto/涙
deh/お願いだから、あぁ、なんたることか
non/~ない
m'abbandonar→mi+abbandonare/私を+捨てる、見捨てる

・イタリア語
「Ave Maria! In preda al duol,
Non mi lasciar, o madre mia, pietà!
O madre mia, pietà preda al duol,
Non mi lasciar, o madre mia, pietà!」
・無謀ですがカタカナ読みです
「アヴェ マリア イン プレダ アル ドゥオール
ノン ミィ ラッシャー オー マドレ ミア ピエタ!
オー マドレ ミア ピエタ イン プレダ アル ドゥオール
ノン ミィ ラッシャー オー マドレ ミア ピエタ!」
・日本語訳
「アヴェ・マリア!悲しみの餌食の中に
私を放置しないで下さい、おぉ我が母よ、哀れみを!
おぉ我が母よ、哀れみを!悲しみの餌食の中に
私を放置しないで下さい、おぉ我が母よ、哀れみを!」
・単語訳
preda/餌食、犠牲
al→a+il/~に、~の+(英:the)
duolo/悲しみ、苦悩
mi/私を
lasciare/残す、置いておく
mio/私の
pietà/哀れみ

是非ともCDで聴いていただきたい歌ですね。私の大好きな世界三大テナーの一人で、スペインの大テナー歌手プラシド・ドミンゴが歌っている次のCDがお勧めです!このCDの最初に収録されているのが『アヴェ・マリア』ですが、ノルウェーのソプラノ歌手のシセル(Sissel:1969年~ )との共演で、とっても素晴らしい曲になっています。
◯『天使の糧~ドミンゴ・セイクリッド・ソングズ』
レーベル:DEUTSCHE GRAMMOPHON
発 売 元:ユニバーサルミュージック合同会社
発 売 国:日本
発 売 日:2002年9月1日
録 音 年:2002年2月
録音場所:イタリア:ミラノ
指 揮 者:マルチェロ・ヴィオッティ
演 奏 者:プラシド・ドミンゴ(テノール)
演奏楽団:ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団
合 唱 団:ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響合唱団
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CDの説明から
このディスクのテーマは祈りである。祈りにもいろいろあるが、ここでドミンゴが陶然と歌いあげているのは、甘美な恍惚を誘う、ロマンティックな祈りの世界。歌に濃密な感情を込めることにおいて、ドミンゴはまさに圧倒的なプロであり、それぞれの歌の深みは、聴くほどににじみ出てくる。バックのミラノ・ヴェルディ交響楽団がまた共感にあふれた最高の響きを聴かせる。
「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲のうっとりと悲しくせつないメロディは、百万言を費やしても讃えきれないほど永遠だと思うが、ここでアヴェ・マリアの歌詞をつけてドミンゴがしっとりと歌い、ノルウェー生まれの歌手・女優のシセルがしなやかな声でささやく語りを加えるアレンジは、誰にでも何の違和感もなく浸れる自然なもの。ジャンルを超えた、ひとつの素晴らしい歌としてあらゆる人に聴いてほしい。(以下省略)
収録曲
1.『アヴェ・マリア(マスカーニ) - 歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》間奏曲からの編曲』
2.『キリエ(ルスティケッリ)』
3.『天使の糧(フランク)』
4.『祈り(3つの愛)(アルバレス)』
5.『アヴェ・マリア(J.S.バッハ/グノー) - J.S.バッハ《平均律クラヴィーア曲集》第1巻 第1番 プレリュードからの編曲』
6.『千人の天使の合唱(シューベルト) - 子守歌 D.498と《ロザムンデ》D.797のバレー音楽第9曲のメロディから』
7.『サンクトゥス(グノー) - 《聖チェチーリア祝日のためのミサ・ソレムニス》から』
8.『汝我とともにあれば(シュテルツェル) - 伝J.S.バッハ作《アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳》BWV 508(1725)から』
9.『なつかしい木陰 - オンブラ・マイ・フ(ヘンデル) - 歌劇《セルセ》HWV 40から』
10.『ドミネ・デウス(主なる神)(ロッシーニ) - 《小ミサ・ソレムニス》から』
11.『懺悔(グノー) - 祈りの形式での情景』
12.『すべての山に登れ(ロジャース) - 《サウンド・オブ・ミュージック》から』
13.『アヴェ・マリア(P.ドミンゴ Jr.)』
14.『天使(ワーグナー) - ヴェーゼンドンク歌曲集 第1曲』
15.『汝ら民よ、心を引き裂け - 汝ら心つくして我を求めれば(メンデルゾーン) - オラトリオ《エリヤ》作品70から』
16.『祈り(トスティ)』
<共演しているセシルの略歴>
1969年6月24日、ノルウェー西岸に位置する第2の都市ベルゲンに生まれ。8歳の時に聖歌隊に入り、徐々に歌唱力を磨き、やがてその歌唱力がノルウェー内で評判となり、1985年、アルバム「シセル」でCDデビュー、一躍国民的人気歌手となります。
そして1994年、リレハンメル冬季オリンピックで同オリンピックのテーマ曲“Fire in your Heart”を歌うと共に、開会式と閉会式で「オリンピック賛歌」の冒頭部分を民族衣装姿でアカペラで独唱。その澄んだ歌声が評判となり世界にその存在を知らしめることになりました。さらにプラシド・ドミンゴの目にも止まり、シャルル・アズナヴールを交えてのクリスマス・コンサートが行われるなど、実力派シンガーとしての評価を国際的に急上昇させていきます。
更に、1997年には映画「タイタニック」のサウンドトラックで、ヒロインの回想場面で使用されるスキャットを担当するなどして、より存在感を大きな物としており、一方、それまで数多く発売されたアルバムによって、ジャンルもクラシックからポップス、ジャズと幅広く対応できる事も証明しています。日本においても、TBS系のドラマ「Summer Snow」の主題歌や、日産自動車のCMでその歌声はおなじみです。
ちなみに、このCDの『アヴェ・マリア 』で、曲の中でセシルが朗読するとこれがありますが、日本語訳を掲載しておきますね。(これは「アヴェ・マリアの祈り」ですね)
「アヴェ・マリア !
恩寵(おんちょう)に満ちた乙女よ。
主はあなたとともにいます。
御身(おんみ)は女のうちにて祝福され
御胎内(ごたいない)の御子(おんこ)イエスも祝福されたもう。
神の御母(おんはは)なる、聖マリア、
私たちのためにお祈りください。」

また、少々古いですが、世界的に有名なソプラノ歌手キャスリーン・バルトが歌っている、SONYから出ているCD(写真左側)と盲目のテノール歌手で有名な新垣勉さんが歌っている、ビクターエンタテイメントから出ているCD(写真右側)もおすすめです。
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カトリック聖歌集第653番『まきびと』のお話し [キリスト教と音楽]

今日ご紹介する聖歌『まきびと』は、昨日(24日)カトリック成城・聖タデオ教会で20時から行われた「主の降誕夜半のミサ」で、ご聖体拝領時の〈拝領の歌〉として歌いました。
降誕祭・降誕節のミサで歌われる聖歌に『まきびと』があります。カトリック教会では、カトリック聖歌集に収録されています。この『まきびと』は、漢字で「牧人」と書きますが、つまり羊飼いのことですね。プロテスタント教会での名称は『牧人ひつじを(まきびとひつじを、英語The first noel)』で、元はクリスマスに歌われるイギリスのキャロルのことです。この曲の旋律は、イングランド西部地方に17世紀以前から伝わっている旋律で、ウィリアム・サンディーズが1833年に発表して以来、軽快な曲と共に世界に広まったそうです。なお、イギリス国教会由来の日本聖公会は、カトリック教会と同じ名称・歌詞です。

アブラハム・ダニエルス・ホンディウス作の『羊飼いへの告知』です。制作年は1663年から1663年で、アムステルダム国立美術館に所蔵されています。
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◯歌詞
1番:まきびとひつじを 守れるそのよい
たえなるみ歌は 天(あめ)よりひびきぬ
喜びたたえよ 主イエスは生まれぬ

2番:仰げばみ空に きらめく明星(あかぼし)
よるひるさやかに 輝きわたれり
喜びたたえよ 主イエスは生まれぬ

3番:その星しるべに みたりの博士ら
メシヤを尋ねて はるばる旅しぬ
喜びたたえよ 主イエスは生まれぬ

4番:くすしき光の 導くまにまに
博士はまぶねの 主イエスにまみえぬ
喜びたたえよ 主イエスは生まれぬ

この「まきびと」は、新約聖書の『ルカによる福音書』に書かれています。先ほどこのブログの「教会日記2022.12.24(カトリック成城・聖タデオ教会「主の降誕夜半のミサ」土曜日)」に掲載しましたが、再掲載いたします。
◯新約聖書:ルカによる福音書・第2章・第1~第20節
「そのころ、皇帝アウグストゥスによって、全世界の住民に登録をせよとの勅令が発布された。この登録は、キリニウスがシリア州の総督であった時に行われた、最初のものであった。人々はみな登録のために、それぞれ自分の町に帰っていった。
ダビデ家とその血筋に属していたヨセフも、すでに身籠もっていたいいなづけのマリアを伴って、登録のために、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。
ところが、二人がそこにいる間に、出産の日が満ちて、マリアは男の初子を産んだ。そして、その子を産着にくるみ、飼い葉桶に寝かせた。宿屋には、彼らのために場所がなかったからである。
さて、その地方では、羊飼いたちが野宿をして、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の使いが羊飼いたちのそばに立ち、主の栄光が彼らの周りを照らし出したので、彼らはひどく恐れた。み使いは言った。「恐れることはない。わたしは、民全体に及ぶ、大きな喜びの訪れを、あなた方に告げる。今日、ダビデの町に、あなた方のために、救い主がお生まれになった。この方こそ、主メシアである。あなた方は、産着にくるまれて、飼い葉桶に寝ている乳飲み子を見出すであろう。これが徴である」。すると突然、み使いに天の大軍が加わり、神を賛美した。
「いと高き天には、神に栄光、地には、み心にかなう人に平和」
み使いたちが離れて天に去ると、羊飼いたちは語りあった。「さあ、ベツレヘムへ行って、主が知らせてくださった、その出来事を見て来よう」。そして、彼らは急いで行き、マリアとヨセフ、そして飼い葉桶に寝ている乳飲み子を捜しあてた。それを見た羊飼いたちは、この幼子について告げられたことを、人々に知らせた。羊飼いたちが語ったことを聞いた人々はみな不思議に思った。しかし、マリアはこれらのことをことごとく心に留め、思い巡らしていた。羊飼いたちは、見聞きしたことが、ことごとく告げられたとおりだったので、神をほめたたえ、賛美しながら帰っていった。」
『原文校訂による口語訳フランシスコ会聖書研究所訳注聖書』から
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