『ラゲ訳 イエズス・キリストの新約聖書』のご紹介 [聖書]

このブログの先月6月27日の記事として「『我主イエズスキリストの新約聖書』のご紹介」を掲載しましたが、今日ご紹介するのは、“その2”として、同じ宣教師のエミール・ラゲによって訳され(通称「ラゲ訳」)、昭和34年に聖パウロ修道会日本支部が運営していた「中央出版社」から第1刷が初版された『ラゲ訳 イエズス・キリストの新約聖書』です。写真のものは、神田神保町にあるキリスト教専門古書店「友愛書房」で、12,000円で購入した昭和50年・第22刷のものです。新品同様で、とてもキレイです。
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先日ご紹介した戦前に出版されたものは、4福音書と使徒行伝(使徒言行録)だけの収録でしたが、今回のものは、新約聖書の全文書が収録されていますから、これで新約聖書全文を文語で読むことができます!ラゲ訳の詳細については、先月6月27日の記事をご覧下さい。なお、かつて聖パウロ修道会日本支部が運営していた「中央出版社」は、社名を変更して現在は「カトリック出版社サンパウロ」となっています。なお、現在名古屋に本部を置いている「中央出版株式会社」とは、まったく関係がありません。
書名:『ラゲ訳 イエズス・キリストの新約聖書』
訳者:エミール・ラゲ
出版:中央出版社
発行:昭和34年 第1刷、昭和50年 第22刷
頁数:784ページ
装丁:クロス装・カバー付き・赤小口
大きさは文庫本と同じ大きさですが、厚さがあります。

では、私の大好きな新約聖書の「コリントの人々への第一の手紙」第8章・第1節の聖句を比較をします。この聖句は、クリスチャン作家の三浦綾子さんが“私の好きな言葉”として、「いくら知識を持っていても、広く学んでいても、それだけでは思い上がる人間となるが、愛は私たちを向上させるものであろう。」と述べている聖句です。(『それでも明日は来る』新潮社 1993年)
◯現在、一般的に広く多くの人が使用しているカトリック教会とプロテスタント教会が共同訳した口語訳の『新共同訳新約聖書』は次のとおりとなっています。
「知識は人を高ぶらせるが、愛は造り上げる。」

◯カトリック修道会のフランシスコ会聖書研究所が訳した『原文校訂による口語訳 フランシスコ会聖書研究所訳注 新約聖書』は次のとおりとなっています。
「知識は人を思い上がらせ、愛は人を造りあげます。」

◯プロテスタント教会の信徒が使用した『文語訳 新約聖書 詩篇付(1917年改訳本)』は、次のとおりとなっています。
「知識は人を誇らしめ、愛は徳を建つ。」

◯先ほど、このブログにご紹介したカトリック教会の信徒が使用した『ラゲ訳 イエズス・キリストの新約聖書』は次のとおりとなっています。
「知識は高ぶらすれども愛は徳を立つ。」

以上の4つを比較すると、口語訳では、新共同訳聖書よりもフランシスコ会訳聖書の方が意味を理解しやすい訳だと思います。また、文語訳では、やはりラゲ訳聖書の方が文語のリズムが際立っているように感じます。私がカトリック教会のクリスチャンだからということではなく、①理解しやすい、②読みやすいという理に適った訳だからですね。
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1969生

 はじめまして。
 友愛書房で昭和55年刊のラゲ訳を買った時は確か4,000円でしたが、背が焼けていたからでしょうか。
 手元にあるフランシスコ会訳のマタイ伝の分冊にはサンパウロのシンボルマークと「1995年4月1日より中央出版社はサンパウロに社名を変更致しました」が印刷されたシールがカバーと奥付に張ってありますので、中央出版社は「解散して存在し」ない云々は違うのではないでしょうか。
by 1969生 (2022-12-25 00:45) 

アウグスティヌス

こんにちは。
ご指摘ありがとうございます。
調べましたら、確かに会社名が変更になたのですね。
訂正してお詫びいたします。
by アウグスティヌス (2022-12-27 13:21) 

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