映画「ザ・ライト -エクソシストの真実-」のご紹介 [キリスト教関係事項・用語等]

『ザ・ライト -エクソシストの真実-』は、アメリカで2011年に作られたホラー映画です。アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞したことのある大物俳優のアンソニー・ポプキンスが出演しています。このような映画は、1973年に制作された映画『エクソシスト』が世界的に一躍有名になったことから、どうしても映画の分野が「ホラー」ということになってしまいますが、この映画はフィクション(創作)ではなく、ノン・フィクション(事実を基に作られた作品)です。実際に起こったことを映画化したものです。以前にエクソシストが悪魔祓いをする実録を見たことがありますが、この映画はもちろん脚色はありますが、実録にほぼ近いものがあります。ですから、フィクション映画である『エクソシスト』のような、少女の首が360度回転したり、口からは緑の汚物が吐き出されたり、少女の体がベッドから浮きあがったり、スパイダー・ウォークで階段を駆け下りたり………しません!
この映画のDVDケースの表側は、怖い表情の顔がありますから( ̄◇ ̄;)裏側を撮影しました。
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この映画のストーリーの概略は次のとおりです。
<ワーナー・ホーム・ビデオ、ザ・ライト【エクソシストの真実】ブックレットから>
「葬儀社の息子で神学生マイケル・コヴァック(コリン・オドナヒュー)は、悪魔祓いという儀式だけでなく、神の存在さえ疑っていた。成績優秀なマイケルはやがて恩師の推薦で、悪魔祓いの講習を受けるためにバチカンへ派遣される。深い猜疑心を硬い殻のようにまとうマイケルは、悪魔にとり憑かれた者への対応において、必要なのは司祭より精神科医だと指導者たちに言い放つ。だが、何千回も悪魔祓いを行なってきた伝説的なエクソシスト、ルーカス神父(アンソニー・ホプキンス)の助手を務めることになり、邪悪で凶暴な悪魔がルーカス神父によって追い出されるのを目の当たりにする。しかし、そのルーカス神父もやがて悪魔に取り憑かれ…。自ら十字架を手に取り、悪魔との対決に挑む。」というものです。

カトリック教会のエクソシスムは、教会の儀式の一つです。このエクソシスムのギリシャ語は、七十人訳聖書の翻訳の旧約聖書『創世記』第24章・第3節「誓い」、『第一列王記』第22章・第16節「命令」と新約聖書『マタイによる福音書』第26章・第63節の「生きている神に誓って言え」からとられています。命令による追放は、エクソシスムのおもな目的とするものであり、キリスト教の用語としては「真の神、キリストの名によってなされるとき、厳密な意味でエクソシスムである。」としています。
また、エクソシスト(exorcist)とは、キリスト教カトリック教会の用語で、エクソシスムを行う人の名称です。悪魔にとりつかれた人から、悪魔を追い出して正常な状態に戻す人達のことです。現在でもカトリック教会の総本山であるバチカン市国の教皇庁から公認されたエクソシストが世界にいます。もちろんエクソシスムの正規の訓練をされた司祭(神父)達です。カトリック教会の厳密なエクソシスムは、教会法に基づいて行われるもので、司祭(新婦様)が、司教の特別な認可を受け、医学的なケアの上で行うことができるとしています。

悪魔祓いの正式な規則は『ローマ典礼儀礼書』に記されています。
「どのような場合であっても、エクソシストは訪れてきた依頼者が悪魔に憑かれているのか、妄想をいだいているだけなのかを見極めなければならない。依頼者が病気、特に精神性の疾患でないかを注意深く検討しなければならない。
任務を引き受ける司祭は、清廉潔白な生活を送り、思慮深く、謙虚であるべき。特に重要なのは祈祷と断食。
悪魔祓いは、教会の規定に則って行なわなければならない。(迷信じみた儀式は避けるべき)
憑依された者に、祈祷、断食、告解、聖体拝領による悪魔祓いをしたいという気持ちを起こさせなくてはならない。(依頼者にその能力がある場合)
悪魔祓いは、礼拝堂、教会、教会内の礼拝用の小部屋で、十字架とマリア像を備え、可能であるならば少人数で行なわれるべき。家族や友人、霊的指導者などが儀式に参加することは、エクソシストが力を得るうえで重要なことである。
儀式は聖水の散布によってはじまり、悪魔に憑かれた者は苦しみだす。エクソシストは、その者に十字架を掲げる。悪魔の排除が1度で達成されない場合、必要であるならば儀式を何度か繰り返し行なわなければならない。
などなど………。

現在のカトリック教会では、洗礼式の時に悪霊を拒否する誓約があります。洗礼の「信仰宣言」の前に、洗礼を受ける人は、洗礼を授ける司祭(神父)から次の3つの質問を受けます。①「あなたは、神の子の自由に生きるために罪のわざを退けますか。」、②「あなたは、罪に支配されることがないように、悪を退けますか。」、③「あなたは、神に反するすべてのものを退けますか。」、そのすべてに「退けます。」と答えることによって、罪の赦しの前提となる「悪霊の拒否」が行われるのです。
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