「先唱者」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

先日、いつもお世話になっている教会の典礼係りの方から、「朝ミサ(平日のミサ)での先唱者(せんしょうしゃ)をやってもらえないか?」とのお話しがありました。ミサは、与る(あずかる)ものです。与る=参与することですので、毎日ミサに与っているのなら、この際に実際に参与してみよということでお受けいたしました。
しかし、先唱者のことを調べてみると、後述するように、とてつもなく重要な役割を果たしていることが分かり、私みたいな者で務まるだろうかと、少々不安気味になってきました( ̄▽ ̄;) でも、お引き受けした以上は、期待に応えるためにも頑張らないといけないですね。何事も努力と経験です。とにかく頑張ります!
これで、ミサでは①聖歌隊員としての「聖歌奉仕者」、②「朗読担当者」、そして③「先唱者」と3役を担当することになりました。ミサではないですが、受洗者の「代父(だいふ)」も務めることになっています。後は典礼に係る聖体奉仕者など、ミサ典礼における奉仕の担当ですね。

「先唱者」は、ヨーロッパ中世後期まで、教会(ミサ)では、楽器の伴奏はありませんでしたので、助祭?・奉仕者?か信徒が、聖歌の最初の一節を歌い始める必要がありました。グレゴリオ聖歌などでもそうですが、聖歌の歌い出しで、聖歌の音程や速さが示されますので、先唱者は大切な役割を担っていました。
『ミサ典礼書の総則(暫定版)』104でも、「会衆の歌を指導し、支えるために先唱者または合唱指揮者がいるとよい。そればかりではなく、聖歌隊がいない場合には、会衆の参加を得て種々の歌を指導するのは、先唱者の務めである。」と明記されています。歌隊がいない場合は、非常に重要な役割を持っています。

先唱者の中で一番大切な役割を担っているのは『答唱詩編』の先唱者といわれています。答唱詩編は、歌による詩編の朗唱ですから、他の朗読と同じように読まなければなりません。『朗読聖書の緒言』(14)に「聞き取れる声で、はっきりと、味わえるように読む朗読者の読み方が、何より、朗読によって神のことばを集会に正しく伝えることになる。」と書かれています。この「神のことばを集会(=信徒)に正しく伝えること」というところが重要なことなのですね。なお、『朗読聖書の緒言』は、教皇庁秘跡典礼聖省が1981年に発表した、『ミサの朗読配分』第2版の緒言で、ミサの聖書朗読の意義や構造を理解し、その豊かさを味わうための参考書として、朗読奉仕にあたるすべての人にとって必読の書となっています。
◯『朗読聖書の緒言(改定版)』
著者:日本カトリック典礼委員会編
発行:1998年6月25日
頁数:168頁
価格:2420円(税込)
◯『典礼奉仕への招き(第2版)』
このブログの2018年3月7日に掲載しましたので、次のアドレスをクリックしてお読みください。この本は参考になります!私のお勧めです。
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2018-03-07
著者:オリエンス宗教研究所編
出版:オリエンス宗教研究所
発行:初版発行:2005年1月10日・第2版発行:2016年6月10日
定価:1,500円+税(224ページ)
<目次>
序にかえて―みことばと奉仕
Ⅰ ともにささげるために
第1章 典礼とわたしたちの役割
  1 典礼そのものが奉仕
  2 キリストが祈り、ささげておられる
  3 祭司としての神の民
  4 教会の歴史の中で
  5 だれもが祭司
第2章 集会づくりと進行のための奉仕
  1 案内係
  2 進行案内役
  3 先唱者
  4 聖歌隊と楽器奏者
  5 献金に関する奉仕
    Q&A 1 「信者」と「信徒」、2 「祭司」と「司祭」
第3章 障害者・高齢者とともに
  1 典礼と日常性
  2 一体化ということ
  3 話しかけることの大切さ
  4 障害に応じて
第4章 外国籍の信者とともに
  1 増え続ける外国籍信者
  2 だれもが参加できるミサの環境を
  3 文化の違いの意味
  4 ミサを計画する際に
  5 ミサの実践と可能性
第5章 子どもたちとともに
  1 典礼はおとなのために作られている
  2 子どもの発達段階に応じたくふう
  3 典礼における信仰教育
  4 主の食卓を囲む喜びを
  5 待者養成のポイント
Ⅱ 仕え合うために
第6章 朗読奉仕と聖歌奉仕
  1 聖書朗読の大切さ
  2 朗読の際の心得
  3 朗読の間の歌(答唱詩編・アレルヤ唱/詠唱)
  4 詩編唱者と会衆の心構え
  5 行列のときの賛歌
    Q&A 3 A年、B年、C年とは
    4 典礼暦年のしくみ
第7章 共同祈願に関する奉仕
  1 すべての人のための祈り
  2 共同祈願の始まり
  3 共同祈願の意向―『聖書と典礼』の試み
  4 各意向に関する留意点
第8章 祭壇奉仕
  1 祭壇奉仕とは
  2 祭壇奉仕者の役割
第9章 聖体奉仕
  1 ミサの中での聖体奉仕
  2 病人の聖体拝領のための奉仕
第10章 司祭不在のときの主日の集会祭儀
  1 主の日
  2 「集会祭儀指針」発表までの歩み
  3 「集会祭儀指針」が大切にすること
  4 残されている課題
コラム―集会祭儀、さまざまな試み
  1 共同宣教司牧の中で―大阪教区の場合
  2 信徒の共同奉仕として―札幌教区の場合
  3 終身助祭と集会祭儀―那覇教区の場合
エピローグ―生活の中での奉仕
共同祈願意向例文集
参考文献
索引―こんなときには?
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教会日記2022.8.2(カトリック成城・聖タデオ教会「平日のミサ」火曜日) [教会日記]

今朝は、出勤する前に小田急線成城学園前駅で途中下車し、カトリック成城・聖タデオ教会の7時からの「平日のミサ」に与りました。今日も日中の気温は、37度を超えるようです!40度近くになるかもしれません( ̄◇ ̄;) 水分補給をしっかりして熱中症にならないように!今朝も清々しい朝を迎えています。

ミサでは、ご聖体を拝領させていただいたことを主(神様)に感謝申し上げ、
「栄光の全能永遠の父よ、
御名(みな)が讃えられますように、
崇められますように、
アーメン」
と主を讃えて、
続いて
「天におられる私達の父よ、
どうかこの祈りを聴き入れてください。
慈しみ深く憐れみ深い主よ、
主に救いを求める人々に主の平安をお与えください。
病に苦しむ人々に主の癒しをお与えください。
貧困にあえぐ人々に主の豊かな恵みをお与えください。
主よ、どうか主に救いを求める人々がすべて救われますように。
私達の主イエス・キリストによって。
アーメン」
とお祈りしました。
続いて、
「主よ、ここに私がおります。
この私を遣わしてください。
アーメン」と祈り、
そして、同僚の病と同じ病の私が親しくしているご婦人のお二人が癒されるようお祈りしました。
終わりに、『大天使聖ミカエルへの祈り』をお祈りしました。
「大天使聖ミカエル、
悪との戦いにおいて、私たちを守り、
凶悪な企みに打ち勝つことが出来ますように。
神の命令によって
悪魔が人々を害することが出来ないようにお願い致します。
天軍の総帥、
人々を惑わし、食いつくそうと探し回っているサタンと
他の悪霊を神の力によって地獄に閉じ込めて下さい。
アーメン。」
とお祈りしました。
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新約聖書:エフェソの信徒への手紙・第4章・第25〜第28節 [聖書]

「ですから、偽りを捨て、一人一人か隣人に真実を語りなさい。私たちは互いに体の部分だからです。怒ることがあっても、罪を犯してはなりません。日が暮れるまで怒ったままでいてはいけません。また、悪魔に隙を与えてはなりません。盗みを働く者は、もう盗んではいけません。むしろ、労苦して自分の手で真面目に働き、必要としている人に分け与えることができるようにしなさい。」
『聖書協会共同訳聖書』から

この言葉の中に、「日が暮れるまで怒ったままでいてはいけません。」とありますが、これは当時のユダヤ社会では、一日の始まりは“日没後からで、終わりは翌日の日没前まででした。つまり“日没”が一日の境目になっています。その一日の内に何事も納めて次の日に持ち越さないということです。

話しは変わりますが、当時は上着を「質」に入れた者には、お金を返すことができなくても、日没までに上着を本人に返さなければならなかったのです。旧約聖書の『申命記』第24章・第12~第13節に、次のとおり書いてあります。
「…もし、その人が貧しい場合には、その担保を取ったまま床に就いてはならない。 日没には必ず担保を返しなさい。そうすれば、その人は自分の上着を掛けて寝ることができ、あなたを祝福するであろう。あなたはあなたの神、主の御前に報いを受けるであろう。」
当時は、上着というのは非常に重要なもので何枚もあるようなものでなく、現在のように布団があったわけでもないので、この上着が布団や毛布代わりになるわけです。また、地べたに寝るわけですから、冬は当然ですが夏でも昼と夜の寒暖の差が激しいので、上着がないと寒くて寝られません。他はともかく上着だけは必要なわけです。訴えられて裁判になって他のものは質に取られたとしても、上着だけはその日の夕方までに返さなければならなかったのです。そういう社会だったのですね。
また、「悪魔にすきを与えてはなりません」とありますが、これは、“誘惑に落ちてはなりません”と私は解釈します。
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