「宣教地召命促進の日」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

今日12月3日は、「宣教地召命促進の日」です。毎年12月の第一日曜日となっています。
〈教会カレンダー:女子パウロ会(聖パウロ女子修道会)のホームページから〉
「すべての人に福音を宣べ伝えなさい」とは、イエス・キリストのご命令です。すべての信徒は洗礼により、この命を受けています。キリストを知らない人は多くいます。「収穫は多いが、働き手が少ない」「収穫のために働き手を送ってくださるように、収穫の主に願いなさい」も主のご命令であり、呼びかけです。日本も含め、宣教地と言われる国々の教会においては、この使命のために祈ることは大切であり、緊急なことです。特に、この使命のために生涯をささげる司祭、修道者のために祈り、養成することがどんなに大切なことかが痛切に感じられています。そのために、誘惑の多い現代社会で、司祭になろうと決心する若者を育て、神学生の期間、精神的にも、物的にも支援していく必要があります。そのために祈り、献金、犠牲をささげて、過ごす日と定められています。この日世界中の宣教地における召命促進のために祈りましょう。」

◯2023年「宣教地召命促進の日」を迎えて
〈教皇庁宣教事業ホームページから〉
―司祭・修道者の召命をお与えください!―
今年も教皇庁使徒聖ペトロ事業は12月の第1主日(12月3日)に「宣教地召命促進の日」を呼びかけます。日本の教会に、新しい司祭召命、地元の司祭と修道者の召命が豊かに与えられるよう祈りながら「宣教地召命促進の日」をお祝いいたしましょう。
使徒聖ペトロ事業のはじまりは1889年6月1日、長崎の使徒座代理区管理者を務めていたパリ外国宣教会のアルフォンス・クザン司教が、日本の神学校建設の資金を集めるため、母国フランスの女性信徒ジャンヌ・ビガー(Jeanne Bigard)とその母ステファニー(Stephanie)に協力を呼びかけたことが契機となっています。宣教地の司祭養成のために祈りと犠牲をささげ尽力するジャンヌ・ビガーらの活動は、1922年5月3日、教皇ピオ11世より正式に教皇庁の事業として認可されました。一人の女性信徒のはたらきが、宣教地における司祭・修道者の養成を支援する事業を立ち上げるきっかけになったことを心に留めたいと思います。使徒聖ペトロ事業は今なお、全世界の宣教国における司祭・修道者の養成のために貢献を続けています。また司祭志願者や修道志願者の養成だけでなく、司祭・修道者の生涯養成にも貢献しています。
 「東京カトリック神学院は、東京、大阪教会管区の11教区(札幌、仙台、さいたま、新潟、東京、横浜、名古屋、大阪、京都、広島、高松)の共立神学校です。現在18名の学生(予科生2名、哲学科生5名、神学科生11名)が居住し、共同生活と勉学を通して司祭への道を歩んでいます。来年からは福岡カトリック神学院の学生も、ここで一緒に学ぶことが決定しており、また、大阪・高松教区が一つになることなど、新しい動きがあります。司祭召命の歩みの上に、豊かな恵みがありますよう、皆さまのお祈りをお願いいたします。」稲川圭三院長より
昨年(2022年)、「宣教地召命促進の日」に寄せられた献金総額は8,903,810円で、今年(2023年)は、マダガスカル、ペルー、オランダ領アンティルの各神学校に8,061,005円を送金させていただきました。皆さまのご協力に心より感謝申し上げます。日本を含む宣教地における地元の司祭・修道者の養成のため、祈りと献金にご協力いただきますよう何卒よろしくお願いいたします。
2023年10月15日
教皇庁使徒聖ペトロ事業 日本代表 門間 直輝

◯ 宣教地召命促進の日 祈り
「いつくしみ深い父よ、
あなたはすべての人をキリストの栄光にあずからせるために、それぞれに与えられた たま ものに応じて、愛によって働く生きた信仰の道を進むよう招いておられます。あなたの霊を 豊かに注ぎ、わたしたち一人ひとりの歩みを支え、導いてください。
教会の司牧者、奉献生活者として生涯をキリストにささげようと決意し、その歩みを始めた 若者たちが、その霊的同伴者・指導者と、忍耐と希望を共にしながら、あなたの愛に生かさ れる体験を重ねることができますように。彼らのうちに「よいわざを始めてくださった神ご 自身が、それを完成してくださいますように」。
また、多くの若者が、神の国の建設のための特別な招きにこたえることができるよう、聖霊 によって励まし力づけてください。司教、司祭、助祭、奉献生活者の喜びに満ちた生活のあ かしと、ともに歩む教会共同体のあたたかい交わりが、若者たちにとって自分の招かれてい る道を識別する助けとなりますように。わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメ ン。
おとめマリアよ、あなたのように、神の招きに「はい」とこたえる愛と勇気を、わたしたち、 とくに若者たちのためにとりなしてください。」
(東京教区教皇庁宣教事業(MISSIO TOKYO)作成)
◯共同祈願 (東京教区の宣教司牧方針から)
「神の国の完成を目指して、司教、司祭、修道者、信徒が、それぞれの多様性を認めつつ、 一つになって福音を宣べ伝えようと、ともに歩む東京教区を祝福し、あなたの霊で満たして ください。その生き生きとした歩みの中で、子どもたち、若者たちのうちに、主の特別な招 きにこたえる恵みが育まれますように。」
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「日本宣教の保護者 聖フランシスコ・ザビエル司祭」のお話し [聖人・福者・尊者]

今日12月3日は、「日本宣教の保護者 聖フランシスコ・ザビエル司祭」の祝日です。
フランシスコ・デ・ザビエル(スペイン:1506年頃~1552年)は、スペインのナバラ生まれ、カトリック教会の司祭、宣教師で、イエズス会(修道会)の創設メンバーの1人です。キリスト教カトリックでは聖人に列せられ、日本の守護聖人となっています。ポルトガル王ジョアン3世の依頼でインドのゴアに派遣され、1549年に日本に初めてキリスト教を伝えたことで、日本では特に有名ですね。その後、中国に入ろうと努力しますが、中国・広東港外の上川島で病気になって亡くなり、遺体はゴアに移されました。
◯下の絵は社会科(日本史)の教科書に載っていましたね。
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ザビエルは、日本やインドなど多くの国に行って宣教を行い、使徒であった聖パウロを超えるほど多くの人々をキリスト教信仰に導いたといわれています。そして、今まで出会った民族の中で、日本人は最も優れた民族であると日本人を高く評価しています。ローマ・バチカンへの書簡の中に次のとおり書いています。

『書簡第90 ゴアのイエズス会員に宛てて 1549年11月5日鹿児島より』
「日本人について、この地で私たちが経験によって知りえたことを、あなたがたにお知らせします。
第一に、私たちが交際することによって知りえた限りでは、この国の人びとは今までに発見された国民のなかで最高であり、日本人より優れている人びとは、異教徒のあいだでは見つけられないでしょう。
彼らは親しみやすく、一般に善良で、悪意がありません。驚くほど名誉心の強い人びとで、他の何ものよりも名誉を重んじます。大部分の人びとは貧しいのですが、武士も、そうでない人びとも、貧しいことを不名誉とは思っていません。」

『書簡第96 ヨーロッパのイエズス会員に宛てて 1552年1月29日コーチンより』
「日本人はたいへん立派な才能があり、理性に従う人たちなので、これこそ真理であると思い、信者も信者でない人もキリストの奥義を喜んで聞きました。(中略)
日本人は知識欲の旺盛な人びとなので、〔聖父と聖子と聖霊との御名によりて〕と言うのは何を意味するのか、なぜ右手を額において「聖父」と言うのか、「と聖子」と言って〔右手を〕胸におくのか、「と聖霊の」と言って、〔右手を〕左の肩から右に引くのかと質問します。(中略)
私は肉体的にはたいへん元気で日本から帰って来ましたが、精根は尽き果ててしまいました。(中略)
私の頭はすでに白髪でおおわれてしまいましたが、体力に関する限り、これまでに経験しなかったほど〔の充実感に〕満たされています。」

私が読んだザビエルの書簡は、次の岩波文庫の上下2巻です。
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◯『聖フランシスコ・デ・サビエル書翰抄』の上巻・下巻(岩波文庫 青 818-1・818-2)
著者 :フランシスコ・ザビエル
翻訳: ペトロ・アルーペ ・ 井上 郁二
出版:岩波書店(岩波文庫)
定価:絶版のため古書店で購入
発刊:1991年
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教会のクリスマスシーズンの掲示板! [教会案内]

カトリック成城・聖タデオ教会の教会外側の交通量の多い道路の歩道に面してに設置された掲示板です。
◯クリスマスバージョンになりました!
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◯掲示板ケースの中にはプレゼピオ(降誕セット)が飾られています。
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【プレゼピオ】
日本では「降誕(こうたん)セット」とも言います。プレゼピオは、欧米、特にヨーロッパのキリスト教圏では当たり前のクリスマス飾りですし、日本でもキリスト教会や信徒の自宅では普通に飾りますが、日本では一般的にまだまだ珍しいクリスマス飾りですね。これは聖書に書いてあるイエス・キリストがお生まれになった場面を人形で再現したジオラマですね。
なお、プレゼピオの詳しい説明は、このブログの11月29日に掲載した「待降節、降誕祭、そして降誕節のお話し」をお読みください。次のアドレスをクリックしてください。
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-11-29
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2023クリスマス・シリーズ・その3「クリスマス・ツリー」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

今年もこのブログに「クリスマス・シリーズ(特集)」を掲載する季節になりました。数年前からこの時期の恒例となっています。今日は、その3「スリスマス・ツリー」のお話しです。
ヨーロッパやアメリカのキリスト教信徒の多くの家では、クリスマス・ツリーを飾ります。そして、その形は国によってずいぶん違いがあるようです。日本でクリスマス・ツリーに一般的に使われるのは「もみの木」ですね。もみの木の他には、松、ヒイラギ、月桂樹なども使います。どれもこれも“常緑樹”だということですね。
ちなみに、実家の菩提寺は浄土真宗高田派で、極めて普通の一般的な仏教&神道の家庭で育ちましたが、どういうわけか?物心ついたころから家にクリスマス・ツリー専用にした大きな鉢植えのもみの木(高さ1m50㎝くらい)が玄関に置いてありました。毎年12月になるとクリスマスの飾り付けをするのがとっても楽しみでした。
◯写真左は、3年前に妻と行った「東京クリスマス・マーケット2020」の会場内にあったクリスマス・ツリーです!写真右は、以前に私が所属していたカトリック町田教会の聖堂ロビーにある、6年前に撮影したクリスマス・ツリーです。今年も飾ってあると思いますが( ̄▽ ̄;)
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冬になっても枯れない常緑樹は、異教の慣習の中で永遠のいのちのシンボルとして、キリスト教以前から、暗い夜の長い冬から命あふれる春になるまで、家の中に飾られてきました。永遠のいのちを喜び祝うこの行事が、キリスト教に取り入れられたのです。といっても、今のように木を丸ごと1本飾ったわけではありません。つるしておいた、つまり、つるせる程度の枝だったわけです。キリスト教の時代に入ってからも、この習慣は受け継がれました。旧約聖書の「イザヤ書」第60章・第13節に「レバノンの栄光は、糸杉、もみ、つげの木と共にあなたのもとに来て、わたしの聖所を輝かせる。わたしはわたしの足を置く場所に栄光を与える。」という神様の言葉によって許されたとされています。教皇の聖グレゴリオ1世は、604年に、カンタベリーの聖アウグスチティヌス司教に宛てて、これらの木々の装飾を許可する書簡を送っています……これは聖なる木だから許可が必要だということですね。

現代のクリスマスツリーの原型(発祥)はドイツです。森の民である“ゲルマン民族”です。クリスマスツリーの起源で最も古い話は、8世紀の聖ボニファスの故事です。聖ボニファスは、ヘッセンでの宣教の最中、街に樫の巨木があるのを見つけました。樫の木には、雷・雨・農業の神であるトール神が宿るとされて、ちょうど一人の少年がその木に、生け贄(いけにえ)としてささげられようとしていました。聖ボニファスは、樫の木を民衆の目前で切り倒し、代わりにもみの若木を新しい信仰のシンボルとして差し出しました。また、16世紀の伝説に、厳しい冬の森の中を家路を急ぐ木樵(きこり)が、ふと夜空を見上げたとき、氷と雪をつけたもみの木々は、きらめく星々の光を浴びて幻想的な美しさに輝いていました。それを家族に見せたくて持ち帰ったのが、ツリーの始まりという話もあります。他にもツリーに関するいくつもの話があります。17世紀にはもみの木をクリスマスに飾った記録も残っているそうです。

☆クリスマスツリーに飾る飾りを「オーナメント」と言います。そのオーナメントにそれぞれに意味があるのをご存知でしたか?
●ツリーの先につける「星」は、キリストが生まれた時に輝いた「ベツレヘムの星」希望の星ですね。
●「ベル」は、キリストが生まれたことを告げ知らせる喜びのベルであり、迷子の子羊を探し出せるようにとの願いです。
●「杖」は、人々がお互いの杖となって助け合う気持ちを大切にとの願いです。
●「リボン」は。お互いが愛情を持って永遠の絆で結ばれるようにとの願いです。
●「リンゴ」は、慈しみといたわりが、太陽のように永遠に輝くようにとの願いです。
それぞれ深い意味や気持ちが込められているのですね!

◯2023クリスマス・シリーズ(特集)の過去の記事は、次のアドレスをクリックして読んでください。
1.2023クリスマス・シリーズ:その1「クリスマス・マーケット」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-11-16
2.2023クリスマス・シリーズ・その2「アドベント・キャンドル」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-12-02-1
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