イタリア・ナポリ民謡「サンタ・ルチア」のお話し [キリスト教と音楽]

イタリアのナポリ民謡「サンタ・ルチア(Santa Lucia)」についてお話しいたします。「サンタ・ルチア」は、古くからの伝統的なナポリ民謡で、1849年にテオドロ・コットラウが編曲して出版され有名になりました。バルカロール(舟歌)の特徴である3拍子のゆったりとした優雅な曲調は、美しい港町の景色を連想させます。サンタ・ルチア港は、美しいナポリ湾、遠くにはヴェスヴィオ山も見えるなど、世界一美しい港町と言われており、現在でもイタリアの観光名所の一つになっています。この曲は、皆さんも一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。

サンタ・ルチア港です。遠くにヴェスヴィオ山が見えます。
サンタ・マリア港.jpg
この民謡「サンタ・ルチア」は、名称のとおり「聖(=サンタ)ルチア」の名前から由来しています。でも、キリスト教とは直接的には関係ありません。私は、クリスチャンになるまで、この曲がナポリ民謡であることは知っていましたが、聖ルチアという聖人からの由来ということは、もちろんまったく知りませんでした。しかも、曲名は「サンタル・チア」だと思っていました(⌒-⌒; ) ………ということで、今日はカトリック教会では「聖ルチア」の記念日でした。今朝、このブログに「聖ルチアおとめ殉教者のお話し」を掲載しましたので是非お読みください。https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2019-12-13
「ルチア(Lucia)」は、ラテン語で「光」を意味するLuxまたはLucidから派生した名前であることから、冬の夜が長い北欧の国々では「光の祭り」と聖ルチアへの信仰が結びつき、12月13日には「聖ルチア祭」が行われています。

◯1番
Sul mare luccica l’astro d’argento.
Placida è l’onda, prospero è il vento.
銀色の星が輝く海
波は穏やかに 風はそよぐ
Venite all’agile barchetta mia,
Santa Lucia! Santa Lucia!
わたしの小舟においで
サンタ・ルチア!サンタ・ルチア!

◯2番
Con questo zeffiro, così soave,
O, com’è bello star’ sulla nave!
ゼファーとともに
なんと美しい、船の上のもの
※ゼファー:ギリシア神話に登場する風神の神。よそ風、やさしい風という意味を持つ。
Su passeggeri, venite via!
Santa Lucia! Santa Lucia!
乗り人よ、行こう
サンタ・ルチア!サンタ・ルチア!

◯3番
In fra le tende, bandir la cena
In una sera così serena,
テントの中で夕食の準備を
こんな穏やかな夜に
Chi non dimanda, chi non desia.
Santa Lucia! Santa Lucia!
誰も望んでなどいない
サンタ・ルチア!サンタ・ルチア!

◯4番
Mare sì placida, vento sì caro,
Scordar fa i triboli al marinaro,
穏やかな海、心地よい風
苦しみも忘れてしまう
E va gridando con allegria,
Santa Lucia! Santa Lucia!
大きな声で陽気に
サンタ・ルチア!サンタ・ルチア!

◯5番
O dolce Napoli, o suol beato,
Ove sorridere volle il creato!
美しいナポリ 豊かな土地
創造主も笑顔になる
Tu sei l’impero dell’armonia!
Santa Lucia! Santa Lucia!
あなたは調和の帝国
サンタ・ルチア!サンタ・ルチア!

◯6番
Or che tardate? Bella è la sera.
Spira un’auretta fresca e leggiera.
何を待つのか、美しい夕暮れに
新鮮な風が吹く
Venite all’agile barchetta mia,
Santa Lucia! Santa Lucia!
私の小舟においで
サンタ・ルチア!サンタ・ルチア!
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教会日記2019.12.13(カトリック成城教会「平日のミサ」金曜日) [教会日記]

今日も出勤前に小田急線成城学園前駅で途中下車し、カトリック成城教会の7時からの平日のミサに与りました。夜明け前は思ったよりもあまり寒くなかったのですが、日の出に近づくにつれて寒さが厳しくなりました。昼間は昨日よりも寒くなることは確実のようです。私は今日も清々しい朝を迎えています!

6時50分から「お告げの祈り」をお祈りし、7時からのミサでは「聖ルチア」の記念日をお祝いしてお祈りしました。そして、ご聖体を拝領させていただいたことを主(神様)に感謝申し上げ、
「栄光の全能永遠の父よ、
御名(みな)が讃えられますように、
崇められますように、
アーメン
天におられる私達の父よ、
どうかこの祈りを聴き入れてください。
慈しみ深く憐れみ深い主よ、
主に救いを求める人々に主の平安をお与えください。
病に苦しむ人々に主の癒しをお与えください。
貧困にあえぐ人々に主の豊かな恵みをお与えください。
主よ、どうか主に救いを求める人々がすべて救われますように。
私達の主イエス・キリストによって。アーメン」
と気持ちを込めてお祈りしてきました。
また、行方不明となっている小学一年生の小倉美咲ちゃんが、元気な姿で両親の元に帰れるようにお祈りし、同僚の病が癒されますように、同僚のお嬢さんの病気が完治しますようにと心を込めてお祈りしました。
さあ!これから仕事です!
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「聖ルチアおとめ殉教者」のお話し [聖人・福者・尊者]

このブログの2018年12月13日に掲載した記事を一部加筆して再掲載いたします。
今日(12月13日)は、カトリック教会においては「聖ルチアおとめ殉教者」の記念日です。カトリック教会、ルーテル教会、聖公会及び正教会で聖人となっています。
ドメニコ・ベッカフーミ作の「聖ルチア」です(1521年、シエナ国立美術館蔵)。目が盆の上にあるという猟奇的な絵になっています。殉教の時に乳房をえぐり取られた聖アガタの絵が、乳房を盆の上にのせて画かれているのと似ていますね。
聖ルチア.jpg
聖ルチア(伝承による生没年:283年-304年)は、イタリアはシシリア島のシラクサで生まれたことから「シラクのルチア」ともいわれています。裕福な家に生まれ、信仰深い両親のもとで育てられました。父の死後、母の健康がすぐれなかったため、母とともにカタニアの聖アガタ(シシリア島の殉教者)の墓に巡礼したところ、母の病が癒されました。この奇跡を機に、ルチアは生涯を神にささげる決意をしてそのことを母に話し、自分の財産を貧しい人びとに与えたそうです。以前ルチアとの縁談があり、彼女に好意を寄せていた青年はそのことを知って怒り、彼女がキリスト教徒であることを知事に訴えました。当時は、ローマ皇帝ディオクレチアヌスのキリスト教迫害下にあり、すぐに彼女は捕えられ、信仰を貫き通したために殉教しました。
ルチアという名が光と関係があるために、彼女は目、視覚障害者、そしてシラクサの守護聖人とされています。また、拷問のときに、眼をくりぬかれたと伝えられていることから、その絵の多くは自分の眼を盆の上に載せている姿で描かれています。なんとも猟奇的ではありますが、聖ルチアを描く時のアトリビュトになっているのですね。「アトリビュト」についての説明は、このブログの2016年9月14日の記事 https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2016-09-14 をお読みください。
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