クリスマス特集2019:その11「クリスマス・キャンドル」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

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カトリック麹町教会・聖イグナチオ大聖堂での「主の降誕夜半のミサ」でのキャンドル・サービス

今年もこのブログに「クリスマス特集」を掲載する季節になりました。数年前からこの時期の恒例となっていますが、昨年の掲載記事を一部加筆・修正して今年も掲載させていただきます。今日は、その11「クリスマス・キャンドル」のお話しです。
結婚式の披露宴などでもよく行われるキャンドルサービスですが、その起源は古く、4世紀の半ばまでさかのぼり、そのころ行われていた2月2日の「主の奉献の祝日」に、祝別したローソクを会衆に分かち合うキャンドルミサが始まりだといわれています。ローマのカトリック教会では、この日を「聖母マリアのきよめの日」として祝っていました。これは、世の光であるイエス・キリストが神殿で神にささげられたことを記念するためです。

次の新約聖書の「ルカによる福音書」・第2章・第22~第38節に記載されています。
「さて、モーセの律法に定められた彼らの清めの期間が過ぎたとき、両親はその子を主に献げるため、エルサレムに連れて行った。それは主の律法に、「初めて生まれる男子は皆、主のために聖別される」と書いてあるからである。
また、主の律法に言われているとおりに、山鳩一つがいか、家鳩の雛二羽をいけにえとして献げるためであった。
そのとき、エルサレムにシメオンという人がいた。この人は正しい人で信仰があつく、イスラエルの慰められるのを待ち望み、聖霊が彼にとどまっていた。そして、主が遣わすメシアに会うまでは決して死なない、とのお告げを聖霊から受けていた。 シメオンが“霊”に導かれて神殿の境内に入って来たとき、両親は、幼子のために律法の規定どおりにいけにえを献げようとして、イエスを連れて来た。
シメオンは幼子を腕に抱き神をたたえて言った。「主よ、今こそあなたは、お言葉どおりこの僕を安らかに去らせてくださいます。わたしはこの目であなたの救いを見たからです。これは万民のために整えてくださった救いで、異邦人を照らす啓示の光、あなたの民イスラエルの誉れです。」 父と母は幼子についてこのように言われたことに驚いていた。
シメオンは彼らを祝福し、母親のマリアに言った。「御覧なさい。この子は、イスラエルの多くの人を倒したり立ち上がらせたりするためにと定められ、また、反対を受けるしるしとして定められています。――あなた自身も剣で心を刺し貫かれます――多くの人の心にある思いがあらわにされるためです。」
また、アシェル族のファヌエルの娘で、アンナという女預言者がいた。非常に年をとっていて、若いとき嫁いでから七年間夫と共に暮らしたが、夫に死に別れ、八十四歳になっていた。彼女は神殿を離れず、断食したり祈ったりして、夜も昼も神に仕えていたが、そのとき、近づいて来て神を賛美し、エルサレムの救いを待ち望んでいる人々皆に幼子のことを話した。」

「主の降誕夜半のミサ(クリスマス・イブ)」で行われるキャンドルサービスは、モラヴィア教会で1747年に子ども達によって行われていたものが、北ヨーロッパから海を渡って北米に広まったものとされています。クリスマス・イブのキャンドルサービスは、「世の光」として、この世に来られたイエス・キリストの誕生を祝って行われるものです。そして灯したローソクの光に託して、私たち一人ひとりの心の中にも、「世の光」であるイエス・キリストが誕生するように願い、このキリストの光によって照らされた私たちが、この世の闇を照らす光となることができますようにと祈り求めます。

「祈り」
聖なる父よ、
あなたはこの神聖な夜を、
まことの光キリストによって照らしてくださいました。
やみに輝く光を見たわたしたちが、
その喜びを永遠に歌うことができますように。
アーメン
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