「イエズス会 聖三木図書館」のご紹介 [キリスト教と読書]

今日は、四ツ谷のカトリック麹町・聖イグナチオ教会と同じ敷地内にある修道会のイエズス会が管轄する「イエズス会 聖三木図書館」をご紹介いたします。知らない方が多いのですが、聖三木図書館は、日本では珍しいキリスト教書専門の図書館です。特にカトリック教会関係の蔵書は国内一を誇っています。
約3年ほど前までは、土曜日や日曜日、お盆休みや年末年始などの長期休暇によく勉強しに来ていました。町田市にある自宅からは遠いのですが、この図書館は席数は少ないものの、そんなに混むこともなくとても静かですので、集中して勉強するには最適な図書館だと思います。皆様に是非お勧めいたします。

ただ本を閲覧するだけでしたらいいのですが、本を借りる場合は聖三木図書館利用登録の手続きが必要となります。登録すると「聖三木図書館利用カード」が発行され、発行日から1年間有効で本を1回につき5冊まで3週間借りることができます。一般会員は年会費2.000円です。
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また、同じ敷地というか隣にカトリック麹町・聖イグナチオ教会がありますから、勉強の途中にミサに与ることもできます。聖イグナチオ教会の平日のミサは、7時、12時及び18時の3回あります。予め聖イグナチオ教会のホームページでご確認ください。私は、ミサにも与り、勉強の合間にも静寂な聖堂で一人心静かにお祈りしていました。

住所などは、次のとおりです。
〒102-0083 東京都千代田区麴町6-5-1 岐部ホール2F
TEL 03-3262-0364 電話受付:11:30~17:00
開館時間:11時30分〜17時
休館日:祝日と毎週木曜日(その他、夏期休館など)
図書館を訪れる場合は、必ず「イエズス会聖三木図書館」のホームページをご確認してからにしてください。なお、図書の貸し出し、会員登録などの詳細についてもホームページをご覧ください。
http://www.jesuits.or.jp/~j_seimikibun/index.html
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「聖水・聖水盤(聖水入れ)」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

この記事は、以前掲載した記事を加筆・修正して再掲載しています。
聖水とは、普通の水道水やコンビニのペットボトルの水とは異なり、「聖水=宗教的に聖なるものとされた水」のことです。宗教における儀式に用いられる水のことで、水は多くの宗教で「穢れを祓う。」などの意味で用いられますが、これを普通の水ではなく、聖水など特別な水を使わなければならないという教えがあるのです。特に、正当なキリスト教であるカトリック教会、プロテスタント教会、聖公会教会や正教会教会などの教派では、聖職者(神父や牧師のこと)により聖別(聖化)され、洗礼などの儀式や祝福に用いられる水を指して聖水と称しています。

カトリック教会の場合は、聖水は司祭(神父様)により聖別され、「洗礼」などに用いるために用意されます。教会によって多少の違いはありますが、普段は聖堂の入口に設置された聖水盤(又は聖水入れ)に常に聖水が入っており、ミサに限らず聖堂に入る時は「洗礼を受けたことを常に忘れないように!」という意味で、聖水に指を浸して十字を切って入ります。
ただ、2020年から始まった新型コロナウイルス感染症によって、全国の教会は感染防止のために聖水盤の使用を自粛するよう通達されましたから、教会によっては聖水盤を撤去したところもあり、聖水盤に聖水を入れることは現在も中止したままとなっています。ですから、最近洗礼を受けた方の中には、この習慣を知らない方がいらっしゃるのではないでしょうか。
◯カトリック中央協議会の2020年11月1日付け日本カトリック司教協議会文書「日本のカトリック教会における感染症対応ガイドライン」で、聖水盤の使用を自粛するように各小教区の主任司祭宛に通知されています。
参照:カトリック中央協議会ホームページ:https://www.cbcj.catholic.jp/2020/11/09/21446/

聖水は、ロシア正教会の至聖三者聖セルギイ大修道院における「聖なる泉」や、カトリック教会におけるスペインとの国境があるピレネー山脈のフランス側山麓にある“ルルドの泉”のように、自然に湧き出る泉が神に祝福され、聖なる力を持つと信じられて聖水すと呼ぶことがあり、この水で不治の病が治ったとの奇蹟が報告されているからですね。余談ですが、皆さんは、映画の「ドラキュラ伯爵」や「エクソシスト」などで、神父様が悪魔(サタン)の力を削ぐため、悪魔に聖水をかけるシーンを見たことがあると思います。悪魔という穢れを祓うということですね。

神道や仏教も水には縁があります。まず、「垢離(こり)」というのがあって、水で清めて垢(あか)を取去ることですが、山伏や修験者が神仏に祈願するとき,冷水や海水を浴びて身を清めることをいいます。また、神道では、参拝する時に、まず鳥居の所で衣服を整え、軽く一礼してから境内(けいだい)に入ります。次に「手水舎(てみずや)」の水で両手を清め、口を漱ぎ(すすぎ)ます。このことを「手水を使う」といいます。手水舎の水盤には、たいてい「洗心」という言葉が彫られていますが、これには両手を清め口を漱ぐことにより、心(魂)も洗い清めるという意味があります。日本人であれば常識ですね。

水ではありませんが、神道では一般的に穢れ(けがれ)を塩で清めますね。仏教でもお葬式の会葬御礼のハガキと一緒に清めの塩が付いています。これには賛否両論があって仏教と神道の「死」に対する考え方の違いがあるのです。死を「穢れ」とする神道に対して、仏教では「死後は仏のいる浄土の世界にお生まれ仏になる。」と考えますから清めの塩は本来不要ということです。親族ではなく、一般会葬者の神道の方は、死と言う不浄(黒不浄)を家に持ち込まないという意味で、清め塩をして自分の家に入るそうですが、仏教徒や親族は行いません。それは、故人は不浄な存在ではないと考えるからです。最もなことです。

◯聖水盤(聖水入れ)
よく見かける聖水盤は、この写真の大きさ(横幅約30㎝ほど)です。複数置いてある教会もあります。
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★次にご紹介する各教会の聖水盤の写真は、2019年以前に訪問した教会のものです。
◯私が所属するカトリック成城・聖タデオ教会の聖堂入口にあった聖水盤です。聖堂入口の手前にありましたが、まず、感染防止のためノロウイスルが流行した時に使用中止になり、新型コロナウイルスの流行で聖水盤の使用自粛のため完全撤去されました。どこの教会も2020年からは聖水盤はあっても聖水は入っていません。
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◯カトリック吉祥寺教会の聖水盤です。聖堂の入ったところにあります。ガラス製です。
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◯カトリック築地教会の聖堂にある聖水盤です。かわいい聖水盤ですね(*^▽^*) 陶器製です。
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◯カトリック下井草教会の聖水盤です。大理石製ですね~豪華な聖水盤です!( ̄▽ ̄;)
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◯カトリック碑文谷教会の聖水盤です。黒くて見えにくいですが、2人の天使の間にあります。とても芸術的な造りになっています。
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◯兵庫県西宮市にあるカトリック夙川教会の聖水盤です。でかい貝殻!これはジャコガイやシラナミガイという名称の二枚貝ですね。大きさは、立てかけてある私のステッキと比べてもその大きさがわかります。ちなみに許可を得て撮影しています。(2018年8月に訪問)
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◯自宅の書斎兼寝室にある「お祈り台」に付けている聖水盤です。金属製です。スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラに巡礼された、とってもお美しいご婦人からお土産としていただきました。使徒聖大ヤコブの肖像がある素敵な聖水盤ですね。神父様に聖別していただいた聖水を入れています。毎日お祈りする前に、この聖水入れに指先を浸して十字を切ります。私だけですので感染症の恐れはありませんから大丈夫です(⌒-⌒; )
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