カトリック教会の祈祷書のご紹介 [祈り]

キリスト教の信仰生活における「行い」で、一番大切なことは神を賛美してお祈りを唱え捧げることです。他の宗教も同じだと思いますが、神への祈りなくして信仰はありえませんね。とにかく毎日お祈りに励みましょう!………ということで、カトリック教会の祈祷書(お祈りの祈祷文集)は、何冊か出版されています。

今日ご紹介するのは、聖パウロ修道会のカトリック専門書・聖品専門店サンパウロから出版されている①『カトリックの祈り(改訂新版)』と②『カトリック祈祷書 祈りの友(改訂新版)』です。なお、昨年11月末の待降節から新しいミサの式次第に移行しましたが、その「新式次第」を両方とも収録しています。また、他に次の2冊の祈祷書もご紹介しておきます。ドン・ボスコ社から出版されている『カトリック祈祷書 祈りの友(改訂新版)』とカトリック中央協議会が出版している『日々の祈り 改訂版第二版』です。
◯写真は、右側は①『カトリックの祈り(改訂新版)』で、左側は『カトリック祈祷書 祈りの友(改訂新版)』です。
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1.『カトリックの祈り(改訂新版)』
最初にご紹介する『カトリックの祈り(改訂新版)』は、他の祈祷書よりも古い文語体の各種祈祷文が多く収録されており、昔ながらの祈祷文でお祈りするのが慣れ親しんでいる方にはお勧めですね。カトリック教会の祈祷文の中でも大きな特色である「連願(れんがん)」も5つ揃っています。

<聖パウロ修道会のカトリック専門書・聖品専門店サンパウロのホームページから>
「日本のカトリック教会で全国共通の祈祷書として、長い間親しまれて、愛唱されてきた「公教会祈祷文」の抜粋版。従来の美しい文語体の祈りを残しつつ、現代の典礼、儀礼文、口語体による新しい祈りもを挿入する。新しい「ミサの式次第」に対応しています。」
◯書名:『カトリックの祈り(改訂新版)』
出版:サンパウロ
編者:サンパウロ
判型:A6判上製
ページ数:342ページ
定価:1,320円(本体1,200+税)
初版発行:1995年7月1日
改訂初版発行:2011年8月20日
改訂新版 初版発行:2023年4月15日

◯目次
発刊にあたって
日々の祈り
 主の祈り(口語・文語)
 アヴェ・マリアの祈り(口語・文語)
 栄唱(口語・文語)
 使徒信条
 ニケア・コンスタンチノープル信条
 洗礼式の信仰宣言
 悔い改めの祈り
 神のゆるしを願う祈り
 神を信じる人の祈り
 神に希望をおく人の祈り
 神を愛する人の祈り
 お告げの祈り
 アレルヤの祈り
 食前の祈り
 食後の祈り
 初めの祈り
 終わりの祈り
 目覚めの時の祈り
 朝の祈り一
 朝の祈り二
 昼の祈り
 晩の祈り一
 晩の祈り二
 晩の祈り三
 床につく時の祈り
ミサの式次第
ゆるしの秘跡(個別のゆるしの式)
ロザリオの祈り
十字架の道行
連願
 イエスのみ名の連願(文語)
 イエスのみ心の連願(文語)
 聖マリアの連願
 聖ヨセフの連願(口語)
 聖ヨセフの連願(文語)
 諸聖人の連願(文語)
典礼暦年中の祈り(文語)
 待降節の祈り
 幼きイエスを訪いたてまつる祈り
 新年の祈り
 御公現の祈り
 四旬節の祈り
 悲しめる聖母に対する祈り
 御復活節の祈り
 御昇天の祈り
 聖霊降臨の祈り
 聖霊の御降臨を望む祈り
 三位一体の祭日の祈り
聖体に対する祈り(文語)
 聖体に対する聖トマの祈り(アドロ・テ)
 オ・サルタリス(ああ救霊のホスチア)
 アヴェ・ヴェールム(めでたし、まことの御体よ)
 パンジェ・リングァ(いざ歌えわが舌よ)
 聖体を訪いたてまつる時の祈り
イエスのみ心に対する祈り(文語)
 人類の忘恩に対する償いの祈り
 イエスのみ心に家庭をささぐる祈り
 み心の侮辱を償う決心の祈り
 すべての人の心の王たるキリストに向かう祈り
 イエスのみ心に人類をささげたてまつる祈り
聖母マリアに対する祈り(文語)
 聖母のご保護を求むる祈り
 聖母に一切を託する祈り
 聖母の汚れなきみ心に日本をささぐる祈り
 聖マリアに身をささぐる祈り
聖ヨセフへの祈り(口語)
聖ヨセフに対する祈り(文語)
 教会の保護者なる聖ヨセフに向かう祈り
 聖ヨセフに向かいて貞徳を求むる祈り
天使・諸聖人に対する祈り(文語)
 守護の天使に向かう祈り
 天使の保護を求むる祈り
 聖ペトロと聖パウロに対する祈り
 日本二十六聖殉教者の信仰を求むる祈り
 聖フランシスコ・ザベリオに倣いて善徳を求むる祈り
 幼きイエスの聖テレジアの精神を求むる祈り
病者のための祈り(文語)
 病人の回復を求むる祈り
 病中忍耐の徳を求むる祈り
 死に臨める人びとのためにする祈り
死者のための祈り(文語)
 すべての死者のための祈り
 デ・プロフンディス(詩編129)
種々の祈り(文語)
 キリストに向かう祈り
 十字架上のイエスに向かう祈り
 自己をささぐる祈り
 教皇のためにする祈り
 司祭のための祈り
 御召しを求むる祈り
 父母のためにする祈り
 子女のためにする祈り
 聖家族に対しておのが家族のためにする祈り
 幼児をささぐる祈り
 信仰の一致を求むる祈り
 よき収穫を願う祈り
以上です。

2.『カトリック祈祷書 祈りの友(改訂新版)』
次にご紹介する祈祷書は、私が愛用している『カトリック祈祷書 祈りの友(改訂新版)』です。800ページもあるので、現行のお祈りに関する祈祷文はほぼ網羅しているといってもいいでしょう。しかも、多くの祈祷文が口語体に改訂されていますし、伝統的な祈祷文は文語体も併記しています。ただ、どういうわけか、カトリック教会祈祷文の特色である「連願(れんがん)」は3つで、「イエスのみ名の連願」と「諸聖人の連願(連祷)」がないのです( ̄▽ ̄;) なぜなのでしょうか?これは非常に残念なことですね。

ところで、この祈祷書は、私が毎日カバンに入れ持ち歩いている『原文校訂による口語訳フランシスコ会聖書研究所訳注聖書(小型版)』よりも重いので、持ち歩くのを躊躇してしまいます。全部覚えてしまえばいいのですが、祈祷文がたくさんあってそう簡単には覚えられません。ですから、何時どこでも必要なお祈りができるようにカバンに入れて持ち歩きたいのですが、膝を痛めている私には少しの重さでも堪えられないのです( ̄▽ ̄;)

<聖パウロ修道会のカトリック専門書・聖品専門店サンパウロのホームページから>
「聖書、典礼、教会の伝統に根ざした新しい祈り。各自で、家庭で、集会で、教会で使用できる祈り。秘跡のこまやかな導きとなる祈り。年間の典礼にともなう心構えを育てる祈り。日常生活に密着した祈り。祈りを提供すると同時に自分で祈るように導き、また信仰生活において、もっとも大切な事柄について理解を深めさせる祈りの本。」
※新しいミサの「新式次第」を収録。総ルビ対応。
◯書名:『カトリック祈祷書 祈りの友(改訂新版)』
出版:サンパウロ
編著:カルメル修道会・ストゥッキ神父
編者:サンパウロ
判型:A6判上製
ページ数:800ページ
定価:2,200円(税込)
初版発行:1980年7月16日
改訂新版 初版発行:2022年12月25日

◯目次(主なもの)
発刊にあたって
はじめに
改訂新版の発刊にあたって
朝晩の祈り
日々の祈り 伝統的祈り
念祷のしおり
十字架の道行の祈り
聖母マリアと共に
秘跡
堅信
ミサの式次第
ミサ以外のときの聖体拝領の略式
聖体拝領の感謝の祈り
ゆるしの秘跡
婚姻の秘跡〜家族〜
病者のための秘跡と祈り
教会の典礼と共に歩む
種々の祈り
種々の祝別
神に召された兄弟姉妹のための祈り
付録1 詩編
付録2 免償
付録3 聖具への崇敬
付録4 種々の祈りの追加
付録5 種々の祝別の追加
付録6 信者の心得
以上です。

3.他に次の2つの祈祷書がありますのでご紹介いたします。
『祈りの手帖 三訂版』
<ドン・ボスコ社のホームページから>
「カトリック教会のさまざまな祈りと、ゆるしの秘跡・ロザリオの祈り・十字架の道行の手引き、ミサの式次第(会衆用)を収載した信徒必携の小冊子。2022年11月27日(待降節第一主日)より実施される新しい「ミサの式次第」に対応しています。奉献文は第二・第三を収載。読みやすい大きめ文字、横書き、ふりがな付き。ドン・ボスコ社のベストセラーです!」
◯書名:『祈りの手帖 三訂版』
出版:ドン・ボスコ社
編者:ドン・ボスコ社
判型:A6判
ページ数:102ページ
定価:440円(税込)
初版発行:2002年12月5日
改訂版第1刷発行:2018年5月24日
改訂版第2刷発行:2021年6月24日
三訂版第1刷発行:2022年4月17日

◯目次
日々の祈り
 十字架のしるしと祈り
 主の祈り
 アヴェ・マリアの祈り
 栄唱
 お告げの祈り
 アレルヤの祈り
 悔い改めの祈り
 神のゆるしを願う祈り
 神を信じる人の祈り(信徳唱)
 神に希望をおく人の祈り(望徳唱)
 神を愛する人の祈り(愛徳唱)
 朝の祈り
 夕の祈り
 初めの祈り
 終わりの祈り
 食前の祈り
 食後の祈り
聖母への祈り
 元后あわれみの母(Salve Regina)
 神のみ母よ(Sub tuum praesidium)
 聖母マリアの歌(Magnificat)
 聖母のご保護を求める祈り ─聖ベルナルド
 扶助者聖マリアにご保護を願う祈り
 結び目を解く聖母マリアへの祈り
さまざまな祈り
 聖霊への祈り
 守護の天使への祈り
 聖ヨセフへの祈り
 困難のときの祈り
 病気のときの祈り
 病人のための祈り
 死者のための祈り
 家族の祈り
 父母のための祈り
 子どものための祈り
 召命を求める祈り
 司祭の召し出しを求める祈り
 福音宣教の祈り
 危機に瀕する世界のための祈り ─聖ヨハネ・パウロ二世教皇
 平和を願う祈り ─アシジの聖フランシスコ
 共に生きる恵みを願う祈り ─ラウル・フォレロー
 神よ変えられないものを ─ラインホルド・ニーバー
 マザー・テレサのことばで祈る
  主よ、わたしをお使いください
  愛の光線
  自己からの解放
ミサ式次第
 使徒信条
 ニケア・コンスタンチノープル信条
ゆるしの秘跡
ロザリオの祈り
十字架の道行
以上です。

『日々の祈り 改訂版第二版』
<カトリック中央協議会のホームページから>
「シンプルな祈りの本。キリスト教の勉強を始められた方や、新たに洗礼を受けられた方への贈物に最適。2005年に発行された『日々の祈り改訂版』は、日常生活の中で利用しやすいシンプルな祈りの本としてご愛顧いただいておりますが、去る2011年6月の定例司教総会において「聖母マリアへの祈り」に代わる新しい祈りとして「アヴェ・マリアの祈り」が確定されたことを受け、その第二版を発刊する運びとなりました。基本的には前版と同一の構成ですが、「アヴェ・マリアの祈り」のほか、冒頭に「十字架のしるしと祈り」を新たに収録しています。」
◯書名:『日々の祈り 改訂版第二版』
出版:カトリック中央協議会
編者:日本カトリック司教協議会常任司教委員会
判型:A6判
ページ数:160ページ
定価:990円(税込)
発行:2011年7月15日

◯目次
改訂版発行にあたって
日々の祈り
 使用にあたって
 日々の祈りについて
 十字架のしるしと祈り
 主の祈り
 アヴェ・マリアの祈り
 栄唱
 使徒信条
 ニケア・コンスタンチノープル信条
 悔い改めの祈り
 神のゆるしを願う祈り
 神を信じる人の祈り
 神に希望をおく人の祈り
 神を愛する人の祈り
 お告げの祈り
 アレルヤの祈り
 食前の祈り
 食後の祈り
 初めの祈り
 終わりの祈り
 目覚めた時の祈り
 朝の祈り 一
 朝の祈り 二
 昼の祈り
 晩の祈り 一
 晩の祈り 二
 晩の祈り 三
 床につく時の祈り
十字架の道行
 はじめに
 十字架の道行
 注
ロザリオの祈り
 はじめに
 喜びの神秘(受肉の神秘)
 光の神秘(啓示の神秘)
 苦しみの神秘(受難の神秘)
 栄えの神秘(復活の神秘
以上です。
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「聖リタ(カシャのリタ)修道女」のお話し [聖人・福者・尊者]

今日5月22日は、「聖リタ修道女」の任意の記念日です。
聖リタ(イタリア:1381年~1457年・又は「カシャのリタ」)は、15世紀イタリア・ウンブリア地方の聖アウグスチノ修道会の修道女でカトリック教会の聖人です。絶望的状況にある人、瀕死の状態にある人、望みがない時、不可能な願いを抱く人、病気の人、怪我をした人、母親、結婚問題のある人、不妊の人、虐待を受けている人、子育てにある人の守護聖人です。聖リタは、「望みのないときの助け手」と言われています。

リタは、ウンブリアのロカポレナという町に生まれ、敬虔な高齢の両親のもとで育てられました。幼少のころから修道女に憧れていましたが、両親の薦めにより地方の名士と結婚し、2人の男子の母となりました。ところが、夫は粗暴な性格で毎日リタに暴力を振るっていました(今なら「配偶者暴力(DV)」で裁判 → 即離婚ですね。ただし、カトリック教会は離婚を認めていません。)しかし、彼女は信仰を持って耐え抜き夫の改心を祈りました。(竹下節子著『聖女の条件―万能の聖母マリアと不可能の聖女リタ』から:中央公論新社)
◯聖リタのご像です。手にイエス様の十字架を持ち、額に棘(とげ)が刺さっています。
聖リタ.jpg
事実、最終的に夫は改心しましたが、日ごろ彼を恨む人物の手によって殺害され、2人の息子がその復讐に駆り立てられました。それに狼狽したリタは、復讐を祈りによって止めさせましたが、息子たちは亡くなってしまいました。愛する家族を失った悲しみにくれたリタは、幼少のころからの夢であった修道院に入ることを決心し、カッシアのアウグスチノ修道院の門を叩きました。しかし、年齢を理由に断られ、4度目で入会が許され修道女となりました。でも現実は自分より年下の先輩修道女の下で修道生活を送ることを余儀なくされました。

60歳になったある日、聖堂で祈っている最中、十字架のイエス像の茨の冠から棘が飛び、リタの額に命中し、やがてそれが化膿して悪臭が修道院内で立ち込め、リタは隔離され独房で隠匿生活を最後まで送るようになります。その噂はカッシア中に広まり多くの巡礼者が取次ぎを求めて訪れるようになりました。隠匿生活の中で唯一、ローマ巡礼に高齢ながら足を運び、シエナの聖ベルナルディーノの列聖式に与ったといわれています。1457年に死去しました。彼女の額、遺体から芳香が立ちこめ聖女としての評判が高まり、557年後の1900年に列聖されました。
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