「聖リタ(カシャのリタ)修道女」のお話し [聖人・福者・尊者]

今日5月22日は、「聖リタ修道女」の任意の記念日です。
聖リタ(イタリア:1381年~1457年・又は「カシャのリタ」)は、15世紀イタリア・ウンブリア地方の聖アウグスチノ修道会の修道女でカトリック教会の聖人です。絶望的状況にある人、瀕死の状態にある人、望みがない時、不可能な願いを抱く人、病気の人、怪我をした人、母親、結婚問題のある人、不妊の人、虐待を受けている人、子育てにある人の守護聖人です。聖リタは、「望みのないときの助け手」と言われています。

リタは、ウンブリアのロカポレナという町に生まれ、敬虔な高齢の両親のもとで育てられました。幼少のころから修道女に憧れていましたが、両親の薦めにより地方の名士と結婚し、2人の男子の母となりました。ところが、夫は粗暴な性格で毎日リタに暴力を振るっていました(今なら「配偶者暴力(DV)」で裁判 → 即離婚ですね。ただし、カトリック教会は離婚を認めていません。)しかし、彼女は信仰を持って耐え抜き夫の改心を祈りました。(竹下節子著『聖女の条件―万能の聖母マリアと不可能の聖女リタ』から:中央公論新社)
◯聖リタのご像です。手にイエス様の十字架を持ち、額に棘(とげ)が刺さっています。
聖リタ.jpg
事実、最終的に夫は改心しましたが、日ごろ彼を恨む人物の手によって殺害され、2人の息子がその復讐に駆り立てられました。それに狼狽したリタは、復讐を祈りによって止めさせましたが、息子たちは亡くなってしまいました。愛する家族を失った悲しみにくれたリタは、幼少のころからの夢であった修道院に入ることを決心し、カッシアのアウグスチノ修道院の門を叩きました。しかし、年齢を理由に断られ、4度目で入会が許され修道女となりました。でも現実は自分より年下の先輩修道女の下で修道生活を送ることを余儀なくされました。

60歳になったある日、聖堂で祈っている最中、十字架のイエス像の茨の冠から棘が飛び、リタの額に命中し、やがてそれが化膿して悪臭が修道院内で立ち込め、リタは隔離され独房で隠匿生活を最後まで送るようになります。その噂はカッシア中に広まり多くの巡礼者が取次ぎを求めて訪れるようになりました。隠匿生活の中で唯一、ローマ巡礼に高齢ながら足を運び、シエナの聖ベルナルディーノの列聖式に与ったといわれています。1457年に死去しました。彼女の額、遺体から芳香が立ちこめ聖女としての評判が高まり、557年後の1900年に列聖されました。
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