教会日記2021.1.11(ミサの出席回数半減!) [教会日記]

緊急事態宣言が再発出され、カトリック教会の東京大司教様から「各教会でのこれまでの感染対策を見直して徹底すること。」と厳しく求められました。したがって、私が所属するカトリック成城教会も、主任司祭からいろいろと変更の指示が出されました。その一つに「ミサの出席回数の半減」があります。

私は、昨年の6月20日(土)から12月31日(木)まで195日間連続してミサに与ったという実績?もあり、今まで「一回でも多くミサに与り、一回でも多くご聖体を拝領すること」が信仰の最重要事であるとしてきました。突然そう簡単にミサに与るのを半減しろと言われても………と思っていました………が。

実は一昨日、私の近い人が新型コロナウイルスに感染(陽性)し、濃厚接触者に認定されるのではないかと心配して気ばかり揉んでいました。結果は濃厚接触者ではありませんでしたが、もしも認定されれば、2週間は仕事を休むことになります。この重要な案件のある忙しい時期に休んでなんかいられません。

そこで、冷静になって考えてみると、教会でのコロナ対策は万全を期しているものの、やはりミサに与るのは、人が集まるわけですからまったくリスクがないわけではありません。やはり主任司祭の指示どおり半減しなければいけないなと決断したのでした。だめですね〜人間何事も素直じゃなきゃね(⌒-⌒; )

結果、毎日与っていたミサは「平日のミサ」は火曜日、金曜日の2日間、「主日のミサ」は日曜日だけとし、合計3日間にすることにしました。とりあえず今日はお休みとして、明日の火曜日から実施いたします。しかたがないですね。ミサに与るのは不要不急ではありませんが、協調協同することは大切です。
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『ミサ・ソレニムス』のお話し [キリスト教と音楽]

今日は、ベートーヴェン作曲の『ミオ・ソレムニス ニ長調』のご紹介です。『ミサ・ソレムニス』は規模が大きく高貴な感情に満たされた素晴らしい曲ですが、ベートーヴェンの晩年の曲ということもあり、人を寄せつけないような難しさも感じます。それに対して『ミサ曲ハ長調』は、『ミサ・ソレムニス』の半分くらいの長さの曲です。ベートーヴェンが精神的に最も充実していた時期の作品といえます。

『ミサ・ソレムニス』は、ミサ曲につけられる名称の一つで、典礼文のうち少なくとも次の5つの楽章をもつものをいいます。
「キリエ(Kyrie)憐れみの賛歌」
「グローリア(Gloria)栄光の賛歌」
「クレド(Credo)信仰告白」
「サンクトゥス(Sanctus)/ベネディクトゥス(Benedictus)感謝の賛歌」
「アニュス・デイ(Agnus Dei)平和の賛歌」
この条件を満たさないものをミサ・ブレヴィス(小ミサ曲)といいます。ただし、「レクイエム(死者のためのミサ曲)」はこの分類には入れません。音楽用語としては「荘厳ミサ曲(そうごんみさきょく)」と訳されることも多いのですが、日本のカトリック教会では、現在は「荘厳ミサ」という名称を廃して「盛儀ミサ」を正式名としています。特別な機会の典礼のためのミサ曲を指しています。

この曲は、ベートーヴェンが1823年に完成させた晩年の大曲で、親交のあったルドルフ大公(ベートーヴェンの弟子)に献呈されています。当初、大公の大司教就任祝いとして書き始められたそうですが、書き進むうちに次第に構想が広がって就任式に間に合わなくなり、完成までに5年もなの歳月がかかりました。ベートーヴェンが書いた最後の大宗教曲として、現在でも世界で広く演奏されています。

ベートーヴェンは、壮年期の『ミサ曲ハ長調』と晩年の『ミサ・ソレムニス ニ長調』を残していますが、前者は伝統的な教会音楽の上に作られた作品であるのに対し、後者は単なる教会音楽を超えたより深く普遍的なものを含むものであると見られています。ただ歌詞に合った曲をつけたような旧来型のミサ曲ではなく、ミサの言葉の外面的な意味よりも豊かな内容を含む交響曲的なミサ曲てなっています。

曲の構成は次のとおりです。
「キリエ」ハ長調 4分の2拍子
「キリエ エレイソン(主よ、あわれみたまえ)」と穏やかに美しくミサ曲が開始されます。

「グローリア」ハ長調 4分の2拍子
オーケストラとコーラスが力強く「グローリア」と神を賛美し、続いてへ長調に変わってテナーとコーラスが感謝の歌を歌います。中間部はテンポが遅くなりヘ短調でアルト・ソロが「クイ・トーリス・ペカタ・ムンディ(世の罪を除きたもう主よ)」と祈りの歌を捧げます。静かで美しい音楽です。第3部はハ長調に戻り「クオニアム・トゥ・ソルス・サンクトゥス(主のみ聖なり)」の迫力のあるフーガが展開し、力強い「アーメン」のコーラスで終わります。

「クレド」ハ長調 4分の3拍子
チェロとファゴットの弱音で始まります。一般的なミサ曲では力強く信仰告白を行なう部分ですが、ベートーヴェンの音楽は大きく異なります。弱音の中で明瞭に歌われます。中間部ではアダージョ変ホ長調となり、聖霊によるマリアの受胎とキリストの受難が敬虔に歌われます。「ポンテオ・ピラトのもとで苦しみを受け」という部分でさらに音量を落として、その次に受難にあたる「パッススpassus」という言葉が表情を変えて繰返されます。ベートーヴェンらしい迫力のある表現です。第3部はニ長調からすぐにハ長調になりバスのソロによりキリストの復活が歌われます。第4部は信仰告白の複雑なフーガです。演奏者にとってこの曲一番の難所であり聴かせどころです。

「サンクトゥス」イ長調 4分の4拍子
クラリネット/ヴィオラとファゴット/チェロの組み合わせによって神への感謝の歌が始まります。静かで透明なコーラスが続き、「ホザンナ(ばんざい)」の力強いフーガになります。第2部はヘ長調。四重唱による「ベネディクトゥス」は、ミサ曲ハ長調の中でも美しい箇所です。素晴らしいコーダはイ長調で「ホザンナ(ばんざい)」の短いフーガです。「サンクトゥス」は、ベートーヴェンが書いた音楽の中で最も美しい音楽の一つです。

「アニュス・デイ」ハ短調 8分の12拍子
アニュス・デイ(神の小羊、世の罪を除きたもう主よ、我らをあわれみ、平安を与えたまえ)と歌われる部分は、重々しく開始されます。この部分も通常のミサ曲でのテキストの取り扱いとは大きく異なります。「ドナ・ノービス・パーチェム(我らに平安をあたえたまえ)」で明るいハ長調になります。「ミゼレーレ(憐れみたまえ)」もユニークなささやくような音楽です。コーダでは冒頭の「キリエ」の主題が回帰します。このような主題の回帰は、当時では考えられない大胆な構成です。
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◯お勧めCD
「ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス」 (2枚組)
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン                           
演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
レーベル: ユニバーサル ミュージック クラシック
収録時間: 80 分
定価:1980円(税込)私のもっているCDは、9年前のもので2800円でした。
「カラヤン定番」シリーズ。全てデジタル録音、ルビジウム・クロック・カッティングのクリアな音質
指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンが4度目(1985年)となるベートーヴェンのミサ・ソレムニスを収録したアルバムで、若手歌手を起用し、格調高く敬虔な演奏を展開している逸品のCDです。
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