ミサの祭器・祭具:その7「プリフィカトリウム、バラ、コルポラーレ」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

ミサの前に準備するカリスにセットする祭器ですが、教会によっては少し違いがあるかもしれませんが、一般的にはカリス(聖杯)の上に、「プリフィカトリウム(清掃布)」とよばれる聖体拝領後に司祭がカリスやパテナを拭く布が載り、その上にパテナ(聖皿)、その上に「バラ(聖杯布)」という、カリスを覆う亜麻布を張った正方形の厚紙、そして一番上には、「コルポラーレ(聖体布)」とよばれる、ミサのときに広げて上にカリスとパテナを置いて使用する白い亜麻布が載ります。祭壇奉仕者(侍者)は、ミサが開式する前に祭壇脇にある祭器を準備するテーブルに、これらを<セット>し、ミサ中に祭壇でミサを司式する司祭に渡します。(教会によって違いがありますが、実際にセットするのは香部屋(こうべや)担当者です。)
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1.プリフィカトリウム(清掃布)
ミサの聖体拝領後に司祭が祭壇に戻ってカリスやパテナを拭くために使用しています。白の亜麻布でできており、長さ50㎝、幅35㎝ の長方形の布で、手拭きと間違わないために中心部に十字架が付いています。
2.バラ(聖杯布)
ミサのときにカリスの上に置くものです。亜麻布を張った12~17㎝ の正方形をした厚紙でできています。中央に、十字架の印があり、ほこりなどがカリスに入るのを防ぎます
リンネルの生地で作られた
3.コルポラーレ(聖体布)
ミサのときに祭壇上に広げ、この上に、カリスとパテナを置いて使用する白い亜麻布です。語源はラテン語のコルプスから来ていて、体という意味です。キリストの遺骸を包んだ「聖骸布(せいがいふ)」を象徴しているといわれています。
◯それぞれの写真は、次の「聖パウロ女子修道会(女子パウロ会)公式サイト」をご覧ください。
(ブログ引用掲載表示)
「ラウダーテ」キリスト教マメ知識から
1.プリフィカトリウム
https://www.pauline.or.jp/chripedia/mame_purificatorium.php
2.パラ
https://www.pauline.or.jp/chripedia/mame_palla.php
3.コスポラーレ
https://www.pauline.or.jp/chripedia/mame_corporale.php

上記で説明しましたが、ミサで司祭が祭壇上で使用するプリフィカトリウムは、ミサの中でご聖体拝領が終わった後、司祭が祭壇に戻ってパテナを拭き、カリスに水を注いですすぎ、司祭が飲んだ後にプリフィカトリウム(清掃布)で拭く所作をします。以前このブログに日本古来の伝統文化である茶道は、カトリック教会のミサの影響をかなり受けていると書きましたが、この場合も茶道では、濃い茶のまわし飲みの後、戻ってきた茶碗に湯を入れ回してすすぎ、湯を建水に捨ててから茶巾で茶碗を拭きますが、ミサとほぼ同じ所作ですね。プリフィカトリウムも茶巾もこれを縦に三つ折りにして使いますが、これを横に二つ折りにするか、それをもう一度二つ折りにするかという違いはあるものの、たたむ動作は非常によく似ています。

ところで、次は聖なる祭儀における私の大失敗談です。
先日の主日のミサで祭壇奉仕(侍者)を担当しました。ミサの司式中にある奉納の行列からパテナ(聖皿)とぶどう酒と水を司祭が受け取る直前のところで、祭壇奉仕者(侍者)が事前に祭壇上でコルポラーレを敷いて、その上にカリス一式(プリフィカトリウムやバラ)を置く役目があるのですが、どうして間違えたのか?自分でもわからないのですが、プリフィカトリウを敷いてしまいました!( ̄▽ ̄;)
祭壇奉仕だけでなく、聖歌奉仕や朗読奉仕の担当をした時は、いつも帰りの電車の中で次回の奉仕に生かすための「ひとり反省会(振り返り)」をするのですが、その時に、「コルポラーレを祭壇上に敷いた時、確か………真ん中に十字架の印があった!あぁ!あれはプリフィカトリウムだ!間違った!」と。今でも間違った理由がわからないのは、一式をセットしたカリスの一番上にコルポラーレがあるのに、なぜ?あえてわざわざその下の下にあるプリフィカトリウを取り出して敷いたか?ということです。すでにボケが始まっているのか?神父様、反省いたしております(T_T) 次回からは気を引き締めてご奉仕いたします。信徒の皆さん!神様じゃないのですから人間であれば必ず失敗はあります。失敗を恐れずに果敢に教会の奉仕活動にチャレンジしましょう!

◯ご参考(根拠規定)
『新しい「ローマ・ミサ典礼書の総則」に基づく変更箇所(2015.4.5)』にしたがって変更箇所を修正済み
1.『ローマ・ミサ典礼書の総則(暫定版)』の163
「聖体の授与が終わり、聖別されたぶどう酒が残っていれば、司祭は祭壇ですぐにすべてを拝領する。聖別されたホスティアが残っていれば、祭壇で拝領するか聖体を保存するために定められた場所に運ぶ。司祭は祭壇に戻り、ホスティアのかけらがあればそれを集め、それから祭壇あるいは祭器卓のところに立って、カリスの上でパテナまたはピクシスをふき、次に「口に受けたものを……」と沈黙のうちに祈りながらカリスをすすぎ、プリフィカトリウムでカリスをふく。」(以下略)
2.『ローマ・ミサ典礼書の総則(暫定版)』の279
「祭器は、司祭あるいは助祭、または選任された祭壇奉仕者が、拝領後またはミサの後、できるかぎり祭器卓でこれをすすぐ。カリスのすすぎ水、またはぶどう酒と水で行われ、すすぎを行った者がこれを飲む。パテナは、通常どおりプリフィカトリウムでふく。聖体の授与の後にキリストの御血が残った場合、すぐにすべてを祭壇で拝領するよう留意しなければならない。」

◯次の記事もお読みください。
・ミサの祭器・祭具:その1「アルバ」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-06-24-3
・ミサの祭器・祭具:その2「アミクトゥス」と「チングルム」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-08-26-2
・ミサの祭器・祭具:その3「カンパヌラ」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-09-09-1
・ミサの祭器・祭具:その4「カリス」お話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-10-06
・ミサの祭器・祭具:その5「パテナ」お話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-10-08
・ミサの祭器・祭具:その6「ローソク」お話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-10-11
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