「ピラールの聖母」のお話し [聖人・福者・尊者]

今日10月12日は、「ピラールの聖母」の記念日でした。
ただし、教会暦にはありません。
「ピラールの聖母」とは、西暦40年にスペインのサラゴサで起こった<聖母の出現>のことです。「ピラール(Pilar)」は、スペイン語で「柱」を意味し、聖母マリア様が柱上に出現したことに因んで名付けられたそうです。「柱の聖母」又は「柱上の聖母」とも呼ばれています。聖母マリア様のご出現の最初の例であり、ご存命中の唯一のご出現となりました。聖地は、スペインのエブロ川の近くにあるヌエストラ・セニョーラ・デル・ピラール聖堂です。ピラールの聖母は、現在スペイン及びヒスパニック世界の守護聖人とされています。
◯フランシスコ・デ・ゴヤ作の「ピラールの聖母の出現」です。正式名称はフランシスコ・ホセ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス(スペイン:1746年~1828年)で、同じスペインの画家ディエゴ・ベラスケスとともにスペイン最大の画家といわれています。私はエル・グレコがスペインで唯一最大の画家だと思っています。
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◯ヌエストラ・セニョーラ・デル・ピラール聖堂にある「ピラールの聖母」です。聖母像については、それが本物かどうかの真偽は定かではありません。 本物の木像は1434の教会が火災に会った時に燃えてしまったとする説もあり、また、反対に他の説では現在もの木像は当時のものであると主張するものもあるようです。聖母マリアの像は木製で高さは39センチ、左手に子供のイエスを抱いており、そのイエスの左手にはハトが止まっています。柱は高さ1.8mの碧玉の木で作られており、16世紀以来、柱は通常スカートの形をしたマントが被せてあります。
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伝統的な古代スペインの伝統によると、西暦40年10月12日、初代キリスト教会の時代、イエス・キリストの12使徒の一人であった聖大ヤコブは、まだ異教の地であったローマ帝国属州ヒスパニアのカエサラウグスタ(現在のスペイン・サラゴサ)で福音を説いていました。聖大ヤコブは改宗者が少なかったので落胆していましたが、彼が弟子の何人かとエブロ川岸によって祈る間、聖母マリア様が天使を連れて柱の上に出現すると言う奇蹟が起こったとのことです。(聖大ヤコブのスペイン宣教の確たる証拠はありません)

聖母マリア様は、聖大ヤコブに「人々は最終的に改宗するであろう、そして彼らの信仰は今私が立っている柱と同じぐらい強くなるであろう。」とお話しになり、聖大ヤコブにその柱と木彫りの木像を与えたということです。聖大ヤコブもまた聖母マリア様が残した柱があったところに教会を建設したそうです。一般的に信じられているのは、当時聖母マリア様は存命中で、エフェソスかエルサレムで暮らされており、聖母マリア様が聖大ヤコブに現れたのは、同時に2か所以上に存在できる力を使ったのであろうということです。

聖母マリア様が亡くなったのは、イエス・キリストの死後3年から15年後だと推測されますが、教会が建てられた後、聖大ヤコブは数人の弟子と共にエルサレムに戻り殉教しています。その後、大聖ヤコブの遺体を乗せた船は、スペインの地にたどり着いたとの伝説があります。エルサレムでの殉教については、聖書にユダヤ人の歓心を買おうとしたヘロデ・アグリッパ1世によって捕らえられ、殉教したという記述がありますので確かなのですが、前述したように聖大ヤコブのスペイン宣教の確たる証拠はありません。
◯「ヌエストラ・セニョーラ・デル・ピラール聖堂」です。現在のサラゴサにある聖堂の建設は、1681年に始まり1711年に完成しました。大きさは縦130m、横幅67mとなっています。
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教会日記2023.10.12(カトリック成城・聖タデオ教会「年間第27木曜日のミサ」木曜日) [教会日記]

今朝は、出勤する前に小田急線成城学園前駅で途中下車し、カトリック成城・聖タデオ教会で7時からの「年間第27木曜日のミサ」に与りました。週も後半に入ると疲れを自覚します。まだ土曜日を休みにしていますからいいのですが。最近うわさになっている週休3日がいいですね(⌒-⌒; ) でも、私は来年3月末に定年退職ですから、再就職しなければ4月1日以降は毎日が日曜日となりますね( ̄▽ ̄;) さあ、今日と明日出勤すれば2連休です!頑張りましょう!

ミサでは、10月が「ロザリオの月」であることから『アヴェ・マリアの祈り』をお祈りしました。
そして、
「栄光の全能永遠の父よ、
御名(みな)が讃えられますように、
崇められますように、
アーメン」
と、まず主を讃えて祈り、
次に、
「今日も清々しい一日を迎えさせていただき、
主の慈しみとご聖体を拝領させていただいたことに感謝申し上げます。」
と、主に感謝しました。

そして、
「天におられる私達の父よ、
どうかこの祈りを聴き入れてください。
慈しみ深く憐れみ深い主よ、
主に救いを求める人々に主の平安をお与えください。
病に苦しむ人々に主の癒しをお与えください。
貧困にあえぐ人々に主の豊かな恵みをお与えください。
主よ、どうか主に救いを求める人々がすべて救われますように。
私達の主イエス・キリストによって。
アーメン」
と、主により頼む祈りを捧げ、

そして、
「主よ、ここに私がおります。
この私を遣わしてください。
アーメン」
と、主に私が福音宣教に派遣されることを祈りました。

終わりに、
「大天使聖ミカエル、
悪との戦いにおいて、私たちを守り、
凶悪な企みに打ち勝つことが出来ますように。
神の命令によって
悪魔が人々を害することが出来ないようにお願い致します。
天軍の総帥、
人々を惑わし、食いつくそうと探し回っているサタンと
他の悪霊を神の力によって地獄に閉じ込めて下さい。
アーメン。」
と、『大天使聖ミカエルへの祈り』を祈りました。
今日も清々しい一日を迎えています!
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10月はロザリオの月・その7「聖具としてのロザリオの選択」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

今月10月は、カトリック教会においては「ロザリオの月」です。
私が持っているロザリオは、このブログの「ロザリオ日記(旧ロザリオ・コレクション)」で度々ご紹介してきました。ロザリオの珠がイタリアのベスビオス火山産のラピスラズリやベネチア産のムラノガラスのもの、イラン産のターコイズ(トルコ石)、高級ガラスのスワロフスキーのもの、イタリアで作られた花柄の陶器のもの、スペインの巡礼地サンティアゴ・デ・コンポステーラのお土産でもらったホタテ貝の形をした金属製のものなど、ロザリオの十字架と鎖の部分がシルバー製で作られた1本18,000円以上もする高価なロザリオから、十字架と珠がオリーブの木、紅梅の木や桑の木などの木製で、珠を繋ぐ部分は糸を編んで作られている1本800円の安価なロザリオまで、いろいろなロザリオをたくさん持っています。差し上げたものもありますが、現在は38本あります。
◯ブラジルで作られたロザリオです。左側の普段使いしているロザリオと比べると、その大きさがわかりますね。とにかくデカい!自宅用と思い購入しましたが、大きすぎて持て余しています( ̄▽ ̄;)
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◯なんと!20連(四環)もあるロザリオです!つまり4つある神秘(奥義)を一気にお祈りできるのです!とても珍しいロザリオですね。四ツ谷にある「ドン・ボスコ」で購入しました。
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◯このブログの2020年5月6日に「ダークブラウンの木製ロザリオ!」でご紹介した聖パウロ女子修道会のシスターが手編みした紅梅の木で作られたロザリオです。現在使っているタウ十字架のロザリオの前に使っていたロザリオです。聖イグナチオ教会の聖パウロ女子修道会が経営しているショップで、当時800円で購入しました。
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◯このブログの2020年3月21日に「ロザリオのお話し(その31)」でご紹介したイタリア・ベネチア特産のベネチアンガラス(ムラノガラス)製のロザリオです。私が一番大切に&大事にしているロザリオなのですが………しかし、重いのです( ̄▽ ̄;) このロザリオの詳細は、次のアドレスをクリックしてお読みください。
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2020-03-21-2
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◯私は一年365日、毎日自宅や通勤時に電車の中でロザリオの祈りを唱えていますが、ロザリオの祈りを始めてから約12年間の経験で、「聖具としてのロザリオ」についてはっきりと言えることは次のとおりです。
【結論】
ロザリオは、木製のロザリオが使いやすい!
【理由】
①携帯性という観点
木製のロザリオは軽くて比較的小さめですが、石や金属製のロザリオは重くて比較的大き目です。カバンなどに入れれば気にならないのですが、私のようにいつどこでも『ロザリオの祈り』ができるように、常に上着のポケット、シャツやズボンのポケットに入れて肌身離さず持ち歩いている場合は、石や金属製のロザリオの場合は常に重さが気になります。
②お祈りという観点
これは好き嫌いがありますから一概には言えないのですが、『ロザリオの祈り』は、手(指)で珠を手繰って(たぐって)祈るものですが、当然のこと木製のロザリオの方が軽く、手(指)に馴染みやすいですね。石や金属製のロザリオは重く、特に珠を手繰っていて重く感じます。お祈りに専念しやすいという観点では、木製のロザリオが優りますね!
③気持ちや感触の観点
ロザリオは、『アヴェ・マリアの折り』を繰り返し唱える際に、その回数を確認するために用いる聖具ですので、見栄えなどを気にするのは論外だと思います。しかし、珠がラピスラズリやターコイズでシルバー製の鎖となると確かに美しいですよね。でも、木製のロザリオは、祈っていて石や金属製のものよりもはるかに暖かさを感じることができます。
④耐久性能という観点
この耐久性能ということが、私が木製のロザリオを推奨する最大の要因かもしれません。石や金属製のロザリオは、珠のつなぎ目がシルバーなどの金属製で鎖状になっていますから、使っているうちによく切れ(鎖が外れる)ます。修理しようにも鎖が小さ過ぎていつも難儀します。木製のロザリオは、つなぎ目を糸で編んでいますから丈夫で安心ですね。

いずれにしても『ロザリオの祈り』は、聖母マリア様への祈りである『アヴェ・マリアの祈り』を繰り返し唱える際に、その回数を把握するために用いる聖具です。どのようなロザリオを使っても構わないのですが、祈り・特に黙想そのものに集中できないロザリオは、どんなに高価で美しくてもお勧めできません。軽くて小さめの暖かみのある木製のロザリオがお勧めです。なお、一連のミニ・ロザリオよりも、正式な五連のロザリオをお勧めします。

◯ご参考です。是非お読みください。
・「10月はロザリオの月」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-10-01
・10月はロザリオの月・その2『ロザリオの祈り』を祈りましょう! 
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-10-03
・10月はロザリオの月・その3『ロザリオを唱える心を深める祈り』のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-10-05
・10月はロザリオの月・その4「ロザリオの聖母」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-10-07
・10月はロザリオの月・その5「聖母のご出現」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-10-09
・10月はロザリオの月:その6『ファティマの祈り』
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-10-10
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