月刊誌『聖母の騎士』のご紹介 [キリスト教と読書]

『聖母の騎士』は「聖母の騎士社」が出版している冊子です。聖母の騎士社は、キリスト教カトリック教会の宗教法人カトリックコンベンツァル聖フランシスコ修道会の日本管区において、印刷出版業務を行うことを目的として長崎市本河内の聖母の騎士修道院内に設置されています。
1930年5月15日に、聖マキシミリアノ・コルベ神父によって、日本の国民にキリストの福音と聖母マリアの愛を伝えるため『無原罪の聖母の騎士(現在の月刊「聖母の騎士」)』が創刊されたのです。その内容は、カトリックの教え入門、現代に生きるキリスト信者の横顔など、キリスト教を紹介する読み物になっています。
◯ 右側は現在の『聖母の騎士(2月号)』です。左側は昭和10年4月1日発行の『無原罪の聖母の騎士(4月号)』です。神保町にある古本屋の店頭ワゴンの中にあるのを見つけました。確か50円だったと思います。
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昭和10年4月1日発行のものは、最後のページに「編集人兼発行人 マキシミリアン・コルベ」となっています。聖コルベ神父様が長崎にいらした時の『聖母の騎士』なのですね。
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1930年4月24日、ポーランドにあるコンベンツァル聖フランシスコ修道会のクラクフ管区からマキシミリアノ・コルベ神父、ゼノ・ゼブロフスキー修道士、コンラド修道士が長崎に上陸しました。そして、なんとその1か月後に、雑誌『無原罪の聖母の騎士』を発行されたのです!コルベ神父は無原罪の聖母マリアを守護者とする聖母の騎士会及びポーランドの聖母の騎士修道院の創設者で、皆さんご存知のとおり「アウシュヴィッツの聖人(聖人記念日は8月14日)」として知られています。
コルベ神父のことは、このブログの「聖マキシミリアノ・マリア・コルベ司祭殉教者のお話し2022.8.14」をご覧ください。アドレスは、https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2022-08-14
◯月刊『聖母の騎士』
1冊税込みで220円です。年間購読は3,300円(送料共税込)本文32ページ(A5判)
購入希望の方は、「聖母の騎士社オンライン」アドレスhttps://seibonokishi.easy-myshop.jp/c-item-detail?ic=G001 から購入手続きができます。また、四ッ谷にある「サンパウロ」及び「ドン・ボスコ社」、聖イグナチオ教会にある「女子パウロ会」のお店でも購入できます。教会によっては、閲覧用に常備していたり、教会内で販売をしているところもあります。
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教会日記2023.2.6(カトリック成城・聖タデオ教会「聖アガタおとめ殉教者の記念日の ミサ」月曜日)  [教会日記]

今朝は、出勤する前に小田急線成城学園前駅で途中下車し、カトリック成城・聖タデオ教会での早朝7時からの「聖アガタおとめ殉教者の記念日のミサ」に与りました。毎日寒さ厳しい朝ですが、清々しい朝を迎えています。

ミサでは、朗読奉仕を代行し、「聖アガタおとめ殉教者」の記念日をお祈りしました。
そして、まず、主を讃えるお祈りです。
「栄光の全能永遠の父よ、
御名(みな)が讃えられますように、
崇められますように、
アーメン」
と祈りました。
そして、主に感謝です。
「今日も清々しい朝を迎えさせていただき、ご聖体を拝領させていただいたことを感謝申し上げます。」

次に、主により頼むお祈りです。
「天におられる私達の父よ、
どうかこの祈りを聴き入れてください。
慈しみ深く憐れみ深い主よ、
主に救いを求める人々に主の平安をお与えください。
病に苦しむ人々に主の癒しをお与えください。
貧困にあえぐ人々に主の豊かな恵みをお与えください。
主よ、どうか主に救いを求める人々がすべて救われますように。
私達の主イエス・キリストによって。
アーメン」
と祈りました。

次に、派遣のお祈りです。
「主よ、ここに私がおります。
この私を遣わしてください。
アーメン」
と祈りました。

終わりに、『大天使聖ミカエルへの祈り』です。
「大天使聖ミカエル、
悪との戦いにおいて、私たちを守り、
凶悪な企みに打ち勝つことが出来ますように。
神の命令によって
悪魔が人々を害することが出来ないようにお願い致します。
天軍の総帥、
人々を惑わし、食いつくそうと探し回っているサタンと
他の悪霊を神の力によって地獄に閉じ込めて下さい。
アーメン。」
と祈りました。
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「聖アガタおとめ殉教者」のお話し [聖人・福者・尊者]

【閲覧注意】この記事には、閲覧注意な画像があります。
今日2月6日は、「聖アガタおとめ殉教者」の記念日です。記念日は正式には2月5日ですが、日本では2月5日は「日本二十六聖人殉教者」の祝日となっているため、聖アガタの記念日は2月6日となります。
聖アガタ(又は「シチリアのアガタ」)はキリスト教の聖女です。カトリック教会・正教会・非カルケドン派で聖人となっています。イタリアのシチリア島・カターニアの裕福な貴族の家庭に生まれ、250年頃に殉教したとされています。15歳の時にはすでに神に身をささげ、信者として生きる決意を固めてました。

そのような美しい娘アガタと彼女の財産に目をつけた当時シチリアでも支配力を持っていたローマ総督は彼女にプロポーズします。しかし、彼女はカトリックの信徒として純潔な身でありたいという意思を貫き、申し出を頑なに拒んだため、総督の権力により迫害を受けることになります。牢屋に入れられ暴力を受け、最後には乳房を切り落とされます。
彼女は、それでも祈り続けることをやめず、奇跡的に乳房は完治します。ところが、更に総督の反感を買った彼女は火あぶりの刑にされることになりました。火あぶりにされた際に彼女を包んでいた赤いヴェールだけは、奇跡的に無傷のまま残っていたそうです。この赤いヴェールは、その後、彼女の聖遺品として現在も大切に保存されているそうです。

フランシスコ・エ・スルバラン(スペイン:1598年~1664年)作の『シチリアのアガタ』です。フランシスコ・デ・スルバランは、バロック期のスペインの画家です。スペイン絵画の黄金時代と言われる17世紀前半に活動した画家であり、宗教画、静物画に優れた作品を残しています。カラヴァッジオ(イタリア・バロック期の巨匠)のように、明暗の劇的な対比を見せたものが多く、「スペインのカラヴァッジョ」の呼称もあるほどです。なんと!切り取られた乳房をお盆の上に載せていますΣ( ̄ロ ̄lll)
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【閲覧注意】
なかなかリアルなこちらの絵は、乳房を抉り取られ肋骨が3本白く見えています( ̄◇ ̄;) 取られた乳房は、聖アガタが持っているお皿にあります。この絵の作者は不詳です。
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イタリアのお菓子「Le Minne di Sant’Agata(聖アガタの乳房)」です。オッパイの形したリアルなお菓子ですね( ̄▽ ̄;) 果物とナッツの入ったカッサータと呼ばれる羊乳のリコッタ、チョコチップ、フルーツのシロップ漬け(チェードロ、オレンジピール)のクリームを詰め、生地を乳房型にして乳首に砂糖漬けの赤いチェリーをトッピングしたものです。食べた~い!
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現在、カターニアの守護聖人、カトリック教会のミサの中で名前が読み上げられる七人の女性の一人(聖母マリアは除く)となっています。また、両方の乳房を切り落とされ、そのために彼女は切り落とされた乳房を盆の上に載せて持つ姿で描かれることが多いのです。聖アガタの絵はたくさんありますが、胸に布を当て出血を押さえる絵や自分の乳房をお盆にのせているという、すごく猟奇的な絵になってますね( ̄◇ ̄;) ですから、聖アガタの場合は「乳房」がアトリビュートになっています。

彼女が捧げ持つ乳房の形との関連から、聖アガタは鐘職人やパン屋の守護聖人とされているのですが、近代に入ると、乳房と言うことで乳癌患者の守護聖人ともされていますね。また、1551年にオスマン帝国がマルタ島に侵攻したときは、人々は聖アガタにとりなしを祈りました。結果的にマルタ島は守られたため、彼女はマルタの守護聖人となっています。そして、他にもエトナ火山が爆発したとき、彼女の遺物によって町を救ったと伝えられることから、火災予防の守護聖人にもなっています。

【アトリビュート】
西洋絵画、特に宗教画(キリスト教絵画)には、「アトリビュート(=持物:じぶつ)」というものがあります。これは、絵を描く時の“約束事”として、特定の人物(聖人など)に密接に結びつけられたもの、例えば花、動物、小物、道具や背景などが画かれるのです。
例えば、聖母マリア様ですと、必ず画かれているのが純潔の象徴である「百合の花」ですね。「受胎告知」の絵で、大天使ガブリエルが百合の花を持っています。そして、天の真実を意味する「青色(濃紺色)のマント」です。「祈りの聖母」と「悲しみの聖母」の絵もそうですね。他にも、「12の星の冠」や足の下に「三日月」と「蛇」が画かれています。聖母マリア様の絵を見るときはよく観察しましょうね。
他にも、聖母マリアの夫である聖ヨセフは、大工であったことから大工道具がアトリビュートになっていますし、聖アガタは、乳房を切り取られたことから、乳房がアトリビュートになっています。旧約聖書の「トビト記」に出てくるトビアスを描いた絵は、必ず魚が画かれています。(「トビト記」を読めばわかります。)マグダラのマリアの絵は、必ず香油の壺とドクロが画かれています。
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