教会の正式名称のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

私が所属するカトリック成城教会の正式名称は、「カトリック成城・聖タデオ教会」です。通称は「成城教会」ですが、教会の守護聖人がイエス・キリストの12使徒の一人である使徒聖タデオであり、聖タデオに捧げられた教会ですので、聖タデオの名称が付きます。地名としての「成城」と守護聖人名の「聖タデオ」が付くということです。この名称の付け方は、四ツ谷にあるイエズス会の「カトリック麹町・聖イグナチオ教会」と同じ名前の付け方ですね。欧米の教会ですと、この守護聖人名が教会の名称となっていますね。ちなみに、タデオはラテン語訳ですが、新約聖書の福音書には、「タダイ」、「ヤコブの子ユダ」、「イスカリオテでないほうのユダ」となっています。
したがって、以前所属教会であった「カトリック町田教会」の場合は、守護聖人が12使徒の一人である「大ヤコブ」ですので、正式名称は、「カトリック町田・聖大ヤコブ教会」となります…………ということで、成城教会に関しては、このブログも一昨日から正式名称の「カトリック成城・聖タデオ教会」と表記することにしました。名称が少々長くなりますが、その教会の守護聖人名を教会名として明記することが、普段から私たち信徒を守護してくれる聖人を崇敬するうえで大切なことだと思います。
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教会日記2020.11.10(カトリック成城・聖タデオ教会「平日のミサ」火曜日) [教会日記]

今日は、出勤する前に小田急線成城学園前駅で途中下車し、カトリック成城・聖タデオ教会の7時からの平日のミサに与りました。今朝は一段と気温が下がり、寒い朝を迎えています。先日、このブログで紹介したモッズコートを着てきたおかげで暖かです(*^▽^*) 今日も爽やかな一日を迎えています!

ミサでは、今日の「聖レオ1世教皇教会博士」の記念日をお祝いしてお祈りしました。そして、ご聖体を拝領させていただいたことを主(神様)に感謝申し上げ、
「栄光の全能永遠の父よ、
御名(みな)が讃えられますように
崇められますように、
アーメン
天におられる私達の父よ、
どうかこの祈りを聴き入れてください。
慈しみ深く憐れみ深い主よ、
主に救いを求める人々に主の平安をお与えください。
病に苦しむ人々に主の癒しをお与えください。
貧困にあえぐ人々に主の豊かな恵みをお与えください。
主よ、どうか主に救いを求める人々がすべて救われますように。
私達の主イエス・キリストによって。アーメン」
と気持ちを込めてお祈りしてきました。
また、行方不明となっている小学2年生の小倉美咲ちゃんが、元気な姿で両親の元に帰れるようにお祈りし、同僚の病が癒されますように、同僚のお嬢さんが健康な体となって元気に学校に通えるようにとお祈りしました。

【聖レオ1世教皇教会博士】
今日11月10日は、「聖レオ1世教皇教会博士」の記念日です。レオ1世教皇(在位440年-461年)は、イタリア、トスカーナに生まれ、若いころから聖職者として重要な職務に就いて教皇に選出されました。当時、教会の内外にはいろいろな災難が起きており、その1つにコンスタンチノープルの修道院長エウティケが、431年のエフェソ公会議で異端とされたネストリウス派の「イエスは人間であって、神ではない」という説を排斥するあまりに、「キリストは真の神であって、真の人間ではない」という極端な説をとなえ始めたことがありました。レオ1世教皇は、これらの異説をすべて排斥し、451年のカルケドンの公会議で信仰宣言を読み、「キリストは真の人間であり、真の神である」と述べました。このとき、司教たちは感動して「これこそ使徒たちの信仰である。ペトロがレオ教皇の口を借りて語った」と言ったと伝えられています。
また、民族移動でフン族、ヴァンダル族が侵入してきたときには、それぞれの王と交渉してローマを危機から救うことに努めました。レオ1世教皇の時、聖ペトロの後継者として初めて「教皇(Papa)」という称号が用いられました。そしてローマ司教の他の教会に対する「首位権」を主張し、教皇の地位と権能を確立させました。彼は、96の説教集や多くの書簡集を残し、後世に「大教皇」という称号を与えられ「大レオ」と呼ばれています。
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「カリス」のお話し [聖品紹介]

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「カリス」とは、ミサにおいてぶどう酒を奉納し、聖別、拝領するときに使用する杯(さかずき)のことです。また、飲むために使われるコップのことを指しますが、キリスト者の間では、初めからミサに使われる器として区別して使われてきました。写真上は、現在一般的に使われている金メッキや銀メッキが施された金属製の「カリス」です。初期の時代は、ガラス製のものも作られましたが、9世紀ごろからは金属で作るようになりました。次第にキリスト教的シンボル(十字架、魚(イクツス)、ブドウの図章)などで装飾されるようになり、宝石や金、銀、メノウなどが装飾として使われるようになっていきました。ルネッサンスやバロック美術の影響を受け、特に中世に作られたカリスは美しく豪華なものが多く残っています(写真下)。まぁ、人間の欲ですな。貧困を愛されたイエス様が、そんな豪華なカリスをどう思われるかです。決してお喜びではないでしょうね。
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この「カリス」の中に入れるのが、ミサにおいて司祭(神父様)の唱える奉献文に出てくる“イエス・キリストの血(ぶどう酒)”です。ミサの中で行われる「聖体の秘蹟」の説明は後日にするとして、ミサの中で奉納祈願と叙唱のあと、司祭(神父様)が次の奉献文(第2奉献文)を唱えます。
「誠に尊くすべての聖性の源である父よ、いま聖霊によってこの供え物を尊いものにしてください。(パンとぶどう酒の上に十字のしるしをする)私達のために主イエス・キリストの御からだと御血(おんち)になりますように。主イエスはすすんで受難に向かう前に、パンを取り、感謝をささげ割って弟子に与えて仰せになりました。『皆、これを取って食べなさい。これはあなたがたのために渡される私のからだである。』
食事の終わりに同じように杯を取り、感謝をささげ弟子に与えて仰せになりました。『皆、これを受けて飲みなさい。これは私の血の杯、あなたがたと多くの人のために流されて、罪の赦しとなる新しい永遠の契約の血である。これを私の記念として行いなさい』」
このあと、司祭が「信仰の神秘」と唱えると、信徒が次のとおり答えます。「主の死を思い、復活をたたえよう、主が来られるまで。」と命じられたように、イエスの記念として、イエスが言われたとおりに行なっています。司祭はさらに続け、「私達は今、主イエスの死と復活の記念を行い、ここであなたに奉仕できることを感謝し、命のパンと救いの杯をささげます。」と続きます。

この奉献文(第2奉献文)の根拠となっている聖書の箇所は、次のとおり新約聖書の4つの福音書の内、3つの福音書に記載があります。すべてイエス・キリストが磔刑(たっけい:十字架に磔(はりつけ)される死刑)にされる前夜の「最後の晩餐(さいごのばんさん)」の場面の一部です。
◯マタイによる福音書:第26章・第26~第28節
「一同が食事をしているとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱えて、それを裂き、弟子たちに与えながら言われた。『取って食べなさい。これはわたしの体である。』また、杯を取り、感謝の祈りを唱え、彼らに渡して言われた。『皆、この杯から飲みなさい。これは、罪が赦されるように、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血である。』」

◯マルコによる福音書:第14章・第22~第24節
「一同が食事をしているとき、イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱えて、それを裂き、弟子たちに与えて言われた。『取りなさい。これはわたしの体である。』また、杯を取り、感謝の祈りを唱えて、彼らにお渡しになった。彼らは皆その杯から飲んだ。そして、イエスは言われた。『これは、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血である。』」

◯ルカによる福音書:第22章・第19~第20節
「それから、イエスはパンを取り、感謝の祈りを唱えて、それを裂き、使徒たちに与えて言われた。『これは、あなたがたのために与えられるわたしの体である。わたしの記念としてこのように行いなさい。』食事を終えてから、杯も同じようにして言われた。『この杯は、あなたがたのために流される、わたしの血による新しい契約である』」
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