「イエス・キリストの名称」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

日本語のイエス・キリストの「イエス」は、ヘブライ語の「イェーシュア」又はアラム語の「イェシュー」を元にしたと思われる古代ギリシア語あるいは古典ラテン語の「イエースース」の慣用的表記であるというのが根拠となります。「イエス」の語源は、ヘブライ語で「主は救い」を意味するユダヤ人男性の当時は一般的な名称でした。「キリスト」は、救世主というニュアンスで理解されることが多いですが、原義は「油を注がれた者」という意味です。「イエス・キリスト」は、ギリシア語で主格を並べた同格表現で、「キリストであるイエス」「イエスはキリストである」の意味となります。同格だったのですね。

戦国時代から江戸時代初期にかけてのキリシタンは、ポルトガル語の発音から「ゼズ」又は「ゼズス」と呼んでいました。中国語では、イエスは「耶蘇(Yēsū、イエス)」と表記されたことから、その字が日本語に伝来して「やそ」と呼ばれました。明治時代から昭和の初めごろはキリスト者(クリスチャン)を侮辱・軽蔑する言葉として使用されました。ちなみに、アラビア語では「イーサー」です。

現在、日本ハリストス正教会(ロシア正教会由来の教会)が用いる「イイスス」は、中世~現代ギリシア語あるいは教会スラヴ語に由来するものです。日本のカトリック教会は、ローマ・カトリック教会で典礼のために使われる教会ラテン語の「Jesus(イェーズス)」をカタカナで表記した「イエズス」を伝統的用いてきましたが、現在ではエキュメニズム(エキュメニカル)の流れに沿って、イエスの名称を用いています………でも、まだ一部の司祭(神父様)やご高齢な信徒はイエズスを使用される方がいます。

私は、基本的には「イエス」ですが、ミサでは「イエズス」と言います。しかし、他の人と話しをする中で、「イエス様」と言っても「イエズス様」とは言わないですね。あくまでもミサだけです。やはりローマ教会の伝統を受け継ぐカトリック教会として「イエズス」の名称にこだわります。一部の神父様も使われていますから問題はないと思いますが、所属教会の主任司祭に言われたらダメですよね?

【エキュメニズム】
エキュメニズム(英: Ecumenism)とは、キリスト教の教派を超えた結束を目指す主義、キリスト教の教会一致促進運動のことです。世界教会主義ともいいます。転じて、キリスト教相互のみならず、より幅広くキリスト教を含む諸宗教間の対話と協力を目指す運動のことを指す場合もあります。
nice!(0)  コメント(0) 

渡辺和子シスターのことば(第5日目) [キリスト者(クリスチャン)]

「幸せは、自分を忘れて人の幸せのために尽くすところに、生まれるものだと思います。」

渡辺和子シスターのことは、「渡辺和子シスターのことば(第1日目)2023.7.19」をご覧下さい。
主イエス・キリストは、「隣人を自分を愛するように愛しなさい」と説いておられます。渡辺和子シスターの言葉の「人の幸せのために尽くす」ということですね。自分の為にではなく、他の人の為に尽くすことによって生まれる「幸せ」は、何よりも尊いものだと思いますし、私も日頃から実感していることです。これは「お互い様」でもあります。この想いがなくては、人間社会は成り立ちません。東日本大震災以降、よく「絆(きずな)」という言葉が使われるようになりましたが、この絆こそ、他の人のために尽くすことを根底にしている言葉だと思います。
nice!(0)  コメント(0)