今日のニュース2016.2.26 [日記(今日のニュース)]

【デイリー新潮2月26日(金)配信】

“バチカンとロシア正教「歴史的抱擁」にプーチンの影”
カトリック教会のローマ法王フランシスコとロシア正教会のキリル総主教が12日、キューバのハバナで抱き合った。1054年、東西教会分裂。別名大シスマ――世界史の教科書を思い出せば、なんと約1000年ぶりの和解か。両者は「われわれは競争相手ではなく、きょうだいだ」とし、「イスラム国」などによる暴力とテロの根絶を訴えたが、キリスト教に詳しく、インテリジェンスに通暁する作家の佐藤優氏は言う。
「誤解してはならないのは、1964年にローマ法王パウロ6世とコンスタンティノープル全地総主教のアシナゴラス1世がエルサレムで会談し、すでに東西教会の和解は成立しているのです。今回“初めて”であるのは、あくまでローマ法王とモスクワ総主教の会談なのです」東方正教会はいわば「商店会」。コンスタンティノープルを第一の地位に置きはするが、「商店会長」のようなもの。各地の地方教会は緩やかに連合し、信者1億人程と最大規模を誇るロシア正教会もそのひとつなのだという。
では、ロシア正教会にとっての“和解”とは何か――。
「ウクライナですよ」
佐藤氏は言う。
「16世紀末に東方正教会から離れ、ローマ法王を仰いだ東方典礼カトリック教会という宗派がウクライナを中心に広がっています。が、これはロシア正教にとっては“裏切り者”、バチカンとの積年の対立点でした。にもかかわらず、ここに来て突如、初会談。ロシア正教に手を回したプーチンの意図は明白です」ロシアはウクライナ問題で孤立、経済制裁により深刻な経済状況に陥った。このタイミングでの“歴史的抱擁”は、国際社会復帰のための演出に他ならない。
「ロシア正教会は事実上、ロシア政府の下部組織となっているのです」(同)目的のためには歴史的宗派対立もカードに使う。プーチンもそれだけ追い詰められているということか。
(「週刊新潮」2016年2月25日号 掲載)

ニュースの解説をします!
「今日のニュース2016.2.13」に掲載した続編となりました。まぁ、書いているとおりですか。なんということなのでしょうか。何時の時代も宗教は政治に利用されてしまうのですね。国家権力者が宗教を利用して政治を有利にすすめるという姑息な手段をとるのです。歴史が物語っていますね。ちなみに、上記の記事で意見を述べている佐藤優氏は、同志社大学神学部(大学院修士課程修了)のご出身でキリスト教プロテスタントのカルヴァン派のクリスチャンです。元在ロシア大使館三等書記官、元外務省国際情報局分析第一課主任分析官です。

宗教が政治に利用されたということでは、古くは十字軍の遠征がそうですね。「十字軍」とは、中世に西ヨーロッパのキリスト教の諸国が、聖地エルサレムをイスラム教諸国から奪還することを目的に、1096年~1272年の間に派遣した8回の遠征軍のことですね。事の起こりは、トルコ人のイスラム王朝であるセルジューク朝にアナトリア半島を占領された東ローマ帝国の皇帝アレクシオス1世コムネノスが、ローマ教皇ウルバヌス2世に救援を依頼したことが発端(1095年)です。

この時、大義名分として異教徒イスラム教国からの聖地エルサレムの奪還を訴えたのでした。つまり、十字軍の遠征は、本来は“領地の奪還”であって、“聖地エルサレムの奪還”は大義名分だったのです。「イエス・キリストがお生まれになった聖地であるエルサレムを異教徒から奪還しょう!」という大義名分です。教皇自らが西ヨーロッパの諸侯に遠征を呼びかけることになったのでした。たぶん「神が望まれている!神のご意思だ!」とか言って呼びかけたのでしょうね。人間に神様のご意思などわからないと思うのですが。

前々教皇であったヨハネ・パウロ二世は、2000年3月12日にバチカンのサンピエトロ寺院で行われたミサで、「十字軍の遠征は間違いであった。」とキリスト教会が犯した罪を認め、神の許しを請うミサを行っています。つまり謝罪したということですね。政治と宗教の関係は、国家(政治)と宗教の分離の原則をいう「政教分離原則」でなければなりません。日本には、政治家の靖国神社参拝が問題視されており、難しいというか悩ましい問題でもあります。
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