「聖金曜日・主の受難の典礼」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

今日3月29日(金)は、「主の過越しの聖なる3日間」の二日目「聖金曜日」です。夜に「主の受難の典礼」が行われます。私が所属するカトリック成城・聖タデオ教会では、19時から「主の受難の典礼」があります。昨日に引き続き祭壇奉仕(侍者)を務めます。ちなみに、成城教会の守護聖人である使徒聖タデオは、日本語訳聖書にタダイと訳されていますが、タダイのラテン語訳がタデオです。

◯有名なルーベンスの「キリストの磔刑(たっけい:十字架の刑)」です。右下の黒い?紺色?のマントを着た悲しみのあまり今にも崩れ落ちそうな女性は、聖母マリアさまです。その身体を支えている赤いマントを着た男性は使徒のヨハネです。
ルーベンス.jpg
「聖金曜日」は言うまでもなく、イエス・キリストの受難と十字架上の死を記念する日です。イエス・キリストは、この日の午後3時ごろ息を引きとったとされ、その受難と死をしのび、過越しの聖なる断食が守られます。現在の断食は「大斎」と言って一日中まったく何も食べないというものではなく、1食は十分に食べて後の2食は軽く済ますというものです。「大斎・小斎」の意味は、このブログの「教会日記2024.2.14(カトリック成城・聖タデオ教会 灰の水曜日のミサ・灰の式 水曜日)」をお読みください。
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2024-02-14-3

夕べに行われる典礼では、感謝の祭儀(ミサ)は行われず、代わりに「十字架の崇敬」で、復活への希望のうちに十字架の勝利を賛美します。また、この日の典礼の最大の特徴は、3月24日(日)の「枝の主日」と同様に、第一部として、司祭(神父様)と複数の朗読者、さらには会衆全員の参加による「イエスの受難の朗読」が行われることです。朗読は通常、『ヨハネによる福音書』からとられています。通常は、イエス・キリスト役は司祭(神父様)、ローマ帝国の総督ポンティオ・ピラト役は信徒から1人、群集役は信徒全員、語り手は信徒から1人ですが、コロナ渦以後は朗読文(聖句)はそのままで、役は司祭と朗読担当者(信徒)で行われると思います。悲しくも感激のある朗読となります。その後に、「盛式共同祈願」があり、10ある祈願文からいくつかを祈願します。
そして、第二部として「十字架の礼拝」が行われます。司祭(神父様)が「見よ!キリストの十字架 世の救い」と言って、信徒が応唱します。これを3回繰り返します。そして、一人ずつ「十字架の礼拝(崇敬)」を行い、全員が礼拝が終わると(教会によっては、昨夜の聖木曜日「主の晩餐の夕べのミサ」で、安置所を移したご聖体が祭壇に戻される教会と明日戻す教会があります)聖体拝領が行われ、沈黙のうちに典礼は終わります。

<新約聖書の福音書の「磔刑(たっけい:十字架の刑)」の場面の記載>
次の4つの福音書の聖句は、『原文校訂による口語訳フランシスコ会聖書研究所訳注聖書』から引用しています。
◯新約聖書:マタイによる福音書・第27章・第35~第38節
「兵士たちはイエスを十字架につけると、くじを引いてその衣を分け、そこに座って見張りをしていた。また、彼らはイエスの頭の上に、「これはユダヤ人の王イエスである」と書かれた罪状書きを掲げた。その後、二人の強盗が、一人は右に、一人は左に、イエスとともに十字架につけられた。」

◯新約聖書:マルコによる福音書・第15章・第22~第27節
「こうして、彼らはイエスをゴルゴタ――その意味は「髑髏(されこうべ)の場所」――という所へ連れて行った。そして、兵士たちは没薬を混ぜたぶどう酒をイエスに飲ませようとした。イエスはお受けにならなかった。 それから、彼らはイエスを十字架につけた。そして、誰がどれを取るかをくじで決めて、その衣を分けた。さて、イエスを十字架につけたのは、午前九時であった。罪状書きには、「ユダヤ人の王」と書いてあった。また、兵士たちはイエスとともに二人の強盗を、一人は右に、一人は左に、十字架につけた。」

◯新約聖書:ルカによる福音書・第23章・第32~第33節
「ほかにも二人の犯罪者が、イエスとともに死刑に処されるために、引かれて行った。さて、「髑髏(されこうべ)」と呼ばれている所に着くと、兵士たちはイエスを十字架につけた。犯罪人も、一人はイエスの右に、一人は左に十字架につけた。」

◯新約聖書:ヨハネによる福音書・第19章・第17~第19節
「イエスは、自ら十字架を担い、「髑髏(されこうべ)の場所」――ヘブライ語で「ゴルゴタ」という所へ向かって出て行かれた。その場所で。人々はイエスを十字架につけた。また、ほかの二人をも、イエスを真ん中にして、その右と左に一緒に十字架につけた。ピラトは罪状書きを書いて、十字架の上につけさせた。それには、「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と書いてあった。」
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