教会日記2021.2.7(カトリック成城・聖タデオ教会「主日のミサ」日曜日) [教会日記]

今日は、カトリック成城・聖タデオ教会の14時からの「主日のミサ」に与りました。緊急事態宣言は3月7日まで延長され、まったく深刻な状況になりました( ̄◇ ̄;) 食事と睡眠をきちんとして、少しでも免疫力を高めましょう!
成城教会の聖堂横にある紅梅の蕾がほころび始めました!
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ミサは、いつものように3蜜を避けるため、ソーシャルディスタンスで入堂制限があります。普段は200人以上入れる聖堂ですが、今は47人しか入れません。ですから、聖堂に入れない人のために、信徒館でスクリーンで映してオンラインミサに与る(42人)対策をしています。 また、マスクの着用はもちろんのこと、聖堂(信徒館)入口の受付でカードに氏名と電話番号の記入と手の消毒があります。

そして、緊急事態宣言の再発出を受けて、東京大司教様から「各教会での感染対策を見直し、徹底するように」と求められ、1月16日(土)から3月28日(日)まで、主日のミサは、土曜日16時・日曜日9時30分・日曜日14時となり、平日のミサは、火曜日と金曜日の7時からになりました。なお、ご高齢の皆様のために、毎週金曜日10時に行なってきた「言葉の祭儀と聖体拝領」は引き続き行われています。

ミサでは、ご聖体を拝領させていただいたことを主(神様)に感謝申し上げ、
「栄光の全能永遠の父よ、
御名(みな)が讃えられますように、
崇められますように、
アーメン
天におられる私達の父よ、
どうかこの祈りを聴き入れてください。
慈しみ深く憐れみ深い主よ、
主に救いを求める人々に主の平安をお与えください。
病に苦しむ人々に主の癒しをお与えください。
貧困にあえぐ人々に主の豊かな恵みをお与えください。
主よ、どうか主に救いを求める人々がすべて救われますように。
私達の主イエス・キリストによって。アーメン」
とお祈りしました。
また、行方不明となっている小学2年生の小倉美咲ちゃんが、元気な姿で両親の元に帰れるようにお祈りし、同僚の病が癒されますように、同僚のお嬢さんが健康な身体になり元気になるようお祈りしました。
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『マラス―暴力に支配される少年たち―』のご紹介 [日記]

緊急事態宣言が3月7日まで延長され、引き続き「不要不急の外出は避けること」に象徴されるように、人がいるところはなるべく避け、私のコロナ標語である「コロナに感染しない。感染させない。」を肝に銘じ、仕事で大学、ミサで教会へ行く以外は自宅で過ごすようにしています。
そこで、先日読んだ『エクソダス―アメリカ国境の狂気と祈り―』の中に、「マラス」というメキシコ、エルサルバドル、ホンジュラス及びグアテマラで広がっている若者ギャング団のことが書いてあり、そのようなマラスの詳しい実態、反対にマラスに脅され、逃げている被害者である人々にどのような対策や支援がなされているのか?大いに興味があってこの本を読みました。
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この本の概要は、まずは集英社のホームページに書かれている本書の案内文を引用させていただくと、「第14回開高健ノンフィクション賞受賞作!2010年以降、殺人事件発生率世界一の中米ホンジュラス。そこでは麻薬密売をはじめとした犯罪を繰り返す凶悪な若者ギャング団「マラス」が、組織間の抗争を繰り返し、軍や警察とも激しく衝突する。マラスの正式なメンバーになる条件は、人を殺すこと。そして、組織から抜けるときは、死を覚悟しなければならない。なぜ少年たちは、死と隣り合わせの「悪」の道に進むのか。元マラスや現役マラスと、マラスを殲滅しようとする軍や警察、そして、若者ギャングの人生を変えようと奮闘する人々を取材。暴力と貧困の中に生きる少年たちの驚くべき現実を描いた衝撃のルポルタージュ!」ということです。

ちなみに、この書名にある「マラス(maras)」とは、1980 年代にアメリカのカリフォルニア州で生まれた、ラテン系移民の若者たちの組織のことで、メキシコ、エルサルバドル、ホンジュラス及びグアテマラで広がっているギャングの一種のことです。エルサルバドルで「騒ぎを起こす連中」という意味の「マラ(mara)」から由来しているという説もあしますが、スペイン語の「マラブンタ(marabunta)」に由来するとも言われています。マラブンタは「群衆・群れ」の意味を持ち、「通り道にあるものすべてを食べ尽くアリの集団」も指します。ただ、現在マスメディアが、「マラス」と呼んでいるものは、自分たちが「マラ」と自称するギャング団に加えて、「パンディージャス(pandillas)」といわれているギャング団全体のことも含めており、本来の「マラス」の意味を離れて、凶悪犯罪に手を染めている若者ギャングすべてを指しているようです。

「マラス」の存在は、深刻な貧困、教育の無さや社会の不正義が生み出したもので、その反動としての産物が、暴力性と反社会性であるということです。著者による多方面のインタビューの中で、地元のカトリック教会の司教に「ギャングが生まれる原因は何だと思われますか?」と質問したら、「まず第一に、あらゆる意味での極貧です。子どもや若者はいま、さまざまな場所と機会を奪われています。家庭崩壊が進んでいるため、ギャング団がよりどころとなっている。ギャング団が、人のぬくもりや庇護、衣食住、そしてひとつのアイデンティティを、彼らに与えているのです。現代社会が、金持ちだけに存在価値を与えて、貧乏人からはすべてを奪った結果です。」と答えています。すべてはこの答えが象徴しています。

また、このルポタージュの大部分に出てくるプロテスタント教会の牧師補佐の方の話しもなかなか聴き応えがあり、街にあふれる非行少年への支援、刑務所で囚人たちへの説教や聖書の勉強会などを行なっているのですが、元はギャング団のボスで、悪さを極めて殺人事件に関与して何年かの懲役刑に服して出所した超異色な人物なのです………などなど、本書には、犯罪を繰り返す凶悪な若者ギャング団のその深部に、日本人ジャーナリストである筆者が立ち入り、貧しい青少年たちに容赦なく突きつけられる非情な現実と著しい不正義、そしてそれらがもたらす社会への深い失望と人間性の喪失を描いています。極めて貴重なドキュメンタリーとなっています。

書名:『マラス―暴力に支配される少年たち―』
著者:工藤 律子(くどう りつこ)
1963年大阪生まれ。ジャーナリスト。東京外国語大学大学院地域研究研究科修士課程在籍中より、メキシコの貧困層の生活改善運動を研究し、フリーのジャーナリストとして取材活動を始める。主なフィールドはスペイン語圏、フィリピン。NGO「ストリートチルドレンを考える会」共同代表。著書に『仲間と誇りと夢と』(JULA出版局)、『ストリートチルドレン』(岩波ジュニア新書)、『ルポ 雇用なしで生きる』(岩波書店)などがある。
出版:集英社
発行:2016年11月25日
定価:1,800円(税別)

◯目次
まえがき
プロローグ
第1章:マラスの輪郭、第2章:カリスマ、第3章:マラスという敵、第4章:冒険少年、第5章:マラスの悲しみ、第6章:変革
エピローグ
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