新約聖書:ヨハネの第一の手紙・第1章・第9節 [聖書]

「もし、わたしたちが自分の罪を告白するなら、真実で正しい方である神は、わたしたちの罪を赦し、あらゆる不義からわたしたちを清めてくださいます。」
『原文校訂による口語訳フランシスコ会聖書研究所訳注聖書』から

罪を犯した人間にとって大切なことは、即座に自分の①犯した罪を認めて②回心し、③犯した罪を告白して④神に赦しを乞うことです。①~④の順にしたがって赦しを乞います。キリスト教の中でも、カトリック教会の信徒(カトリック教会の洗礼を受けた人)であれば、司祭(神父)に「赦しの秘跡(ゆるしのひせき)」を授けてもらうことができます。つまり、司祭(神父)に罪を告白して神様に罪を赦してもらうことです。
カトリック教会には、7つの秘跡がありますが、それは、洗礼の秘跡、堅信の秘跡、聖体の秘跡、赦しの秘跡、病者の塗油の秘跡、叙階の秘跡、婚姻の秘跡です。ここでは、各々の秘跡の詳細説明はしませんが、今日は上記の聖書に関係する「赦しの秘跡」を説明しましょう。

「赦しの秘跡(ゆるしのひせき)」は、キリスト教カトリック教会における「7つの秘跡」の1つです。7つの秘跡とは、①洗礼、②堅信(洗礼後、神の前で行う信仰告白)、③聖体、④婚姻(結婚)、⑤病者の塗油、⑥赦し(告解)、⑦叙階(司祭を任命する儀式)のことです。ちなみに、プロテスタント教会には秘跡はありません。
赦しの秘跡は、聴罪司祭(ちょうざいしさい:司祭=神父)のもとで、自分の犯した罪を告解(こっかい:告白)し、罪の赦しを願うことにより、神からの罪の赦しが与えられるという“しるし”です。この秘跡は、回心、悔い改め、和解、いやしの秘跡とも呼ばれています。赦しの秘跡に必要な行為は、①痛悔(犯した罪を悔やむこと)、②司祭への罪の告白、③償いを果たす決意及びその実行です。

カトリック教会での赦しの秘跡の位置付けはとても重要で、大罪を犯した場合はもちろん、年に一度は必ず行うべきものとされています。特に待降節や四旬節の期間などに聴罪司祭に告解を行うことが多いですね。告解は、カトリック教会の洗礼を受けた人だけしかできません。聴罪司祭が赦しを信徒に授けます。司祭(神父)は、叙階の秘跡(後日説明いたします)において神(イエス・キリスト)から権能を授けられており、その権能をもって神様の赦しを与えます。

人間は、生きていくうちにいろんな罪を犯します。人を恨んでしまったり、言葉で心に傷つけてしまったりなど小さな罪も犯します。盗んでしまったり、取り返しのつかない大きな罪も犯します。その罪の告白をとおして、その罪における神様からの赦しと和解を得ることが告解です。昨夜から復活祭に向けての「聖週間」に入りました。まだ、赦しの秘跡を受けて罪の告白をし、神の赦しを得ていない方は、早く赦しの秘跡を受けましょう!「聖なる三日間」までに!

◯写真は、カトリック教会の聖堂にある一般的な ” 告解室(告解部屋) ” です。左側の部屋に聴罪司祭が入り、ドアの空いている部屋(右側)に告解する信徒が入ります。跪(ひざま)ずいて格子戸(隣の部屋にいる司祭)に向かって罪の告白をします。
告解室.jpg
古い教会の聖堂には、このような昔ながらの豪華な造りの告解室があります。この形式の告解室では、罪の告白する場所が外側にありますから、信徒の顔や話す内容が他の人に知られてしまいそうですね~(⌒-⌒; )
告解室2.jpg
よく「懺悔(ざんげ)」と間違う人がいますが、懺悔という言葉はカトリック教会では使われず、カトリック教会の宗教的意味は全くありません。そして、お祈りの中で罪を認めるときは「罪の告白」といいます。ですからカトリック教会では告解はとても大切な秘跡ですので、◯告解 = ✕懺悔ではないと考えられます。わかりやすく言えば “ 懺悔はごめんなさい ” と謝ることですね。告解は今までの行いや言動を振り返り、誤り・罪を認め神様に赦していただくことです。告解の最後に「あなたの罪は赦されました。」と聴罪司祭が言います。これは「罪の赦し」を意味しています。

【告解】
カトリック教会では、赦し秘跡のことをいいます。聴罪司祭に自らの罪を明かす行為のことです。
【聴罪司祭】
告解(告白)を聴き、「父と子と聖霊の御名(みな)によって」罪を赦す権能を行使する司祭(神父様)のこと。また、聴罪司祭には守秘義務があり、告白によって知った罪についての完全な秘密を守るように義務づけられていて、これに背けば厳罰を科せられることになっています。
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