『十字の祈り』のお話し(ラテン語付き) [祈り]

このブログに、過去に掲載した記事を再掲載いたします。
『十字の祈り』という、ごく短いお祈りがあります。祈祷文は「父と子と聖霊の御名(みな)によって。アーメン」です。キリスト教カトリックの信徒が、いつどこでも最初に唱えるお祈りで、ある意味、お祈りのためのお祈りとも言うべきものです。次に日本語とラテン語、そして無謀と知りつつカタカナで表記しました。

◯『十字の祈り』
「父と
In Nomine  Patris,
イン ノミネ パトリス、

子と
et Filii ,
エト フィリイ、

聖霊のみ名によって
et Spiritus Sancti、
エト スピリトゥス サンクティ

あーめん
Amen
アーメン」

このお祈りの意味は、次のとおりです。
父とは、創造主であるイエス・キリストの父なる神様のことです。子とは、父なる神様の子であるイエス・キリストのことです。聖霊とは、父なる神様と子であるイエス・キリストから出る私達の救いとなる霊のことです。キリスト教の神様は、父なる神様と子であるイエス・キリストと聖霊の3つの位格が一体となる『三位一体』の神様です。意味は、「父なる神様と子であるイエス・キリストと聖霊の尊い御名(みな)をもって神様の愛と一つになります。」となります。「アーメン」は、「そのとおりになりますように。」という意味です。

このお祈りをする時は、右手で十字を切りながら(行いながら)「父と子と聖霊の御名(みな)によって。アーメン」と唱えます。「キリスト教の信徒は、キリスト教の初代教会時代から、十字架にかけられ、死んで、葬られ、黄泉(よみ)に降り、三日目に死者のうちから復活されたイエス・キリストを救い主(メシア)として信じてきました。この「信じています。」ということを表すため、また、十字架上ですべての人間の罪を背負って死んでいかれたイエス様を十字を切る度に思い起こすために、 ” 十字架のしるし ” を行ってきました。

この「父と、子と、聖霊のみ名によって。アーメン」は、キリスト教における最高、最強、完璧かつ究極的なお祈りです。キリスト教には多くのお祈りがありますが、キリスト教の「三位一体」の神を表し、その御名(みな)をもっての祈祷文ですから、これ以上のお祈りは「主の祈り」を除いて他にはありません。闇の支配者サタンの勢力もこの祈りの言葉の前には勝てないのです。次のとおり、十字を切りながらお祈りをします。では見てみましょう。

◯このお祈りをするときは、祈祷文を唱えながら右手で十字を切ります。要領は次のとおりです。
1 まず最初に合掌をして一礼します。この場合の合掌は、仏教のような左右の掌をピッタリと密着させるような合掌ではなく、両手の指先と手元はひっつけますが、掌はひっつけず、ふっくらとさせます。左右の親指は交差させます。右手の親指を上して✕印にします。(「キリスト教と美術(祈りの聖母)2016.8.4」の聖母の手をご参照ください。)
2 次に左手は、最初から掌(指)を真っ直ぐに伸ばして胸に当てます。(下の図では、お腹に当てていますが、私は胸に当てています。)
3 右手の掌を普通に指を揃えて(指を伸ばさずに)、手の一番先の中指の先を “ 額の中央 ” に触れて「父と」と唱えます。
4 次に、その手をお腹の辺りに持っていき、“ みぞおち ” 部分に触れて「子と」と唱えます。
5 次に、その手を左肩の辺りに持っていき、“ 左肩前 ” に触れて「聖霊の」と唱えます。
6 次に、その手を右肩の辺りに持っていき、“ 右肩前 ” に触れて「御名(みな)によって」と唱えます。
7 両手を胸の前で合掌して「アーメン」と唱えます。
十字を切る.png
この1~7の動作を連続して行います。上 → 下 → 左 → 右の順番です。ただし、キリスト教正教会(ギリシャ正教会、ロシア正教会、日本正教会など)は、上 → 下 → 右 → 左となり、カトリック教会とは左右が逆になります。注意したいことは、小さく早く十字を切る人が多いのですが、これは間違いですね。きちんと、ゆっくり「父と、子と、聖霊のみ名によって。」と唱えながら十字を切ってくださいね。
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