2023クリスマス・シリーズ:その9「クリスマス・キャンドルサービス」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

今年もこのブログに「クリスマス・シリーズ(特集)」を掲載する季節になりました。数年前からこの時期の恒例となっています。今日は、その9「クリスマス・キャンドルサービス」のお話しです。
◯写真は、カトリック麹町・聖イグナチオ教会大聖堂で行われた「降誕祭・主の降誕夜半のミサ」でのキャンドル・サービスの風景です。一人一人が手に灯されたローソクを持っています。
キャンドルサービス.jpg
キャンドル・サービスと聞くと結婚披露宴が思い浮かびますが、「サービス」(service)は「礼拝」という意味です。教会でキャンドルを灯して礼拝するのが本来のキャンドル・サービスなのですね。ちなみに英語では「キャンドルライト・サービス」と呼ぶのが一般的だそうです。世界各国のすべての教会でと言っていいほど、「主の降誕夜半のミサ」でキャンドル・サービスが行われますが、最近では、ローソクの火が参加者の衣服に燃え移るなどの事故もあり、キャンドル・サービスをしない教会も出てきました。化繊の衣服は、あっという間に燃え上がりますからね。

その起源は古く、4世紀の半ばまでさかのぼり、そのころ行われていた2月2日の「主の奉献の祝日」に、祝別したローソクを会衆に分かち合うキャンドルミサが始まりだといわれています。ローマのカトリック教会では、この日を「聖母マリアのきよめの日」として祝っていました。これは、世の光であるイエス・キリストが神殿で神にささげられたことを記念するためです。聖書には、キリストの降誕を「すべての人を照らすそのまことの光が世に来ようとしていた」と記しています。キャンドルの火は、この世に希望と喜びをもたらすイエス・キリストだったのですね。

「主の降誕夜半のミサ」で行われるキャンドル・サービスは、モラヴィア教会で1747年に子どもたちによって行われていたものが、北ヨーロッパから海を渡って北米に広まったものだそうです。クリスマス・イブのキャンドル・サービスは、「世の光」としてこの世に来られたイエス・キリストの誕生を祝って行われるものです。そして、灯したローソクの光に託して、私たち一人ひとりの心の中にも「世の光」であるイエス・キリストが誕生するように願い、このキリストの光によって照らされた私たちが、この世の闇を照らす光となることができますようにと祈りします。

『祈り』
「聖なる父よ、
あなたはこの神聖な夜を、
まことの光キリストによって照らしてくださいました。
やみに輝く光を見たわたしたちが、
その喜びを永遠に歌うことができますように。
アーメン」

◯新約聖書:ルカによる福音書・第2章・第21~第38節
第21節「イエスの命名」
割礼を施すべき八日目になったとき、受胎の前にみ使いが告げたとおり、幼子はイエスと名づけられた。
第22~第24節「イエスの奉献」
さて、モーセの律法に定められた、彼らの清めの日数が満ちると、両親は幼子を主にささげるために、エルサレムに連れて行った。これは主の律法に、「はじめて生まれる男の子はみな、主に聖別された者である」と書き記されているからであり、また主の律法に述べられているところに従って、山鳩一つがいか、家鳩の雛二羽を犠牲としてささげるためであった。
第25~第35節「シメオンの賛歌と予言」
その時、エルサレムにシメオンという人がいた。この人は正しく敬虔な人で、イスラエルの慰められることを待ち望んでいた。また、聖霊が彼の上にあった。彼はまた、主が遣わすメシアを見るまでは決して死なないとの、聖霊のお告げを受けていた。彼は霊に導かれて神殿に入ると、律法の慣習に従って、両親が幼子イエスを連れてきた。シメオンはその子を抱きあげ、神をほめたえて言った。「主よ、今こそあなたのお言葉のとおり、あなた僕を、安らかに去らせてくださいます。わたしはこの目で、あなたの救いを見たからです。この救いは、あなたが万民の前に備えられたもの、異邦人を照らす光、あなたの民イスラエルの栄光です。」 父と母は、幼子について言われた言葉を聞いて不思議に思った。シメオンは彼らを祝福して、母マリアに言った、「この子は、イスラエルの多くの人を倒したり立ち上がらせたりするために定められ、また、逆らいを受ける徴として定められています。あなた自身の心も剣で貫かれます。多くの人のひそかな思いが、露わにされるでしょう。」
第36~第38節「アンナ」
さて、アシェル族のファヌエルの娘で、アンナという女預言者がいた。非常に年老いていて、若いころ嫁ぎ、七年間、夫と生活をともしていたが、やもめとなり、すでに八十四歳になっていた。彼女は神殿を離れず、断食と祈りのうちに神に仕えていた。まさしくその時、彼女も近づいてきて、神をほめたたえ、エルサレムの贖いを待ち望んでいたすべての人に、幼子について語った。
『原文校訂による口語訳フランシスコ会聖書研究所訳注聖書』から

◯2023クリスマス・シリーズ(特集)の過去の記事は、次のアドレスをクリックして読んでください。
1.2023クリスマス・シリーズ:その1「クリスマス・マーケット」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-11-16
2.2023クリスマス・シリーズ・その2「アドベント・キャンドル」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-12-02-1
3.2023クリスマス・シリーズ・その3「クリスマス・ツリー」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-12-03
4.2023クリスマス・シリーズ・その4「クリスマス・リース」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-12-04
5.2023クリスマス・シリーズ・その5「クリスマス・ケーキ」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-12-05
6.2023クリスマス・シリーズ・その6「クリスマス・デコレーションの緑色と赤色」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-12-09
7.2023クリスマス・シリーズ:その7「クリスマス料理の七面鳥」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-12-10-1
8.2023クリスマス・シリーズ:その8「クリスマス音楽・きよしこの夜」のお話し
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-12-11
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