「グアダルーペの聖母」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

今日12月12日は、「グアダルーペの聖母」の任意の祝日です。
グアダルーペ(グアダルペ)の聖母は、カトリック教会が公認している聖母のご出現の一つであり、メキシコで最も敬愛されている宗教的シンボルとなっています。
1531年12月9日、メキシコ・グアダルーペのインディオ、フアン・ディエゴの前に聖母マリア様が現れました。聖母は、ディエゴに聖母の大聖堂を建設する願いを司教に伝えるよう求めましたが、ディエゴは病気の親類ために、助けを求めに行こうとしていたため、話しかけてくる聖母を振り切って先を急ごうとしました。すると、聖母は彼の行く手を阻み、親類の治癒を告げました。ディエゴが家に戻った時、病気だった親類は癒されていました。聖母は、司教へご自分の徴(しるし)として、花を持っていくように言われ、ディエゴは花をマントに包み司教のいる司教館に運んだところ、ディエゴのマントには聖母の姿が映し出されていました。
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フアン・ディエゴは2002年に列聖され、彼が聖母と出会った場所であるメキシコ市近郊のテペヤク(テペヤック)の丘には大きなグアダルーペ寺院が建てられました。1537年にローマ教皇パウルス3世は、インディオは理性ある人間として扱われるべきという回勅を発し、植民地におけるインディオへの迫害を禁じました。また、16世紀末頃から17世紀の初めには、聖母によって重病人が回復する奇蹟がたびたび起こり、聖母への信仰はどんどん強まっていきました。そして17世紀には、この「褐色の肌の聖母」はあらゆる階層の人々の信仰を集めていったのでした。聖母はメキシコの民族主義の象徴ともなっており、メキシコ独立革命の指導者ミゲル・イダルゴの蜂起の宣言(ドロレスの叫び)では、「聖母万歳」と唱えられていますし、メキシコ革命の指導者の一人であるエミリアーノ・サパタの軍隊は、聖母の像を帽子につけていました。1754年、グアダルペの聖母マリアは、教皇ベネディクト14世によってメキシコの保護者とされ、12月12日にその祝日が定められました。
【インディオ】
スペイン語、ポルトガル語で中南米諸国のアメリカ先住民をさしていう名称。英語ではインディアンです。
◯グアダルーペの聖母のご像です。背後の光線の部分は仏教の仏像にある「光背(こうはい)」に似ています。
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◯写真左側は、奈良県奈良市にある華厳宗大本山東大寺大仏殿の盧舎那仏(るしゃなぶつ)です!通称は「大仏様」ですね。金色に輝く「光背(身光)」があります。写真右側は神奈川県鎌倉市にある臨済宗円覚寺派大本山円覚寺にある薬師如来立像(やくしにょらいりつぞう)です。頭の後ろに「頭光(ずこう)」があります。
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【光背】
仏像・仏画などの仏教美術やキリスト教美術などにおいて、神仏や聖人の体から発せられる光明を視覚的に表現したものです。特に仏教の仏像では仏の超人性を形容し、仏身が光明に輝くのを仏像の背後の光明として表したものです。 仏教諸尊像に広く用いられ、頭光(ずこう)と身光(しんこう)があります。キリスト教美術では、ご絵やご像に「光輪(こうりん)」が描かれます(仏教では「頭光」)。
「光輪」については、このブログの今年6月20日に掲載した「光輪(こうりん)のお話し」をお読みください。次のアドレスをクリックしてください。 
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-06-20-11
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