不定期連載・<私の吹奏楽人生>第5回「高慢!」 [吹奏楽日記]

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なお、この第5回も第2回・第3回と同様に、会話部分は地元の言葉(関西弁系)になっています。

私が三重県立白子高等学校に入学したのは、昭和49年(1974年)4月のことです。今でも入学式のことを鮮明に覚えていますが、式が始まる直前に吹奏楽部の演奏があったのです。演奏曲は、バッハ作曲の「G線上のアリア」でした。式場である体育館の後方に座っている吹奏楽部は、視覚に入っていましたから知っていましたが、白子の高校生はどんな演奏をするのか?実はあまり期待はしていませんでした。元々は、白子高校に入学したのは中学校の吹奏楽部顧問のW先生に、「おまえは白子に行け、あそこはこれから上手くなる学校やから。」と言われたのがきっかけでした。どういうわけか、演奏のレベルは気にしなかったのでした。こっちは三重県吹奏楽コンクール前年度優勝中学校出身で、白子高校が出場したことのない東海吹奏楽コンクールに出場したという大々的な自慢がありますから、とにかく鼻が高かったのです。

それが、演奏が始まって数小節を聴いて…………今まで最高に尖がっていた鼻を即座にへし折られたのでした。なんという美しいメロディーの歌い方なのか!そして重厚なハーモニー!それに安定感バツグンの低音の響き!、中学生の演奏とまったく違う演奏レベル!いや、まったく違う世界!「こっ、これが高校生の演奏なのか!」私は完膚無きまでに打ちのめされたのでした。式が始まっても受けた衝撃の動揺は収まらず、校長先生の挨拶もPTA会長の祝辞も、まったく聞いていませんでした。初めて聴く校歌の演奏が、やたらシンフォニックに聴こえたのは私だけだったのでしょうか。式が終わり、教室で諸々の説明と今後の予定などを聴いて解散となり、速攻で音楽室(吹奏楽部の練習場)に直行しました。音楽室の入口に先輩がいて「新入生か?」と聞かれたのが“奈落の底に落とされる始まり”でした…………。

すかさず「はい!四日市市立南中学校吹奏楽部出身の◯◯です!」と大きな声でハッキリと自己紹介しました。そうしたら、その先輩が「あっそう、入部するの?見学でもする?どっちでもええけど。」と言ってスタスタとトイレに行ってしまいました…………。えぇ!?Σ( ̄ロ ̄lll) 「あっそう?するの?でもするの?どっちでも?」…………こっちは前年度コンクール優勝校の卒業生なんやけど。あんたが出たことのない東海大会(東海吹奏楽コンクール)にも出とるんやけど。なんやその冷たい態度は!?その先輩は「それがどうした」という気配さえもありませんでした。次に女性の先輩が現れ、「新入生?見学なん?」、「はい!四日市市立南中学校吹奏楽部出身の◯◯です!」と再度大きな声でハッキリと自己紹介しました。そうしたら、「そうなんや~。見学するんやったら、さっさと中に入り。」とだけ…………。

はぁ~!?こっちは四日市市立南中学校吹奏楽部の出身者やで!前年度優勝校やで!みんな知っとるやろ!もっと驚いてくれるはずやろ!もっと喜んでくれるはずやろ!もっと歓待してくれるはずやろ!…………と。まったく予期していない状況に、本日2回目の動揺に襲われていました~( ̄▽ ̄;) 私は、高慢ちき!傲慢!不遜!尊大!自惚れ!横柄!生意気!身の程知らず!の化身となっていたのでした。まったく「井の中の蛙 大海を知らず!」を地でいってしまったのでした( ̄▽ ̄;)
ちなみに、一番最初に出会った「新入生か?」と聞いた先輩は、トロンボーンのK先輩で、卒業後は駒澤大学に進学し、当時全国大会で日本一を連覇中(最終的に10連覇を達成)だった吹奏楽部で、どういうわけかフルートを担当、全日本吹奏楽コンクール(全国大会)で活躍して「日本一のフルート吹き」と称賛された方でした。駒澤大学吹奏楽部には、他にもK先輩の上にクラリネットのT先輩もおり、4年生時に学生指揮者・コンサートマスターを任されるほどの優秀な先輩たちがいました。
(つづく)
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