「十字を切る」お話し&祈りの言葉 [キリスト教関係事項・用語等]

「父と、子と、聖霊のみ名によって。アーメン」

このお祈りは、以前このブログでご紹介いたしました。キリスト教の初代教会時代から、キリスト教信徒は、十字架にかけられ、死んで、葬られ、黄泉に降り、三日目に死者のうちから復活されたイエス・キリストを救い主として信じてきました。この「信じています。」ということを表すため、また、十字架上ですべての人間の罪を背負って死んでいかれたイエス・キリストを十字を切る度に思い起こすために、”十字架のしるし”を行ってきました。

この「父と、子と、聖霊のみ名によって。アーメン」は、キリスト教における最高、最強、完璧かつ究極的なお祈りです。キリスト教には多くのお祈りがありますが、キリスト教の「三位一体」の神を表し、その御名(みな)をもっての祈祷文ですから、これ以上のお祈りは「主の祈り」を除いて他にはありません。闇の支配者サタンの勢力もこの祈りの言葉の前には勝てないのです。次のとおり、十字を切りながらお祈りをします。では見てみましょう。

このお祈りをするときは、祈祷文を唱えながら右手で十字を切ります。要領は次のとおりです。
1 まず最初に合掌をして一礼します。この場合の合掌は、仏教のような左右の掌をピッタリと密着させるような合掌ではなく、両手の指先と手元はひっつけますが、掌はひっつけず、ふっくらとさせます。左右の親指は交差させます。右手の親指を上して✕印にします。(「キリスト教と美術(祈りの聖母)2016.8.4」の聖母の手をご参照ください。)
2 次に左手は、最初から掌(指)を真っ直ぐに伸ばして胸に当てます。(下の図では、お腹に当てていますが、私は胸に当てています。)
3 右手の掌を普通に指を揃えて(指を伸ばさずに)、手の一番先の中指の先を“額の中央”に触れて「父と」と唱えます。
4 次に、その手をお腹の辺りに持っていき、“みぞおち”部分に触れて「子と」と唱えます。
5 次に、その手を左肩の辺りに持っていき、“左肩前”に触れて「聖霊の」と唱えます。
6 次に、その手を右肩の辺りに持っていき、“右肩前”に触れて「御名(みな)によって」と唱えます。
7 両手を胸の前で合掌して「アーメン」と唱えます。

十字を切る.png

この1~7の動作を連続して行います。上 → 下 → 左 → 右の順番です。ただし、キリスト教正教会(ギリシャ正教会、ロシア正教会、日本正教会など)は、上 → 下 → 右 → 左となり、カトリック教会とは左右が逆になります。注意したいことは、小さく早く十字を切る人が多いのですが、これは間違いですね。きちんと、ゆっくり「父と、子と、聖霊のみ名によって。」と唱えながら十字を切ってくださいね。

私は、朝の祈り、ロザリオの祈り、始業・終業の祈り、就寝前の祈りを含めて一日に20回以上は十字を切ります。毎日続けていると、意識せず自然と十字を切るようになるのですが、とにかく十字を切ると落ち着くことは間違いないですね。私には、十字を切るごとに”気”を与えられているように感じます。また、スポーツの国際試合のテレビ放送で、選手が試合前後に十字を切るところを見かけますが、その人はキリスト教でもカトリック教会か正教会の信徒ですね。基本的にプロテスタント教会の信徒は十字を切りません。

カトリック浅草教会の主任司祭である晴佐久 昌英(はるさこ まさひで)神父様は、早稲田大学で非常勤講師を務めておられ、著書も多く出版され、全国で講演も数多く行い、なんとプロテスタント教会まで行って講演をされている有名な”カリスマ神父様”です。その晴佐久神父様は、「キリスト教の信徒でなくても、この十字のお祈りをすることに意味がある。」と、その名も『十字を切る』(女子パウロ会:出版)という著書の中でと説いておられます。キリスト教の信徒はもちろん、信徒でない方も毎日大いに十字を切りましょうね!

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