クリスマス特集2020・その9「クリスマス・キャロル」のお話し [キリスト教と読書]

今年もこのブログに「クリスマス特集」を掲載する季節になりました。数年前からこの時期の恒例となっていますが、昨年(2019年)の掲載記事を一部修正して掲載いたします。今日は、その8「クリスマス・キャロル」のお話しです。

キャロル(英語: Carol)の語源は、フランス語の単語Caroller(歌で伴奏されたサークルダンス)に、さらにはラテン語のChoraulaに由来すると考えられています。元々は踊りのための民謡でしたが、宗教的な礼拝の中で歌われて、祝歌、頌歌(しょうか)と訳される聖歌・賛美歌の一種とされています。キャロルは1150年代から1350年代までのダンスソングとして非常にポピュラーでしたが、それが後に、教会のお祭りの時に歌われた行列聖歌として、その使用が徐々に拡大しました。現在では、キャロルの語は“クリスマス・キャロル”に代表されていますね。

クリスマス・キャロルとは、キリスト教文化圏においては、クリスマス・イヴの夜に人々が歌うキャロル(歌)で、“クリスマス聖歌”というような意味ですね。キリスト教の救世主キリストの誕生を祝い、誕生にまつわる様々な場面や逸話を歌詞にした歌をいいます。代表的な歌は、「聖しこの夜」(Stille Nacht, heilige Nacht)、「もろびとこぞりて」(Joy to the World)などがありますね。クリスマス・イブの夜、教会に集まった子供たちが、街の家々を訪ねてクリスマス・キャロルを歌う慣習が欧米にはあり、これを英語では「キャロリング」(Caroling)と言います。

その他にも、クリスマス・キャロルとして、幼児虐殺の逸話を歌った「コヴェントリー・キャロル」(Coventry Carol)や、ボヘミア公であったヴァーツラフ1世(Wenceslaus I)をモデルにしているとされる「ウェンセスラスはよい王様」(Good King Wenceslas)、チャールズ・ディケンズの小説「クリスマス・キャロル」に出てくる「世の人忘るな」(God Rest Ye Merry, Gentlemen)などがあります。では、歌ではなく小説の方をご紹介します。
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チャールズ・ディケンズです。
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イギリスの文豪であるチャールズ・ディケンズの「クリスマス・キャロル」は、1843年12月17日に発刊され、たちまち大ベストセラーになった小説です。ディケンズの作品は、「二都物語」、「大いなる遺産」や「オリバー・ツイスト」が有名ですね。皆さんも小説を読んだり、映画などをご覧になった方も多いのではないでしょうか。
この「クリスマス・キャロル」は、主人公である冷酷で非人情なスクルージ氏の回心を描いたものですが、クリスマス前に亡霊によって回心を迫られ、人間らしい心を取り戻すという内容です。 私は、毎年クリスマス前に読むことにしています。短い小説ですからすぐ読めますよ。ぜひ皆さんもお読みくださいね……私は新潮文庫版で読みました。!
ちなみに、ディズニーからDVDも出ています。小説を読んでから観た方がいいのかな…?
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