「天使」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

今日は「天使」についてのお話しです。このブログの2016年10月28日に掲載した記事を一部加筆・修正して再掲載いたします。
お話しの内容は「天使の階級」についてですが、天使にも階級があったのですね。神秘思想家である偽ディオニシウス・アレオパギタの著作に「天上位階論」がありますが、その中で天使の階級を記載しています。それによると次のとおり、案外多くの階級があります。他にも、序列のようなものを記載した資料があり、それはまた違った階級になっているそうです。

上位
1 熾天使(してんし:セラフィム)
2 智天使(ちてんし:ケルビム)
3 座天使(ざてんし:スローンズ)

中位
4 主天使(しゅてんし:ドミニオンズまたはキュリオテテス)
5 力天使(りきてんし:デュナメイスまたはヴァーチュズ)
6 能天使(のうてんし:エクスシアイ)

下位
7 権天使(ごんてんし:アルヒャイ)
8 大天使(だいてんし:アルヒアンゲロイ)
9 天 使(てんし:アンゲロイ)

聖書には天使が現れる記述があります。新約聖書では、天使軍団の総帥・軍団長である大天使聖ミカエル、そして、聖母マリア様に受胎を告げる(受胎告知する)大天使聖ガブリエル、旧約聖書では、トビト記に現れる大天使聖ラファエルの3大天使が記載されています。前述の天使の階級からすると、大天使は下位で8番目の天使ということになっています。ものすごく有名であり、活躍しているにもかかわらず階級は低いのですね。

ちなみに、上位で1番目にくる熾天使(セラフィム)は、3対6枚の翼を持ち、2つで頭を、2つで体を隠し、残り2つの翼で羽ばたきます。神への愛と情熱で体が燃えているため、熾(燃えるなどの意)天使といわれています。2番目の智天使(ケルビム)は、絵画・彫刻では羽のある愛らしい幼児のように表現されており、それを日本では“キューピット”と呼ぶ方が多いと思います。

しかし、キューピットはローマ神話の愛の神(ギリシア神話のエロースと同一視されている)で同じ幼児のように画かれていますが、キリスト教における天使である智天使(ケルビム)とは違います。いずれにしても、聖書の中に現れる天使像と絵画・彫刻の世界の天使像は、双方が必ずしも合致しているとは限らないのです。でも、天使の階級なんて神様や天使自身が考えたわけではなく、人間が考えたものなんですよね( ̄▽ ̄;)
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