「聖アポロニア」のお話し [聖人・福者・尊者]

今日2月9日は、「聖アポロニア(生年不詳~249年)」の祝日です。なお、典礼歴にはありません。
聖アポロニアは、ローマ帝国時代のアレクサンドリアで殉教したキリスト教徒です。アレクサンドリアで殉教したため、「アレクサンドリアのアポロニア」とも呼ばれています。カトリック教会、東方正教会、コプト正教会で聖人とされています。
◯写真の絵は、17世紀フランドルの画家ヤーコブ・ヨルダーンスの手がけた宗教画のひとつ「聖アポロニアの殉教」です。アントウェルペンのアウグスティノ修道参事会の依頼により同会の祭壇画として制作されました。逸話で有名な聖アポロニアの抜歯の場面です。抜歯される聖女アポロニアは痛々しい姿ながら胸の前で腕を交差させ、天上を見上げ聖母マリアの降臨(聖母マリア様がアポロニアの魂を迎えにきたのですね。)を幻視しています。また抜歯するアレクサンドリアの暴徒や異教の神像を指差す異教の祭司、画面下部で火刑の炎を熾す暴徒などが画かれています。
聖アポロニア2.jpg
言い伝えによると、彼女は歯を全て乱暴に引き抜かれたか、粉々にされるという拷問を受けたということです。このために、歯科学や歯痛を患う者、歯に関する問題のあるすべての人の守護聖人として崇敬されています。多くの絵は、歯を引き抜くための“はさみ(又は「歯」)”を手にした姿で描かれている場合が多いです。歯が痛い時は、聖アポロニア様にお祈りしましよう!それと、歯科医院が苦手な人も!お祈りしてくださいね。

当時アポロニアは、教会内の協力者を務め非常に尊敬されました。アレクサンドリア市で異教の偶像を破壊したことから捕らえられ、柱に繋がれ歯を抜かれる(又は殴られて歯が折れたとされる)などの暴行を受けた後、市外で火刑に処されました。一説では改宗しないと火刑にすると脅されるも自ら炎の中へ飛び込んだそうです。この悲惨な話しは、ヤコブス・デ・ウォラギネの著した「黄金伝説(1260年頃)」により広まりました。
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