「チェンストホヴァの聖母(ヤスナ・グラの聖母)」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

「チェンストホヴァの聖母」は、ポーランドのクラクフ近郊の聖地チェンストホヴァのヤスナ・グラ修道院にあります。イエス・キリストを抱いたマリア像のイコン画です。修道院の火災(放火)時の煤で、聖母マリア様の顔が黒くなったと言われていますが、イコン画の特徴で、経年で黒くなったとも言われています。お顔が黒くなっていることから「黒い聖母」の名もあり、一般的には「黒い聖母」の名で呼ばれているそうです。
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聖母様のお顔に大きな傷が2本あります。この傷跡はモンゴル人がこの黒い聖母様を盗もうとした時、イコンが突然重くなり、盗めなかった腹いせに切りつけた際の傷跡という逸話があるそうです。また、頬に付いた傷跡から本物の血が流れたという言い伝えもあるそうです。
黒い聖母.jpg
このイコンは、1382年にヤスナ・グラ修道院を建てたオポーレ公ヴワディスワフによってエルサレムからチェンストホヴァに持ち込まれ、ヤスナ・グラ修道院に安置されました。1655年、スウェーデン軍がポーランドを侵略した時、ワルシャワやクラクフまで占領されましたが、ヤスナ・グラ修道院だけはスウェーデン軍の攻勢に屈せず、「黒い聖母」がもたらした奇跡だと語り継がれているそうです。フス戦争後期にフス派に傷付けられたことから、以降ポーランドにおける愛国心の象徴とされ、カトリック教派の拡大、ロシアからの独立運動、共産主義国家時代の民主化運動などに影響を与えています。
チェンストホヴァの聖母の祝日は8月26日で、「聖母の被昇天」の祝日の8月15日には、ポーランド全土から徒歩で、また世界各地からも信者が訪れるそうです。ポーランドは大多数がカトリック教会の信徒であり、このイコンもカトリック教会で有名ですが、同じイコンはポーランド正教会(チェンストホヴァの神の母イコン聖堂)でも崇敬されています。

【イコン】
「イコン」については、このブログの2016年6月30日に掲載した「イコンのお話し」をご参照ください。https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2016-06-30
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