「聖マルタ」のお話し [聖人・福者・尊者]

今日7月29日は、聖マルタ(ベタニアのマルタ)の記念日です。新約聖書に登場する女性で、ベタニアに弟ラザロ、妹マリアと共に敬虔な生活をしていました。弟のラザロが死んだときは、聖マルタはイエス・キリストのもとに使いを送って信仰と信頼を表して、埋葬されてから4日も経ったラザロを生き返らせてもらいました。その後も聖マルタは妹のマリアと共にイエス・キリストに従いました。イエス・キリストが彼らの家を訪れた記述は、「ルカによる福音書」の第10章・第38~第42節、「ヨハネによる福音書」の第11章・第1~第40節、同第12章・第1~11節に書かれています。
聖マルタ.jpg
新約聖書には聖マルタの死にまつわる出来事は書かれていませんが、中世のころよりフランス・プロヴァンス地方で宣教したとする伝承があり、聖マルタの聖遺物は1187年にタラスコンで発見されました。絵画などで表現される場合、そのアトリビュートとして聖書ないし聖人伝の記述が含まれた図像で描かれ、ひしゃく、箒、鍵束などを持っています。また、主婦や手伝いをする姉妹の守護聖人とされています。これとは別に、聖マルタを象徴する図像にドラゴンがありますが、これはタラスコンに表れたドラゴンにマルタが聖水を飲ませ、サッシュを巻いて捕らえたという伝承によります。

【アトリビュート】
西洋絵画、特に宗教画(キリスト教絵画)には、「アトリビュート(=持物:じぶつ)」というものがあります。これは、絵を描く時の“約束事”として、特定の人物(聖人など)に密接に結びつけられたもの、例えば花、動物、小物、道具や背景などが画かれるのです。「聖母マリア様」の場合は、その名を讃える名称として「マリア・ステラ(Maria Stella)=海の星」が古くから使われていますが、その海の星から来る青い海のイメージから、①青色(濃紺色)のマントや聖母マリア様の象徴である②百合の花がアトリビュートとなっています。
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