細川ガラシャのことば [キリスト者(クリスチャン)]

「ちりぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」

この句は、細川ガラシャ(1563年~1600年)の辞世の句です。「人であれ花であれ、散り際を心得ているからこそ美しい。私もそのようにありたい。」という意味です。
2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」で、女優で元グラビアアイドルの橋本まなみ(ついに結婚してお子さんを7月2日に出産!)が演じていましたね。細川ガラシャ(細川 伽羅奢)は、親徳川派の大名である細川忠興の正室です。織田信長を本能寺で殺した明智光秀の三女で、嫁ぐ前は明智 珠(玉)という名前でした。諱(いみな)は「たま」又は「珠子・玉子」。キリスト教カトリックの信徒です。洗礼名のガラシャ(Gratia・グラツィア)とは、ラテン語で恩寵・神の恵みのという意味です。
一説によると、夫である忠興が、親交のあるキリシタン大名の高山右近から聞いたキリスト教カトリックの話をすると、その教えに心を魅かれていきました。そして、紆余曲折を経て洗礼を受けると、それまで、気位が高く怒りやすかったガラシャの性格が、キリストの教えを知ってからは謙虚で忍耐強く穏やかになったそうです。
細川ガラシャ.jfif
豊臣秀吉による「バテレン追放令」が発布されていたこともあって、ガラシャは夫である忠興にも改宗したことを告げませんでした。1600年8月24日、忠興は徳川家康に従い、上杉征伐に出陣しますが、忠興は屋敷を離れる際は「もし自分の不在の折、妻の名誉に危険が生じたならば、習慣に従って、まず妻を殺し、全員切腹して、わが妻とともに死ぬように。」と屋敷を守る家臣たちに命じるのが常で、この時も同じように命じていました。

この隙に西軍の石田三成は、大坂玉造の細川屋敷にいたガラシャを人質に取ろうと、三成が実力行使に出て兵に屋敷を囲ませました。家臣たちがガラシャに全てを伝えると、ガラシャは少し祈った後、屋敷内の侍女たちを全員集め「わが夫が命じている通り自分だけが死にたい。」と言い、彼女たちを外へ出し、その後、家老の小笠原秀清(少斎)がガラシャを介錯し、ガラシャの遺体が残らぬよう屋敷に爆薬を仕掛け火を点けて自刃しました。

一説には介錯されたのではなく、ガラシャ自ら自刃したとのことですが、キリスト教カトリックの敬虔な信徒であるガラシャのことを考えると、自殺を禁じているカトリックの教えに反して自から自刃を選ぶことはなかったと思います。ガラシャが死を選んだことによる他の大名への影響は非常に大きく、後の関ヶ原の戦いの折、西軍(石田三成)に味方する者が減り、東軍(徳川家康)に恭順する者を増やした原因の一つになったそうです。
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