『悲しみの聖母』のお話し [キリスト教と美術]

私の大好きな『悲しみの聖母』の絵について、このブログに掲載した「キリスト教と美術(悲しみの聖母)2016.8.25」と「職場のデスク(その23)2016.11.3」に掲載した記事を一部加筆・修正して再掲載いたします。なお、このブログの2018年9月15日に掲載した「悲しみの聖母(祝日)のお話し 2018.9.15」は、<聖母マリアの七つの悲しみ>についても書いていますので是非お読みください。
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カルロ・ドルチ(イタリア:フレンチェ:1616年~1687年)の作の油絵です。製作は1655年ごろ。大きさは82.5㎝×67㎝です。国立西洋美術館の収蔵作品で、金色の額縁に入って常設展示されていますが、たまにない場合があります(; ̄O ̄)この絵を観た時、そのあまりの美しさに“うっとり”とした心持ちになりました。この絵の前で1時間ほどいたでしょうか。私はこの絵を観るだけのために、何度も国立西洋美術館に通ったのでした!皆さん!ぜひ国立西洋美術館に行ってください!国立西洋美術館は、JR上野駅、公園口改札を出て徒歩2分です。先ほども書きましたが、たまに常設展示となっていない場合があります(⌒-⌒;)

聖母マリア様が身をまとうローブのなんと美しい色!藍色と紺が入り交じったような深みのある色で、背景の金色と美しく重なり合っていて、その絶妙なハーモニーがこの気品を高めていますね。そして、青いローブからのぞく柔らかな両手は、敬虔な祈りを表しています。それと、斜め下方向に視線を落とす哀しげな顔の表情と、その優しそうな瞳の見開きも、一段と美しさを際立たせています。以前、美術館のミュージアムショップで、同じ大きさのレプリカを販売していました。下世話な話しですが、なんと3万円超もしました。少し躊躇しましたが買いませんでした。無理しても買っておけばよかったのに~ね!(;。;)

◯作品の説明(2016年8月25日:ブログ掲載記事文献表示:「国立西洋美術館ホームページ」から引用)
「本作品は1655年頃、カルロ・ドルチ39歳の時の佳品である。暗い背景に浮かぶ淡い光背に包まれ、深みのあるラピスラズリで描かれた、青のマントを身にまとった聖母マリアの美しくも悲痛な表情は、観者の心に深く訴えかけるものがある。カルロ・ドルチの詳細な伝記を最初に残したフィリッポ・バルディヌッチ(1625-1695)によれば、彼は子供の頃から敬虔な信仰の人で、生涯聖ベネディクトゥス信者会に属していたという。彼は1650年頃から大型の宗教画に加え、聖人の姿を寸法の比較的小さい様々な半身像として描くようになるが、中でも本作品は質の点においてきわめて優れた作品である。両手を合わせた聖母の構図はティツィアーノの聖母像にその原型を認めることができるが、むしろティツアーノの作品を原型として16~17世紀にスペインで人気を博した聖母像の形式をふまえたものと考えられる。ドルチのこうした聖母像はたいへんな人気を博し、現在本作品からの模写と考えられる作品が1点、さらに構図の若干異なる聖母像が模写も含め数多く知られている。長いこと本作品の聖母のモデルは1654年に結婚した妻テレーザ・ブケレッリと考えられているが、自筆デッサンの中にあるテレーザの肖像デッサンと比較した場合、その同一性に対する疑問も指摘されている。(出典: 国立西洋美術館名作選. 東京, 国立西洋美術館, 2006. cat. no. 22)」

下の写真は、私の自室に飾ってある『悲しみの聖母』です。国立西洋美術館の常設展に行ったついでにミュージアムショップに寄り、この『悲しみの聖母』のプリントを買ってきました。世界堂で表装してもらい、自室のコレクションに加わりました。やはり美しい聖母マリア様です!
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そして、愛用のペーパーウエイトのご紹介です。若いころは、書道以外に使用するものでも、すべて”文鎮(ぶんちん)”と言っていました。今ではペーパーウエイトと呼ぶようになり、”必殺仕事人”のデスクにはなくてはならない必須アイテムとなりました。
写真のペーパーウエイトのデザイン(絵)は、わたしの大好きなカロル・ドルチ作の『悲しみの聖母』です。上野にある国立西洋美術館のミュージアムショップで購入したものです。先月、ある方にプレゼントしょうと思いショップを訪れたのですが、製造中止になって販売していませんでした(; ̄O ̄)
ペーパーウエイト2.jpg
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