「十字架の聖ヨハネ司祭教会博士」のお話し [聖人・福者・尊者]

このブログの2018年12月14日に掲載した記事を再掲載いたいします。
今日(12月14日)は、「十字架の聖ヨハネ司教教会博士」の記念日です。聖ヨハネ(スペイン:1542年~1591年)は、16世紀のスペインのカトリック司祭で神秘思想家です。本名は、フアン・デ・イエペスといいます。アビラのテレサと共にカルメル会の改革に取り組み、『暗夜』などすぐれたキリスト教神秘主義の著作や書簡を残しました。カトリック教会・聖公会で聖人であり、教会博士の一人となっています。
十字架の聖ヨハネ.jpg
21歳の時にカルメル修道会に入って司祭となりました。当時のカルメル会は、世俗主義が入り込み、創立当初の精神を失っていました。ヨハネは、1567年に女子カルメル会の改革にあたっていた“アビラの聖テレジア”と出会い、共に修道会の改革に力を尽くしました。翌年、改革派最初の男子修道院「男子跣足カルメル会」を創設しました、1577年に反改革派に捕えられてトレドに幽閉されましたが、翌年にはそこを脱走し、そのころから詩作と著述を始め、『カルメル山登攀』、『霊魂の暗夜』は、獄中の体験をもとにして書かれたといわれています。ヨハネは、真の聖性はキリストのために苦しむこと、自分に打ち勝つことであると説きました。その後もヨハネは修道会の改革に奔走し、1581年に教皇の認可を得ましたが、テレジアの死後、改革派の中でも意見の違いがあり、1591年に役職を解かれ、病の後に亡くなりました。ヨハネは、詩人としても名高く、先に挙げた作品をはじめ、『霊の賛歌』など、スペイン文学史上珠玉の名作と称されています。カトリック教会の最大の神秘家の一人です。
『暗夜』
著者:十字架の聖ヨハネ
訳者:山口・女子カルメル会(改訳)
新書判 並製 307ページ 
定価:本体1,500円+税
発行:ボンボスコ社・1987年12月(初版)
目次
第一編 感覚の暗夜について
第二編 霊の暗夜について
「「暗夜」の教説を理解するには、福音書の次の言葉に照らすとよい。すなわち、「自分を捨てて十字架をになう」と。この言葉の意味を考えると、「暗夜の道」は「十字架の道」に他ならないことがわかる。自分を捨てて十字架をになうとは、神のゆえにすべてを退け、十字架となるものを選ぶというラディカルな要求がこめられている。 十字架の聖ヨハネが述べている暗夜の教えは、福音のこの言葉に含まれた教えである。」
(カルメル会司祭 チプリアノ・ポンタッキョ 序文より抜粋)
暗夜.jpg
『カルメル山登攀』
著者:十字架の聖ヨハネ著
訳者:奥村一郎
B6判並製 526頁
定価:1,800円+税
発行:ドンボスコ社・2012年1月改訂版第1刷
目次
序文
霊魂の能動的暗夜
要旨

まえおき
第I部 感覚の能動的暗夜(15章)
第II部 精神の能動的暗夜─理性(32章)
第III部 精神の能動的暗夜─記憶と意志(45章)
訳者あとがき
訳語解説
神との一致に達するために、どのように心を整えたら良いか、霊的な道の始めにある人、またすでにその進歩の途上にある人にあてられたすすめと教え。生涯を愛の獲得にかけ、ただ一筋に神に恋い焦がれた聖人の名著。カトリック教会の聖人で、教会博士。男子跣足カルメル会を創立。16世紀を代表する神秘家。主な著作に『暗夜』『霊の賛歌』『愛の生ける炎』(いずれもドン・ボスコ社)など。
カルメルの山登.jpg
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