「聖ペトロ使徒座」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

今日2月22日は、「聖ペトロの使徒座」の祝日です。
12使徒の1人で、使徒の頭であった聖ペトロは、キリストから「あなたはペトロ。わたしはこの岩(ペトロ)の上にわたしの教会を建てる。」と言われ、教会の礎としての使命を委ねられました。ペトロは、教会の最初の司教としてアンチオキアに使徒座を置き、その後ローマへ宣教に行きバチカンの丘に使徒座の基礎を築きました。

◯新約聖書:マタイによる福音書・第16章・第18~第19節
「そこで、わたしもあなたに言う。
 あなたはペトロである。
 わたしはこの岩の上に、わたしの教会を建てる。
 陰府(よみ)の国の門も、これに勝つことはできない。
 あなたに天の国の鍵を授ける。
 あなたが地上でつなぐことは、すべて天上でもつながれ、
 あなたが地上で解くことは、すべて天上でも解かれる。」
『原文校訂による口語訳フランシスコ会聖書研究所訳注聖書』から

◯カラバッジョ(イタリア・ミラノ:1571年~1610年)作の『聖ペトロの磔刑(たっけい)』です。1600年〜1601年に制作されました。イタリア・ローマにあるサンタマリア・デル・ポーポロ聖堂にあります。カラバッジョの本名は、ミケランジェロ・メリージです。ミラノの小さな村カラヴァッジョの生まれのため、カルヴァッジョの通称で呼ばれています。ペトロは磔刑される時、イエス・キリストと同じ十字架では恐れ多いということで、十字架を逆さまにして磔(はりつけ)てほしいと願い出て、逆さ十字架で磔刑されたそうです。
cara17.1.1601.3.1.jpg
古代ローマでは、2月22日に亡くなった家族を記念する習慣があり、初代教会もその慣習を取り入れて教会の礎である聖ペトロを記念していました。4世紀に聖アンブロジオは、「ペトロがいるところに教会がある。教会があるところにキリストがいる。」として、この日の意味を明確にし、最高牧者としてのペトロの使命を浮き彫りにしました。聖ペトロの使命は、今日まで代々の教皇(現在266代教皇フランシスコ)に受け継がれています。

新約聖書の外典である『ペトロ行伝』にある聖伝では、ペトロはローマへ宣教し、皇帝ネロによるキリスト教徒迫害下で、逆さ十字架にかけられ、伝承によれば紀元67年に殉教したとされています。また同じ伝承によると、ペトロが迫害の激化したローマから避難しようとアッピア街道をゆくと、師であるイエス・キリストが反対側から歩いてきて、ペトロが「主よ、どこへいかれるのですか(Domine, quo vadis?)」と問うと、イエスは「あなたが私の民を見捨てるのなら、私はもう一度十字架にかけられるためにローマへ行く。」と答えられました。彼はそのお言葉を聞いて悟り、殉教を覚悟してローマへ戻ったということです。このときのペトロのセリフのラテン語訳「Quo vadis?(クォ・ヴァディス、「どこへ行くのですか」の意)はよく知られるものとなり、1896年にはポーランドのノーベル賞作家ヘンリック・シェンキエヴィチがローマにおけるキリスト教迫害を描いた同名小説を記し、ハリウッドでも同名タイトルで映画化されています。

◯このブログの2023年3月18日に掲載した「小説『クオ・ワディス』と映画『クオ・ヴァディス』のご紹介!」を是非ともお読みください。詳しく書いてあります。アドレスは次のとおりです。
https://jesus195876.blog.ss-blog.jp/2023-03-18
◯写真は、2016年に読んだ岩波文庫の『クオ・ワディス(上中下の3巻)』と2017年に購入したワーナー・ホーム・ビデオから発売された『クオ・ヴァディス』DVD(2枚組)です。
image.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。