『我主イエズスキリストの新約聖書』のご紹介 [聖書]

カトリック教会における文語訳聖書の定番聖書!
『主イエズスキリストの新約聖書』は、パリ外国宣教会の宣教師エミール・ラゲによって訳され、明治43年に発行された文語体の日本語訳聖書です。通称は「ラゲ訳」。当時の東京大司教の出版認可を受けています。ラテン語訳聖書のヴルガータ訳をもとに訳されたもので、カトリック教会の伝統に従って、細かい注釈がついています。当時の天主公教会(カトリック教会)において、戦後も口語訳聖書が発行されるまで暫く用いられました。発行当時は、プロテスタント教会からも評価されました。

ヴルガータ訳を基礎としてネストレ版ギリシャ語聖書を参照とし、伝道士加古義一に口述させ、明治38年頃に脱稿しましたが、さらに小野藤太、山田準、武笠三らの添削を受けました。明治41年頃、ラゲ宣教師は上京し、築地司教座聖堂に居を定め、聖書印刷に経験のある横浜福音印刷合資会社で印刷。明治43年に近代以降のカトリック教会としては初めて新約聖書全体の発行に至りました。出版経費は司教座から捻出され、その他の費用はラゲ宣教師の私財と有志の寄付金でまかなわれたそうです。

写真は、古本・古書店探索Webサイト「日本の古本屋」で、群馬県前橋市にある大閑堂書店(古書店)から10,000円で購入した『我主イエズスキリストの新約聖書』です。発行年の掲載がないのですが、書店によると「戦前(昭和期)の出版ではないか」とのことでした。保存状態はバツグンに良いです。大きさは文庫本くらいですね。全482頁です。ちなみに、明治43年の初版本は、保存状態によって150,000円〜210,000円もします!半端な金額じゃないですね( ̄◇ ̄;)貴重本なのですね。
カトリック文語訳聖書3.jpg
中表紙です。戦前のものとしては保存状態はよく、綺麗に保たれています。こんなに綺麗なのは珍しいですね。収められている文書は、「マテオ(マタイ)聖福音書」、「マルコ聖福音書」、「ルカ聖福音書」、「ヨハネ聖福音書」及び「使徒行録(使徒言行録)」です。
カトリック文語訳聖書2.jpg
昔から訳註が掲載されているのがカトリック聖書の特徴です。日ごろ馴染みのない文語体で、しかも現在の出版物と比べ印刷状態もよくないのですが、ルビが振ってありますから案外すらすらと読めますね。(*^▽^*)当時は、カトリック教会のロングセラー聖書でした。
カトリック文語訳聖書1.jpg
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