写真『焼き場に立つ少年』 [キリスト教関係事項・用語等]

この写真は、フランシスコ教皇が2019年11月に訪日した前年の2018年に、カトリック中央協議会が国内のすべてのカトリック教会に配布した日本語版の写真です。写真の裏には「戦争がもたらすもの」というフランシスコ教皇の言葉と署名があります。実は、2017年の年末、フランシスコ教皇が、この写真を印刷したカードに「「戦争がもたらすもの」という言葉を添えて、世界の教会に配布するように。」と指示を出していました。
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写真は、『焼き場に立つ少年(英:The Boy Standing by the Crematory』』という名前がついています。アメリカ人カメラマンのジョー・オダネル氏が撮影したとされるもので、原題は、『焼き場にて、長崎 1945年(英:Cremation Site, Nagasaki 1945)』です。
10歳くらいと思われる少年が、視線をまっすぐ前に向け、口を固く結びながらまっすぐに立っています。少年は、すでに息を引き取って亡くなった弟を背負っていますが、火葬の順番を待っているものといわれています。
なお、ジョー・オダネル氏(アメリア・ペンシルベニア州ジョンズタウン:1922年~2007年8月9日)は、米国文化情報局に勤務した記録映像作家、フォトジャーナリスト及び写真家です。アメリカ軍(日本占領軍)の一員として終戦直後の長崎市に入り、記録写真を撮影していました。命日となった8月9日は、奇しくも長崎市に原爆が投下された日でした。

被写体の少年の身元は、現在も明らかになっていません。この写真が撮影された時期について、美術史研究家の吉岡栄二郎は、「1945年(昭和20年)10月6日もしくは7日頃ではないか。」と推定されているそうです。撮影された場所は長崎市であるとされていますが、どこなのかは分かっていません。しかし、2021年のNHKの調査によりますと、JR長崎本線道ノ尾駅近くの踏切と地形がほぼ一致することが判明しているそうです。また、少年の上着の着合わせや名札を付ける位置から、この写真が裏焼き、すなわち左右反転している可能性が指摘されており、少年の傍にある境界標石に刻まれている文字については、「縣」の字である可能性が指摘されています。また、少年の足元には、ケーブルが3本敷かれているとのことです。
なお、2007年7月、長崎県美術館で催された展示会で、『焼き場に立つ少年』が特別展示され、同年10月、『焼き場に立つ少年』が長崎市に寄贈され、現在は長崎原爆資料館に展示されているそうです。
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