ラ・ロシュフコーのことば(第1日目) [キリスト者(クリスチャン)]

「この世でもっとも幸福な人は、わずかなもので満足できる人である。なぜなら、欲しいものが多ければ多いほど、満足するには、限りない財宝の山が必要になるからである。」

この言葉は、ラ・ロシュフコー公爵フランソワ6世の言葉です。岩波文庫から出ている二宮フサ訳の「ラ・ロシュフコー箴言集」を再読しました。62年も生きていると実感、共感できる言葉がたくさんあります。
著者のラ・ロシュフコー公爵フランソワ6世(フランス:1613年~1680年)は、キリスト教カトリックのクリスチャンで貴族、文学者です。祖父はプロテスタントでしたが、父親がカトリックに改宗しています。名門貴族の生まれです。多くの戦争に参加した後、有名な『箴言集(しんげんしゅう)』を執筆しました。「考察あるいは教訓的格言・箴言」又は「人間考察もしくは処世訓と箴言」というのが原題だそうです。ただし、自身は手紙の中で「箴言集」とのみ書いています。

1659年頃から執筆を始めたと推測されており、その後いくつかの写本も作成され、無許可の海賊版が出たことに対抗するため、正式に印刷物として刊行したのは1664年のことだそうです。その後、一部が削除されて生前に第5版(1678年)までが刊行されています。読んでいると、ロシュフコーの鋭い心理分析と人間観察が、人間の心の機微を一つ残さずに暴き出しているような感じがします。フローベール、ニーチェ、ショーペンハウエル、トルストイや芥川龍之介らが、「枕頭の書(肌身離さずに読む書、心の拠り所としての書)」としたことでも有名です。原文か?訳文か?少々難解なところもありますが、皆様!是非ご一読を!岩波文庫(赤)900円+税

この言葉は、“欲”の問題ですね。物欲だけでなく、金銭欲、名誉欲、食欲、物欲、性欲などなど、欲が過ぎるとどこかで不幸になってしまうものです。金銭欲は人間関係を悪くし、心の豊かさ無くすでしょう。名誉欲も金銭欲と似たり寄ったりですね。食欲や性欲も過ぎると健康など身体や精神にどこかに異変を来すものです。要するに自分の“幸福とは何か”という自己基準がどのように設定されているか?ということですね。背伸びや高望みをすれば際限がありません。少しのもので満足することが幸せなのです。
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