新約聖書:マタイによる福音書・第7章・第12節 [聖書]

「何事につけ、人にしてもらいたいと思うことを、人にもしてあげなさい。」

この聖句(イエス・キリストの言葉)は、聖書の中でも“黄金律”と言われるほど重要な聖句です。黄金律(Golden Rule)とは、「宗教、道徳や哲学で見出される「他人にしてもらいたいと思うような行為をせよ」という内容の倫理学的言明」のことです。このブログに5回目の掲載となります。

旧約聖書の「トビト記」の第4章・第15節に、「自分が嫌なことは、ほかのだれにもしてはならない。」とあり、孔子は「論語」の中で、「己の欲せざるところ、他に施すことなかれ。」と説いておられますし、ユダヤ教では「あなたにとって好ましくないことをあなたの隣人に対してするな。」とあり、ヒンドゥー教では「人が他人からしてもらいたくないと思ういかなることも他人にしてはいけない。」とあり、イスラーム(イスラム教)では「自分が人から危害を受けたくなければ、誰にも危害を加えないことである。」と、この聖句とは、すべて逆説的に書かれています。

私達は、よく人にしてもらいたいと思うことはたくさんあるようですが、人にしてあげるとなると、あまり気が付くことも少ないものですね。その人がしてもらいたいことをしてあげれるように、普段から心がけることが大切ですね。また、その逆説的には、「自分が嫌だと思うことは、人にはするな。」となります。私の自戒すべき言葉です。
クリスチャン作家の三浦綾子さんのエッセイ『あさっての風』に、「「理解してほしい、慰めてほしい」という、人から受ける姿勢から、「理解してあげたい、慰めてあげたい」という、与える姿勢に変わる時、悩みのほとんどは解決していることを、わたしはその時から今まで、何十回となく経験させられてきたのである」と書かれています。
三浦さんは、まさに「人にしてもらいたい。」が、「人にしてあげたい。」という“与える姿勢”に変わった時、今まで悩んでいたことが解決されたと、そのことの経験をとおして自覚されたということです。素晴らしいことですね。
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