今日のニュース2016.2.11 [日記(今日のニュース)]

【AFPロンドンからのニュース】
(フランス通信社(Agence France-Presse、略称:AFP)は、フランス国内最大にして世界最古の報道機関で、現在、AP通信、ロイターに次いで世界第3位の規模を持っています。日本語では「AFP通信」とも呼ばれています。)

「“ロンドンで約450年ぶりにキリスト教カトリックのミサが行われた”
16世紀にローマ教皇と対立し、英国国教会を設立したヘンリー8世が住んでいたロンドンのハンプトンコート宮殿で2月9日、約450年ぶりにキリスト教カトリックのミサが執り行われました。イングランドとウェールズのカトリック教会トップのニコラス枢機卿は「素晴らしい瞬間だ!」と祝福しました。ミサは宮殿の「チャペル・ロイヤル」(王室礼拝堂)で行われ、ニコラス枢機卿はイギリス国教会の主教とともに祈りをささげたとのことです。参列者の一人は「この不穏な時代に宗教間の対話はより必要性を増している。」と語りました。」

ニュースの説明をします!
イングランド王(イギリス国王)であるヘンリー8世は、自身の離婚問題(カトリック教会は離婚を認めていない)をめぐり、当時のカトリック教会の教皇クレメンス7世と対立し、1553年に教皇がヘンリー8世を破門したことで両者の分裂は決定的となりました。(正式に独立することになるのは1559年)。ヘンリー8世は、自らを首長とする「キリスト教イングランド国教会」を設立し、キリスト教カトリック教会から独立(分離)したのです。以後、カトリック信徒は、議会選挙で投票する権利を与えられず、議会や学識を持つ職業から除外されるなど、厳しい差別が続きました。

しかし、イングランド、ウェールズ、スコットランドでカトリック信徒の数が増加し、1850年には、教皇ピウス9世がイングランドとウェールズの聖職位階制を復活させ、その直後の1878年に教皇レオ13世によってスコットランドの聖職位階制が復活されました。それ以来、ジョン・ヘンリー・ニューマン、オーガスタス・ウェルビー・ノースモア・ピュージン、ジェラード・マンリ・ホプキンス、ギルバート・ケイス・チェスタートン、ロナルド・ノックス、イーヴリン・ウォー、グレアム・グリーン、マルコム・マガリッジ、そしてジョセフ・ピアースといった多くの著名人がキリスト教カトリックに改宗しました。ケンブリッジ公爵(ウィリアム王子)のキャサリン夫人(かわいいジョージ王子とシャーロット王女のお母さん)といった王室の一員やトニー・ブレア元首相も退任後の2007年12月にキリスト教カトリックに改宗しています。

一般的にキリスト教プロテスタントに分類されることもありますが、プロテスタント諸派とは異なり、教義上の問題でなく、政治的な問題(ヘンリー8世の離婚問題)が原因となって、キリスト教カトリック教会から分裂したため、典礼的にはカトリック教会との共通点が多いですね。イングランド(イギリス)の統治者(王位にある者)が教会の首長(イギリス英語: Defender of the Faith、直訳は『信仰の擁護者』)であるということが最大の特徴です。まぁ、当時はキリスト教(宗教)の王である教皇と国の王である国王が、どちらが上位にあるかもめていた時代でもありました。
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