「主の洗礼」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

今日1月8日は、「主の洗礼」の祝日です。
昨年12月3日から始まった待降節、そして降誕祭(巷では一般的に「クリスマス」)、降誕節と続き、その締めくくりは、今日の “ 主の洗礼 ” の祝日となります。

初代教会では、主イエスの洗礼の中にキリスト者の洗礼の原型を見ていました。さらに主の受洗によって、「神の霊が降り」、主が神のメッセージを伝える預言者として立てられたという重大な出来事をも見ていました。主の洗礼は、イエスが福音宣教という使命を果たしていくための準備でもありました。そのため、福音記者はいずれも“主の洗礼”を伝えています。主イエスの場合、この洗礼の出来事は、終末的な出来事として描写されています。東方教会では、主の降誕、主の公現、主の奉献、主の洗礼、カナの婚宴の出来事を主の顕現(イエスのうちに神の栄光が現れたこと)の神秘として、一つの祝日として祝っていましたが、東西両教会の交流により主の降誕、主の公現と別々に祝うようになった時に、主の洗礼も別に祝われるようになりました。

◯新約聖書:マタイによる福音書・第3章・第13~第17節
「そのころ、イエスはガリラヤからヨルダン川にいるヨハネのもとに来られ、彼から洗礼を受けようとされた。しかし、ヨハネはそれを思い留まらせようとして言った、「わたしこそあなたから洗礼を受けるべきです。あなたがわたしのもとにおいでになったのですか」。イエスは仰せになった、「今は、止めないでほしい。このように、なすべきことをすべて果たすのは、わたしたちにふさわしいことだから」。そこで、ヨハネはそのとおりにした。イエスは洗礼を受けると、すぐに水から上がられた。すると、みるみる天が開かれ、神の霊が鳩のようにご自分の上に降って来るのをご覧になった。そして、天から声がした。「これはわたしの愛する子、わたしの心に適う者である」。
『原文校訂による口語訳フランシスコ会聖書研究所訳注聖書』から
◯この絵は、アンドレア・デル・ヴェロッキオ(イタリア: 1435年頃〜1488年)の『キリストの洗礼』です。ヴェロッキオは、イタリアのルネサンス期の画家、彫刻家、建築家、鋳造家、金細工師です。この絵は、後にレオナルド・ダ・ヴィンチが完成させています。この場面を画いた絵は多くありますが、構図的に主題が分かりやすく画かれている絵ですね。イエス様は中央、右側が洗礼者聖ヨハネ、左側はイエス様にお仕えしている天使です。この絵は、イタリア・フィレンツェ市にあるウフィツィ美術館に所蔵されています。
キリストの洗礼.jpg
◯祈り
「全能永遠の神よ、
ヨルダン川で洗礼を受けられたイエスに
あなたは聖霊を注ぎ、
愛する子であることを示してくださいました。
洗礼によって新たに生まれ、
あなたの子どもとされたわたしたちが、
いつもみ心に従うことができますように。
アーメン」
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