「幼児殉教者」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

今日12月28日は、「幼児殉教者」の祝日です。
この幼児殉教者(幼児虐殺)は、新約聖書の『マタイによる福音書』の第2章・第16節~第18節に記載されているエピソードです。“新たにユダヤ人の王となる子”(イエス・キリストのこと)がベツレヘム(ベトレヘム)に生まれたと聞いて怯えたユダヤの支配者ヘロデ大王が、ベツレヘムで2歳以下の男児を全て殺害させた出来事のことです。
◯イタリアの中世後期の画家ジョット・ディ・ボンドーネ(イタリア:1267年頃~1337年)作の「幼児虐殺」です。1304年ごろの作です。
幼児虐殺.jpg
新約聖書には、次のとおり記載されています。
◯新約聖書:マタイによる福音書・第2章・第1~18節
<博士たちの来訪>
「イエスがヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになったとき、東方の博士たちがエルサレムにやって来て、言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。私たちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」
これを聞いて、ヘロデ王は不安を抱いた。エルサレムの人々も皆、同様であった。王は祭司長たちや民の律法学者たちを皆集めて、メシアはどこに生まれることになっているのかと問いただした。彼らは王に言った。「ユダヤのベツレヘムです。預言者がこう書いています。
『ユダの地、ベツレヘムよ、
あなたはユダの指導者たちの中で、
決して最も小さなものではない。
あなたから一人の指導者が現れ、
私の民イスラエルの牧者となるからである。』」
そこで、ヘロデは博士たちをひそかに呼び寄せ、星の現れた時期を確かめた。そして、こう言ってベツレヘムへ送り出した。「行って、その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。私も行って拝むから。」
彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子がいる場所の上に止まった。博士たちはその星を見て喜びに溢れた。
家に入ってみると、幼子が母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。 」
『聖書協会共同訳聖書』から
<エジプトへの避難>
さて、博士たちが立ち去ると、夢の中で主の使いがヨセフに現れて言った。「起きよ。幼子とその母を連れて、エジプトに逃げよ。そして、わたしが告げるまで、そこに留まれ。ヘロデが幼子を探し出して、殺そうとしている」。ヨセフは起きて、夜のうちに幼子とその母とを連れてエジプトへ逃れ、ヘロデが死ぬまでそこに留まった。これは主が預言者を通して「わたしはわが子をエジプトから呼び出した」と仰せになったことが成就するためである。
『原文校訂による口語訳フランシスコ会聖書研究所訳注聖書』から
<ヘロデによる幼児殺害>
さて、ヘロデは博士たちに欺かれたと知って、非常に怒った。そして人を遣わし、博士たちから確かめた時に基づいて、ベツレヘムとその地方一帯にいる、二歳以下の男の子をことごとく殺させた。こうして、預言者エレミヤを通して言われたことが成就した。預言者はこう言っている。
「ラマで声が聞こえた。
大きな嘆きと悲しみが。
ラケルは子らのために泣き、
慰めを受けつけようともしない。
もはや子らがいないから」。
『原文校訂による口語訳フランシスコ会聖書研究所訳注聖書』から
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。