「感謝の典礼」と「感謝の賛歌」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

ある信徒の方から、「ミサの中で、「ホザンナ」って言うところがあるけど、何のこと?」とのご質問をお受けいたしましたので、このブログの2019年5月3日に掲載して記事を再掲載(3回目の掲載)いたします。ミサの中に、最も重要な「感謝の典礼」というところがあり、その中に「感謝の賛歌」があります。まずはその説明からお話しいたします。

ミサの第2部である「感謝の典礼」は、叙唱への招きの中にあるように「心を込めて神を仰ぎ、賛美と感謝を捧げる」ものです。奉納(パンとぶどう酒)と奉納祈願が終わると、司祭によって叙唱 が唱えられます。叙唱は、「これから私たちは何について賛美と感謝を捧げるか」という説明であり宣言です。そして叙唱は(いくつかバリエーションがありますが)次のように結ばれます。
「聖なる父、全能永遠の神、いつ、どこでも、主キリストによって、賛美と感謝を捧げることは、まことに尊い大切な務めです。権能を敬う全ての天使と共に、わたしたちもあなたの栄光を終わりなくほめ歌います。」
この言葉によって、感謝の賛歌の意味はハッキリします。感謝の賛歌は、叙唱によって唱えられた神の愛と恵みの業に対する私たち人類の感謝の歌です。そして私たちが感謝の賛歌を歌う時、天使たちも共に歌っているということです。感謝の賛歌は、『ミサ典礼書の総則』によると「感謝の祈り(奉献文)そのものの一部をなして」いるものです。決して「式文の中に挿入された音楽」という程度のものではないということです。

感謝の賛歌
◯サンクトゥス (Sanctus)
Sanctus, sanctus, sanctus, dominus deus sabaoth. Pleni sunt caeli et terra gloriatua. Hosanna in excelsis.
聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、万軍の神なる主。
主の栄光は天地に満つ。
天のいと高きところにホザンナ。

「サンクトゥス」は、ラテン語で「聖なる」。「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、万軍の神なる主よ。天と地はあなたの光栄にあまねく満ち渡る。天のいと高きところにホザンナ」。神への感謝を捧げ、その栄光を称える賛歌です。

◯ベネディクトゥス (Benedictus)
Benedictus qui venit in nomine domini. Hosanna in excelsis
ほむべきかな、主の名によりて来る者。
天のいと高きところにホザンナ。

短い賛歌ですので、ミサでは「サンクトゥス」と「ベネディクトゥス」を併せて一つの曲にまとめられています。マタイによる福音書・第21章・第9節から採られています。意味はラテン語で「祝福があるように」ということです。ちなみにHosanna (ホザンナ)はヘブライ語の音訳で、原義は「救いたまえと(我らは)祈る」となります。ホサンナ又はホサナとも音訳されます。

◯新約聖書:マタイによる福音書・第21章・第9節
「そして群衆は、イエスの前を行く者も後に従う者も叫んだ。『ダビデの子にホサナ。主の名によって来られる方に、祝福があるように。いと高きところにホサナ。』」
以上です。
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。