「天の元后聖マリア」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

今日8月22日は、「天の元后聖アリア」の記念日です。このブログに昨年の8月22日に掲載した記事を再掲載いたします。この記念日は、1954年に教皇ピオ12世が発表した回勅“Ad Caeli eginam”(アド・チェリ・レジナム)によって定められました。この回勅のなかで、教皇は「マリアは神の母であり、新しいエバとしてイエスのあがないの業に参与した。また、卓越した完徳と、力強い取り次ぎによって、天の元后と呼ばれるにふさわしい方である」と述べています。以前は5月31日でしたが、典礼暦の改訂後、聖母被昇天の8日目にあたる8月22日に祝われるようになりました。
スペインの画家ディエゴ・ベラスケスの「聖母戴冠(1641~1644年)」です。スペイン・マドリッドにあるプラド美術館蔵です。
聖母戴冠.jpg
聖書の中には、イエス様が王として描かれている箇所がいくつかあります(マタイ27.11、黙示録19.16など)が、聖母マリア様は、神から遣わされた大天使ガブリエルから、生まれてくる子が「いと高き方の子」であり、ダビデの王座が与えられることを告げられていました。その時から、聖母マリア様はイエス・キリストの母となり、生涯にわたって特別にイエス様の救いの業に協力しました。4世紀の教父、聖エフレム(306年ごろ-373年)は多くの賛歌を残し、マリアを「元后、女王」と呼んで讃えています。その後、この称号は教父や教会博士たちによって好んで用いられ、人々に親しまれるようになりました。

カトリック教会の公会議である第2バチカン公会議で発表された会議文書の「教会憲章」は、「原罪のいかなる汚れにも染まらずに守られていた汚れないおとめは、地上生活の道程を終えて、肉体と霊魂ともども天の栄光に引き上げられ、そして主からすべてのものの女王として高められた。それは、主たる者の主であり(黙示録19.16)、罪と死の征服者である自分の子に、マリアがよく似たものとなるためであった」と述べています。天に上げられた聖母マリア様は、王であるイエス様の栄光にあずかり、女王として讃えられ、すべての人のために恵みを取り次いてくださっています。

聖母マリア様を讃えて祈る祈祷文はたくさんありますが、次に掲載する聖母マリア様へのお祈りは、伝統的なお祈りの祈祷文です。短い祈祷文ですので、見ながらではなく覚えてお祈りしたいものですね。
◯救い主を育てた母(アルマ・レデンプトリス・マーテル)
「救い主を育てた母、あなたは開かれた天の門
光り輝く海の星
倒れる者に走り寄り、力づけてくださる方。
すべてのものがたたえる中で、造り主を生んだ方。
ガブリエルから言葉を受けた永遠(とわ)の乙女よ、
罪深いわれらのために祈り給え。」

◯天の元后 天の女王(アヴェ・レジナ・チュロルム)
「天の元后 天の女王、
世に光を生み出した、いのちの泉、天の門
よろこべ、輝く乙女、すべてにまさる尊い乙女
われらのためにキリストに祈り給え。」

◯元后あわれみの母(サルヴェ・レジナ)
「元后、あわれみの母、われらのいのち、喜び、希望。
旅路からあなたに叫ぶエバの子、なげきながら、
泣きながらも、涙の谷にあなたを慕う。
われらのためにとりなすかた、憐れみの目をわれらに注ぎ、
とうといあなたの子イエスを、旅路の果てに示してください。
おお、慈しみ、恵みあふれる、喜びのおとめマリア。」

◯天の元后 よろこび給え アレルヤ(レジナ・チェリ)
「天の元后、よろこび給え アレルヤ
あなたに宿られた方は アレルヤ
仰せのように復活された アレルヤ
われらのために祈り給え アレルヤ」

◯神の御母(みはは)よ(スブ・トゥウム・プレシディウム)
「神の御母よ、わたしたちはご保護を仰ぎます。
いつ、どこでもわたしたちの祈りを聴き入れ、
御助け(おんたすけ)をもってすべての危険から守ってください。」
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