キング牧師のことば(第1日目) [キリスト者(クリスチャン)]

「人は兄弟姉妹として、共に生きていく術を学ばなければならない。
それが出来なければ、私たちは愚か者として共に滅びることになる。」

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(1929年~1968年)は、アメリカ合衆国のキリスト教プロテスタントの牧師です。「キング牧師」の名で有名ですね。アフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者として活躍しました。「I Have a Dream(私には夢がある)」で知られる有名な演説を行い、1964年にノーベル平和賞を受賞、アメリカの人種差別(特にアフリカ系アメリカ人への人種差別)の歴史を語る上で、なくてはならない重要人物です。

1862年に、エイブラハム・リンカーン大統領によって行われた「奴隷解放宣言」により、アメリカ合衆国での奴隷制度は廃止されました。しかし、奴隷制度からの解放は直ちに人種差別の撤廃を意味するものではなく、その後も人種によって取り扱いを異なるものとすることや、特に学校やトイレ、プールなどの公共施設やバスなどの公共交通等において、白人と非白人等の区別に基づいて異なる施設を用いることは容認されたままだったのです。この人種差別撤廃を目指し、キング牧師は公民権運動(人種差別撤廃運動)をあらゆる困難に遭いながらも、非暴力主義を貫いて1968年に暗殺される最後の最後まで続けました。

1963年8月28日に行われたワシントン大行進において、リンカーン記念堂の前で有名な“I Have a Dream”(私には夢がある)で始まる演説を行い、人種差別の撤廃と各人種の協和という崇高な理想を簡潔な文体と平易な言葉で訴え広く共感を呼びました。演説は即興で行われたそうで、その内容は高く評価され、1961年に就任したジョン・F・ケネディの大統領就任演説と並び20世紀のアメリカを代表する名演説として有名になっています。一度、インーネットで「キング牧師 私には夢がある」で検索してください。ワシントン大行進の際の演説全文を掲載したサイトが見つかると思います。

キング牧師の言葉にある「兄弟姉妹」とは、肉親の兄弟姉妹という意味ではなく、私達の周りにいる人々、つまり「隣人」のことであり、広義の意味では世界の人々ということになります。ですから、平和に暮らすには、肌の色、目の色、髪の毛の色が違うという人種の違う、宗教の違う、政治体制の違う人々と共存共生することが求められます。キング牧師は、平和な社会を築くためには、そういう共存共生の「術(すべ)」を学ばねばならないと説いています。そうでないと、人間関係が不和になり、差別が蔓延し、それが喧嘩や争いとなり、やがて紛争、戦争の世の中になり、人類は愚か者として滅ぶことになりかねないからですね。すべての人が自戒すべき大切な言葉です。
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