「愛」のお話し [キリスト教関係事項・用語等]

今日は、キリスト教における教えの一つである「愛」についてお話しいたします。キリスト教の愛は、「フィーリア(philía)」であり、最も重要な「アガペー(agápē)」のことを意味します。その「アガペー」などの愛とはどういうものなのかについて、その概要を簡潔に説明しますね。

「愛」は、古代キリスト教時代から西洋におけるいろいろな文献によると、次の4種類に分けられます。いずれも古代ギリシア時代から考えられていた4種類の「愛」に関係して説明されています。
1 「ストルゲー(storgē)」
キリスト教では“家族愛”を意味します。(古代ギリシアでは風、火、水、土を結合させる愛でした。)
2 「エロース(érōs)」
キリスト教では“性愛(性的な愛=恋愛)”を意味します。(古代ギリシアでは自己を充実させる愛でした。)
3 「フィーリア(philía)」
キリスト教では“隣人愛”や“友愛”を意味します。(古代ギリシアでは友人の友人に対する愛でした。)
4 「アガペー(agápē)」
キリスト教では“真の愛”を意味します。(古代ギリシアではあるものを他よりも優遇する愛でした。)
以上の4つですが、フィーリアはアガペーに含むと解釈できます。

では、聖書でのアガペー(フィーリアを含む)を見てみましょう。
◯新約聖書のヨハネの手紙第一・第4章・第7~第11節で、「愛する者たち、互いに愛し合いましょう。愛は神から出るもので、愛する者は皆、神から生まれ、神を知っているからです。愛することのない者は神を知りません。神は愛だからです。神は、独り子を世にお遣わしになりました。その方によって、わたしたちが生きるようになるためです。ここに、神の愛がわたしたちの内に示されました。わたしたちが神を愛したのではなく、神がわたしたちを愛して、わたしたちの罪を償ういけにえとして、御子をお遣わしになりました。ここに愛があります。愛する者たち、神がこのようにわたしたちを愛されたのですから、わたしたちも互いに愛し合うべきです。」と。
ここではアガペーやフォーリアの愛を説いています。この聖書の箇所に代表されるように、神の本質が愛であり、特にイエス・キリストをとおして愛が説かれていますね。「アガペー」と「フィーリア」は聖書に用いられていますが「エロース」は用いられていません。

◯新約聖書のマタイによる福音書・第5章・第43~第45節で、イエス:キリストは、「あなたがたも聞いているとおり、『隣人を愛し、敵を憎め』と命じられている。しかし、わたしは言っておく。敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい。あなたがたの天の父の子となるためである。父は悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせてくださるからである。」と。
ここに自分を中傷し敵対する相手であっても、神の子どもとして、また、罪を贖われた者として、隣人とみなして赦し合うべきであるという“人類愛”の宣言がここにあるのです。

さて、私もそうですが、クリスチャン(キリスト者)は、“愛してる!”ということを平気で言います。先ほど掲載した聖書をお読みいただければ、これはアガペーだということが理解できると思います。恋愛関係を求めない限りは、フィーリアであり、アガペーということです。これをいわゆるキリスト教の信徒ではない方にアガペーの愛のつもりで“愛しています”と話すと、ほぼ100%確実にエロースの愛と受け止められます。ここに誤解が生じるのです。

恋いの愛(恋愛)ではなく“真心の愛”だからと説明はしますが、理解してもらえないのですね。これをある方に前々から説明していたつもりだったのですが、恋愛を求めていると受け取られていたようです。すでに理解してもらっていると思っていただけに………。私の説明不足がいけないのですね。反省です。私はクリスチャンであり既婚者ですから、妻以外にエロースの愛はないわけですね。もちろん妻に対してはアガペーの愛もあります。

私は、社会活動や教会活動などで、外国人と一緒になる機会が多いこともあり………その割には英会話はまったくダメですが( ̄▽ ̄;) ガペーの“愛してる”という言葉は平気で言っていますし、挨拶のハグも男女問わず普通にやってますね。ただし、私の活動範囲内においてですよ。
イタリアやスペインのラテン系の方などは、親しくなると男女かまわず親愛を込めて左右の頬に挨拶のキスをしてきます。先日も、スパゲッティ・ナポリタンを食べている最中なのに、そのケチャップだらけの唇でキスなんてやめてくれ~!といってもきいてくれませんでした(;一_一)

これに慣れて、日本人とのギャップに気をつけるのを忘れてしまい、親しくもないのに親しいと勘違いし、ハグやキスをしてしまうと大変なことになります。この場合はセクハラではなく、確実に「強制わいせつ罪」の現行犯(6ケ月以上、10年以下の懲役刑)になりますから要注意です!
気をつけましょうね!(汗)。
ちなみに、イタリア人音楽家の話しでは、イタリアには「スパゲッティ・ナポリタン」なるものはないそうですよ。でも「おいし~い!」と言って食べてました。
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