『天使ミサ ミサ・デ・アンジェリス(Missa de Angelis)』のお話し [キリスト教と音楽]

『天使ミサ ミサ・デ・アンジェリス(Missa de Angelis)』は、カトリック教会の典礼歴でいう聖ミカエル、聖ガブリエル及び聖ラファエルの「大天使の祭日」や「守護の天使の記念日」のような天使の祝祭日ミサ用のミサ曲でした。このため「天使ミサ(De Angelisデ・アンジェリス)」の名称となっています。また、このミサ曲は、世界中のカトリック教会で最もよく歌われて知られてきたものです。例えば、現在でもヴァチカンでの新年教皇ミサ(ラテン語ミサが挙行される)では世界中の多くの信徒が参列しますが、このミサ曲が歌われています。私は、この天使ミサの曲が大好きで、ほとんど毎日寝る前にベッドで聴いて眠りに入ります。この時、私の書斎兼寝室は聖堂と化します。ただ、疲れている日は曲が流れたまま寝落ちしてしまいます( ̄▽ ̄;)
◯YouTubeの「Missa De Angelis in Gregorian Chants | Catholic Ambience」で5曲を聴くことができます。アドレスは次のとおりです。
https://www.youtube.com/watch?v=taLm-PNgjes

グレゴリオ聖歌のミサ曲は18番まであり、この『天使ミサ Missa de Angelis』は第8番目に当たります。日本のカトリック教会における「カトリック聖歌集」では、第503番の聖歌として掲載されています。
◯通常は次の4曲で構成されます。
1.いつくしみの賛歌 キリエ(Kyrie)15~16世紀に作曲されました。
2.栄光の賛歌 グロリア(Gloria)16世紀に作曲されました。
3.感謝の賛歌 サンクトゥス(Sanctus)12世紀に作曲されました。
4.平和の賛歌 アニュス・デイ(Agnus Dei)15世紀に作曲されました。
以上に「信仰宣言 クレド(Credo)第3番」カトリック聖歌集の第508番を組み合わせて5曲として歌われる機会もあります。
私が知るところでは、日本のカトリック教会において、いわゆる『天使ミサ』という場合は、「カトリック聖歌集の第503番と第508番を使い、ミサ通常文、主の祈り、信仰宣言などをグレゴリオ聖歌で進め、それ以外の聖書朗読、答唱詩編などは日本語で司式することになるミサ」という説明になるそうです。

◯『天使ミサ ミサ・デ・アンジェリス(Missa de Angelis)』ラテン語・日本語
1.『いつくしみの賛歌 キリエ(Kyrie)』☆カタカナ読み併記
Kyrie, eleison.
Kyrie, eleison.
Christe, eleison.
Christe, eleison.
Kyrie, eleison.
Kyrie, eleison.

キリエ、エレイソン。
キリエ、エレイソン。
クリステ、エレイソン。
クリステ、エレイソン
キリエ、エレイソン。
キリエ、エレイソン。

主よ、いつくしみを。
主よ、いつくしみをわたしたちに。
キリスト、いつくしみを。
キリスト、いつくしみをわたしたちに。
主よ、いつくしみを。
主よ、いつくしみをわたしたちに。

2.『栄光の賛歌 グロリア(Gloria)』
栄光の賛歌『グロリア』は、「栄光」又は「神に栄光あれ」の意味です。ミサ通常文で司祭によって唱えられる最初のことばです。栄光の賛歌の他、天使の賛歌ともいわれる。
Gloria in excelsis Deo,
et in terra pax hominibus bonae voluntatis.
Laudamus te, benedicamus te,
adoramus te, glorificamus te,
gratias agimus tibi
propter mgnam gloriam tuam.
Domine Deus, Rex caelestis, Deus pater ominipotens.
Domine Fili unigenite, Iesu Christe.
Domine Deus, Agnus Dei, Filius Patris.
Qui tollis peccata mundi, miserere nobis.
Qui tollis peccata mundi, suscipe deprecationem nostram.
Qui sedes ad dextram Patris, miserere nobis.
Quoniam tu solus Sanctus, tu solus Dominus, tu solus Altissimus,
Iesu Christe,
cum Sancto Spiritu, in gloria Dei Patris.
Amen.

天には神に栄光、
地にはみ心にかなう人に平和。
神なる主、天の王、全能の父なる神よ。
わたしたちは主をほめ、主をたたえ、
主を拝み、主をあがめ、
主の大いなる栄光のゆえに感謝をささげます。
主なる御ひとり子
イエス・キリストよ。
神なる主、神の子羊、父のみ子よ。
世の罪を除く主よ、いつくしみをわたしたちに。
世の罪を除く主よ、わたしたちの願いを聞き入れてください。
父の右に座しておられる主よ、いつくしみをわたしたちに。
ただひとり聖なるかた、すべてを越える唯一の主、
イエス・キリストよ、
聖霊とともに父なる神の栄光のうちに。
アーメン。

3.『信仰宣言 クレド(Credo)』(ニケア・コンスタンチノープル信条)
Credo in unum Deum,
Patrem omnipotentem,
factorrem caeli et terrae,
visibilium omnium et invisibilium,
Et in unum Dominum Iesum Christum,
Filium Dei unigenitum.
Et ex Patre natum ante omnia saecula,
Deum de Deo, lumen de lumine,
Deum verum de Deo vero.
Genitum, npn factum,
consubtantialem Patri,
per quem omnia facta sunt.
Qui propter nos homines,
et propter nostram salutem,
descendit de caelis.
Et incarnatus est de Spiritu Sancto
ex Maria Virgine, et homo factus est.
Crucifixus etiam pro nobis
sub Pontio Pilato passus,
et sepultus est.
Et resurrexit tertia die,
secundum Scripturas,
et ascendit in caelum,
sedet ad dexteram Patris.
Et iterum venturus est cum gloria,
iudicare vivos et mortuos,
cuius regni non erit finis.
Et in Spiritum sanctum,
Dominum et vivificantem:
Qui ex Patre Filioque procedit.
qui cum Patre et Filio simul adoratur,
et conglorificatur,
qui locutus est per Prophetas.
Et unam, sanctam, catholicam
et apostolicam Ecclesiam.
Confiteor unum baptisma
in remissionem peccatorem.
Et expecto resurrrectionem mortuorum,
et vitam venturi saeculi.
Amen.

わたしは信じます。唯一の神、
全能の父、
天と地、見えるもの、見えないもの、
すべてのものの造り主を。
わたしは信じます。唯一の主イエス・キリストを。
主は神のひとり子、
すべてに先だって父より生まれ、
神よりの神、光よりの光、
まことの神よりのまことの神。
造られることなく生まれ、
父と一体。
すべては主によって造られました。
主は、わたしたち人類のため、
わたしたちの救いのために
天からくだり、
聖霊によって、おとめマリアより
からだを受け、人となられました。
ポンティオ・ピラトのもとで、
わたしたちのために十字架につけられ、
苦しみを受け、葬られ、
聖書にあるとおり
三日目に復活し、
天に昇り、
父の右の座に着いておられます。
主は、生者と死者を裁くために
栄光のうちに再び来られます。
その国は終わることがありません。
わたしは信じます。
主であり、いのちの与え主である聖霊を。
聖霊は、父と子から出て、
父と子とともに礼拝され、
栄光を受け、
また預言者をとおして語られました。
わたしは、聖なる、普遍の、
使徒的、唯一の教会を信じます。
罪のゆるしをもたらす
唯一の洗礼を認め、
死者の復活と
来世のいのちを待ち望みます。
アーメン。     

4.『感謝の賛歌 サンクトゥス(Sanctus)』
感謝の賛歌は、『サンクトゥス』という名称ですが、短い賛歌ですのでミサでは『サンクトゥス』と『ベネディクトゥス(Benedictus)』を合わせて一つの曲にまとめられています。マタイによる福音書・第21章・第9節から採られており、「神への感謝を捧げ、その栄光を称える」というこ賛歌です。ちなみにHosanna (ホザンナ)はヘブライ語の音訳で、原義は「救いたまえと(我らは)祈る」となります。ホサンナ又はホサナとも音訳されます。
・新約聖書:マタイによる福音書・第21章・第9節
「そして群衆は、イエスの前を行く者も後に従う者も叫んだ。『ダビデの子にホサナ。主の名によって来られる方に、祝福があるように。いと高きところにホサナ。』」
(1)前半の『サンクトゥス』は、ラテン語で「聖なる」の意味です。
「Sanctus, sanctus, sanctus, dominus deus sabaoth. Pleni sunt caeli et terra gloriatua. Hosanna in excelsis.で、聖なる、聖なる、聖なる神、すべてを治める神なる主。主の栄光は天地に満つ。天には神にホザンナ。」までです。
(2)後半の『ベネディクトゥス』は、ラテン語で「祝福があるように」の意味です。
「Benedictus qui venit in nomine domini. Hosanna in excelsisで、主の名によって来られるかたに賛美、天には神にホザンナ。」です。

Sanctus, Sanctus, Sanctus Dominus Deus Sabaoth.
Pleni sunt caeli et terra gloria tua.
Hosanna in excelsis.
Benedictus qui venit in nomine Domini.
Hosanna in excelsis.

聖なる、聖なる、聖なる神、すべてを治める神なる主。
主の栄光は天地に満つ。
天には神にホザンナ。
主の名によって来られるかたに賛美、
天には神にホザンナ。

5.『平和の賛歌 アニュス・デイ(Agnus Dei)』☆カタカナ読み併記
平和の賛歌は、『神羊誦(しんようしょう)』とも呼ばれます。アニュス・デイは「神の子羊」という意味で、ミサでは聖体変化したパンを切り分ける際に歌われます。神の小羊であるイエス・キリストに世の平安を祈る賛歌です。
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, miserere nobis.
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, miserere nobis.
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, dona nobis pacem.

アニュス・デイ、クイ トーリス ペッカータ ムーンディ、ミゼレレ ノービス。
アニュス・デイ、クイ トーリス ペッカータ ムーンディ、ミゼレレ ノービス。
アニュス・デイ、クイ トーリス ペッカータ ムーンディ、ドーナ ノービス パチェム。

世の罪を取り除く神の子羊、いつくしみをわたしたちに。
世の罪を取り除く神の子羊、いつくしみをわたしたちに。
世の罪を取り除く神の子羊、平和をわたしたちに。
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