新訳聖書に登場する地名「ガザ」のお話し [聖書]

先週10月7日、パレスチナ自治区の飛び地であるガザを実効支配しているハマスをはじめとするパレスチナ武装勢力は、イスラエルへの一斉攻撃を行ってパレスチナとイスラエルの間で戦争が始まりました。もう何回目なるのでしょうか?もちろん主戦場は「ガザ(ガザ地区北部)」です。この記事では、戦争の原因や過去からの経緯などの詳細については、とてつもなく長くなりますので書きませんが、パレスチナ地方での戦争・紛争には、第二次世界大戦前からの長い長い憎しみの連鎖があって、双方ともに報復合戦と化していますから終わることがありませんね。どうすれば恒久的な平和を実現することができるのでしょうか。

「ガザ」は、パレスチナ自治区の飛地であるガザ地区の中心都市で、人口はパレスチナ自治区で最大です。歴史は古く、紀元前15世紀古代エジプトのファラオ・トトメス3世のアジア・シリア方面への侵攻で、たびたび古文書・文献などに登場しています。紀元前12世紀はじめにこの地方に移住してきたペリシテ人(ペリシテはパレスチナの語源)の建設した都市国家として、アシュケロンなど他の4つのペリシテ人都市国家とともに連合体を形成していました。地理的にはエジプトとシリアの間に位置しており、古くから交通の要衝となっています。ガザ地区は、東西に約10km・南北に約40kmほどのエリアで、面積は365平方kmです。種子島とほぼ同じ大きさで、東京23区の面積の6割ほどです。中心地は海抜14mの低い平らな丘の上にあります。
◯濃い赤の部分のヨルダン川西岸地区とガザ地区が、パレスチナ自治区です。
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このガザという地名は、新約聖書に登場します。
◯新約聖書:使徒言行録・第8章・第26節
<エチオピアの高官洗礼を受ける>
「さて、主の使いがフィリポに言った。「さあ、立って南の方に行き、エルサレムからガザへ下る道を行きなさい。そこは寂しい道である」。」
この『使徒言行録』の第8章は、イエス・キリストの昇天の後、12使徒の一人であるフィリポに聖霊が降り、エルサレムからエチオピアに帰る途中のエチオピア人の高官に、聖書を解き聞かせてイエスのことを述べ伝え、洗礼を授けたくだりが書かれています。旧約聖書にもガザという地名が、『創世記』第10章・第9節、『申命記』第2章・第23節、『ヨシュア記』第10章・第41節など、他の文書にも記載があり全部で25か所出てきます。

【ハマス(ハーマス)】
「ハマス」とは、パレスチのイスラム教スンニ派イスラム原理主義・極右過激派・民族主義組織のことです。社会奉仕組織「ダワ」と軍事組織「イズ・アッディン・アル・カッサム旅団」を擁しています。2006年のパレスチナ立法選挙で勝利し、2007年のガザの戦いの後、ガザ地区の事実上の統治当局となりました。パレスチナ自治政府の議会でも過半数を占めているものの2007年の分割統治以降、議会は実質停止しているそうです。イスラエルを始め、アメリカ、イギリス、欧州連合や日本などはハマスをテロ組織として指定しています。
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