「聖バルトロマイ使徒」のお話し [聖人・福者・尊者]

今日8月24日は、イエス・キリストの12使徒(弟子)の一人である聖バルトロマイ使徒の祝日です。
聖バルトロマイは、イエスの12使徒の1人で、別名ナタナエルとも呼ばれ、イスラエルのカナに生まれ育ちました。使徒であった友人フィリポの勧めでイエス・キリストと出会ったとき、イエスは「まことのイスラエル人だ。この人には偽りがない」(ヨハネによる福音・第1章・第47節)とバルトロマイのことを言いました。この出会いをきっかけに、彼は弟子としてイエス・キリストに従いました。

伝承によると、イエス・キリストの復活後、彼はインドとアルメニアで宣教し、インド又はアルメニアで殉教したとされています。彼の遺骸は、983年にローマに移され、聖堂に安置されました。職人の守護の聖人とされています。日本では、キリシタン時代にとても尊敬されていた聖人であり、最初のキリシタン大名大村純忠が洗礼を受けた際に、聖バルトロマイを守護の聖人に選んだといわれています。肖像画は、皮剥ぎの刑で殉教したといわれていることから、例えば、バチカンのシスティーナ礼拝堂に描かれているミケランジェロ作の「最後の審判」には、剥がれた自分の皮とナイフを持った姿で描かれています。ただ、この皮の顔はミケランジェロの自画像になっているとのことです。

◯ミケランジェロの大作『最後の審判』です。1541年に完成しています。イタリア・バチカン市国にあるシスティーナ礼拝堂の祭壇後方の壁一面に描いたフレスコ画で、盛期ルネサンスから次代への転換期の作品とみなされており、西洋美術の最高傑作といわれています。『最後の審判』は、400名以上の人物が描かれているそうです。中央では再臨したイエス・キリストが死者に裁きを下しており、向かって左側には天国へと昇天していく人々が、右側には地獄へと堕ちていく人々が描写されています。右下の水面に浮かんだ舟の上で、亡者に向かって櫂を振りかざしているのは冥府の渡し守カロンであり、この舟に乗せられた死者は、アケローン川を渡って地獄の各階層へと振り分けられていくということです。ミケランジェロはこの地獄風景を描くのに、ダンテの『神曲』地獄篇のイメージで描いたそうです。画像をクリックし、大きくして見てください。
最後の審判.jpg
聖バルトロマイが、剥ぎ取られた自分の全身の生皮を持っています(; ̄O ̄)上の絵の中心にいるイエス・キリストの右下に描かれています。聖バルトロマイは、アルメニアで伝道活動をしていたときに既存宗教の指導者から恨まれ、捕らえられて生きながら皮を剥がれて殉教したことから描かれているのです。
バルトロマイ.jpg
◯新約聖書:ヨハネによる福音書・第1章・第45~第51節
「フィリポはナタナエルを見つけて言った、「わたしたちは、モーセが律法の書に記し、預言者たちも書き記している人を見つけました。それはナザレの人で、ヨセフの子イエスです」。すると、ナタナエルは、「ナザレから、何か善いものが出るだろうか」と言ったので、フィリポは、「来て、見なさい」と言った。
イエスは、ナタナエルがご自分の方へ来るのを見て、彼についてこと仰せになった。「見なさい。まことのイスラエル人だ。この人には嘘偽りがない」。ナタナエルが、「どうして、わたしをご存知なのですか」と尋ねると、イエスは、「フィリポがあなたを呼ぶ前に、あなたがいちじくの木の下にいるのを、わたしは見た」とお答えになった。
ナタナエルは答えた、「ラビ、あなたは神の子です。あなたはイスラエルの王です」。イエスはさらに答えて仰せになった、「あなたがいちじくの木の下にいるのを見たと言ったので、あなたは信じるのか。これよりもって素晴らしいことをあなたは見る」。また、仰せになった、「よくよくあなた方に言っておく、天が開けて神の使いたちが人の子の上に昇り降りするのを見ることになる。」
『原文校訂による口語訳フランシスコ会聖書研究所訳注聖書』から
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